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lithe_ibis6568
一回休み|風まかせ文芸部《炭酸》
「炭酸」がテーマのお題企画が発表された。
今回ばかりは無理だ。何しろわたしは「炭酸」をテーマに、あろうことか「単三」規格の乾電池へと音の跳躍をしてしまったばかりなのだ。
そのせいで、いまのわたしは、気の抜けた炭酸飲料のように、泡の立たない文章しか書けない。今回のテーマは、よく冷えて喉ごし爽快の炭酸みたいなわけには、どうにもいかないようだ。
お題企画、一回休み──でもないか。実は、密かに回収済みである。
ただ、炭酸の気の抜けた温度みたいな、不抜けたエッセイで申し訳ない。
ついでと言ってはなんだが、前回の小説の宣伝をしてみたい。
もし、お時間のあるときに、黒猫の背中でも撫でながら、冷たいラムネとともに読んでいただければ、幸甚である。
ラムネの青は、どの世界線でも、いつも同じ濃度で甘い。
──おい、ただの宣伝かよ!
三つの短篇をまとめていたら、思いがけず、ひとつの強い主張をもった連作が立ち上がっていた。作者の感覚では、もはや“勝手に生成されていた”と言ってもよい。単作ごとに読むよりも、互いの影が重なり合い、青と黒の層が静かに響き合う。
そんな気配に耳を澄ませながら少しだけ手を入れ、こうしてひとつの形に束ねてみた。>
どの世界線が正しかったのかは、読んでくださったあなたの中で決まるのだと思う。その揺らぎごと、この連作を受け取っていただけたなら嬉しい。
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