尾張から江戸へ第4のHC「デニス」までのサンロッカーズ フロントの迷走劇、大江戸ダービーへ
今月、近所にサンロッカーズが渋谷から引っ越しして来ました。(昨年は、アルバルク東京が渋谷から引っ越して来た。)
セガサミーが買収して、4年間、紆余曲折ありました。
遂に、ホーム移転し、紫軍団に変わります。(クラブハウスは柏のまま。)
名前も変わり、東京サンロッカーズ。

Bリーグ(B1)でのシーズン別 勝利数
2025-26シーズン: 25勝35敗 最悪のシーズン
2024-25シーズン: 30勝30敗 ルカ中途解任
2023-24シーズン: 35勝25敗 勝ち越し ルカ、ホーキンソン、田中加入
2022-23シーズン: 28勝32敗 セガサミー買収
2021-22シーズン: 24勝25敗
2020-21シーズン: 28勝28敗
2019-20シーズン: 25勝16敗 勝ち越し
2018-19シーズン: 28勝32敗
2017-18シーズン: 28勝32敗
2016-17シーズン: 32勝28敗 勝ち越しCS進出

解任劇が物語る、機能不全
2023年セガサミーが起用したルカ・パヴィチェヴィッチHCが志向する「徹底的な規律とハーフコート主体の遅い展開」は、アルバルク東京時代(前期)には機能したものの、SR渋谷のロスター(特にジョシュ・ホーキンソン選手を軸とした新戦力)とは、ミスマッチを起こしていました。
2024年本来なら強みであるはずのホーキンソンの機動力や多才さが、重く縛られたシステムの中で封印され、パターンを読まれたチームは深刻な得点力不足に陥りました。
セガサミーもフロントもこの「戦術と素材・個性の致命的なズレ」を看過できなくなり、まず社長とGMを交代し、シーズン途中でルカHCを解任するというドラスティックな舵取り(クビ)に踏み切ったのが実態です。
しかし、シーズン途中のHC解任は、結果として以下のような二重の苦しみをチームにもたらすことになりました。
・積み上げの瓦解とアイデンティティの喪失
ルカHCが植え付けようとしていた強固なディフェンスの規律やシステムが途中でリセットされ、チームは「自分たちが目指すべきバスケ」の方向性を見失ってしまいました。
・修正期間の不足
指揮官が変わったからといって、シーズン中にオフェンスのディテールやチームの約束事を急激に変えるのは容易ではありません。戦術の移行期に生じる隙を、東地区の強豪たちに見事につけ込まれる形となりました。
規律を重んじるあまり選手たちのクリエイティビティや個性を縛り、それが限界を迎えてシーズン途中で体制が崩壊した一連の流れこそが、25-26シーズンのSR渋谷が低迷を極めた最大の要因です。
ルカ・パヴィチェヴィッチ氏が解任された後、サンロッカーズの指揮官は目まぐるしく変わる、文字通り「迷走のシーズン」を迎えました。
ルカの後任、およびその後の体制は以下のように変遷しています。

最初の後任:カイル・ベイリー HC
ルカ氏の中途解任(2025年4月)を受けて、アシスタントコーチから昇格する形で、まずカイル・ベイリー氏がヘッドコーチに就任しました。
・特徴
チームに計7シーズン在籍し、日本語も堪能でクラブのカルチャーを深く理解している指導者です。ルカ体制のガチガチの規律から一転、選手たちの主体性や競争を促すバスケへの転換を目指し、2025-26シーズンをそのままスタートさせました。
・結果
開幕当初こそ勢いを見せたものの、東地区の激しい戦いの中で徐々に勝率を落とし、最終的に2026年1月に契約解除(退任)となりました。

さらなる後任:ゾラン・マルティッチ HC
ベイリー氏の退任直後(2026年1月8日)、新ヘッドコーチに招聘されたのがゾラン・マルティッチ氏です。
・特徴
千葉ジェッツでのアシスタントコーチ経験や、スロベニア代表U20を率いた実績など、ヨーロッパや日本国内で豊富な指導キャリアを持つベテランです。
・結果
「魔法の杖は無い」。シーズン後半戦という非常に難しいタイミングでの引き継ぎとなり、コミニケーションを取り、チームの立て直しに尽力したものの、劇的な浮上を果たすまでには至らず、地区8位という結果でシーズン終了後に、契約満了を迎えました。
「1年間にHCが3人」という機能不全の連鎖
結果として、昨年4月のルカ氏の解任から始まったこの約1年の流れの中で、チームは「ルカ → ベイリー → マルティッチ」と、短期間に3人の指揮官が入れ替わる異例の事態に陥りました。
戦術の軸となるHCがこれだけ変われば、選手たちがコート上で迷いを抱えてしまうのは避けられません。コート上の戦術(ハーフコートかトランジションか)が二転三転し、チームとしてのアイデンティティ・まとまりを確立しきれなかったことこそが、後任人事のプロセスも含めた「勝てなかった最大の背景」と言えます。重責を担う神田社長らフロントの重大なケアレスミスです。

そして尾張の名将、江戸に下る
来季(2026-27シーズン)からは、クラブ名が遂に「東京サンロッカーズ」へと変わり、4人目の新たな指揮官としてショーン・デニス氏がヘッドコーチに就任します。

長年、名古屋ダイヤモンドドルフィンズを率いてアップテンポな超攻撃的バスケを展開し、5年間で4度もCSへ導いたあの名将です。
デニスHCの就任により、チームのスタイルは大きく変わると予想されます。
・スタイルの一新(超高速展開へ)
ルカ時代のような重いハーフコートバスケから一転、デニスHCが得意とする「激しいディフェンスからの超高速トランジション(速攻)」へのシフトが期待されます。ポイントになるPG齋藤拓実はいないが。
・ホーキンソンとの相性
走れて外からも打てるジョシュ・ホーキンソン(契約継続)にとっては、彼の機動力や多才さを最大限に活かせる最高のシステムになる可能性が高いです。
・強力な脇を固めるスタッフ
脇を固めるトップアシスタントコーチには、かつて滋賀でデニスHCと共に天皇杯ベスト4進出などを果たした浜中謙氏(元信州HC)が復帰します。気心が知れた相棒を連れての参戦です。
B.PREMIERの開幕を控える重要なシーズンに、リーグ屈指の戦術家であるデニスHCを引っ張ってきたフロント陣の本気度が伺えます。
あの停滞したオフェンスがどこまで爆発的なものに生まれ変わるか、来季の大きな見どころです。
同じホームアリーナには、三河から江戸に下った名将リッチマンが率いるアルバルク東京が、虎視眈々と待ち受けています。
大変興味深い事に、まったくよく似た5アウトの超高速チームに、アルバルクもサンロッカーズも共に変革しようとしています。共にルカの重いスローなハーフコートのしわ寄せを、愛知の2人の名将の横取りに託す。
尾張(織田信長が有名)と三河(徳川家康が有名)の名将が、同時に江戸(家康が開城)に下りました。サラリーキャップ制下の令和の札束攻勢でした。ルカの代償は高くついた。
令和の江戸城トヨタアリーナでの大江戸ダービーが楽しみです!

アルバルク連敗
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参考note
5年目の決断、リッチマンHC誕生↓
さようなら日立のサンイエロー↓
