NOAH2.6後楽園大会観戦記~主役は内藤哲也か、それともドラゴン・べインか
久々にプロレスリング・ノア後楽園大会を観戦に行ってきました。
目的はやはり「NOAHでの内藤哲也を見たい」それも「聖地後楽園での内藤を見たい」ということでした。
2.11のGHCタッグ戦は即完売だったのですが、この大会への内藤の参戦は、後から発表されただけに、少し席にも余裕があるかと思ったのですが・・・結局こちらも超満員で、席は最後列あたりでしたね。
昭和世代的な感想も織り交ぜながら、観戦記を書こうと思います。
〇KENTA&HAYATA&遠藤哲哉VS内藤哲也&BUSHI&RYUSEI
さっそく、内藤の試合の感想から語りましょう。
とにかく新しい入場テーマが格好良くて、場内は大変な盛り上がりでしたね。
武道館のXとしての登場も盛り上がりましたが、今回の「満を持して」ノアのリングに乗り込んでくる黒船感も、相当なものでした。
そんな外敵感でノアファンが盛り上がる一方、場内見渡せば、かなりの数の内藤ファンがひしめいていて。内藤新日去りし後の飢餓状態をようやく埋められる!という至福感が充満していました。
要するにどっちのファンにとっても、幸せなプロレス空間が現出したわけです。

まあしかし、試合内容では内藤哲也はまだまだ万全とは言えませんね。
どことなくヨタヨタ、モタモタした危なっかしい動きが目立ち、観客はハラハラしていたと思います。
とはいえ、それで場内の雰囲気が壊れるということもなかったです。
6人タッグという形式もあって、「内藤哲也がいる」というオーラだけで十分満足できるところがありましたからね。
後楽園での観戦でいうと、衰えてからのジャイアント馬場さんの試合を見ている時の感覚に、近かったです。
まあ2.11の試合はタイトルマッチだけに、もっと要求水準が高くはなりますが、今日のところは、その存在感を確認しただけで十分でした。
試合はともかく、試合後のKENTAとのマイク・パフォーマンス合戦は凄かったですね。
「何でベルトを持ってきてないんだ。お客さんに失礼だろう」「逆にベルトを持ってない方がレアじゃない?」
内藤にせよKENTAにせよ、こういうやりとりを、一切間を置かず、瞬時にやれる頭の回転やセンス、ウイットは、もう一流芸人並みでしょう。
(彼らにせよ、OZAWA、Yuto-Ice、ジェイク・リーにせよ、今のプロレスラーの言語感覚というのは凄すぎますね。どうしてそうなっているのかは、じっくり検証したいところです)
試合の組み立てとしては、中心となったのは、デビュー2戦目のRYUSEIでした。
RYUSEIは、すでに体格的にもビジュアル的にも完成されていて、試合度胸もよかったですね。その前の試合に出た、ノアの新人組との比較でいっても、プロらしさでは上回っていました。
ただデビューの時点でキャラクターができていると、逆に苦労するところもあると思うのです。
メジャー団体の新人は、修行期間は基礎中心に無印でいって、十分力をつけた段階でキャラクター化すればいいので、結果を急がれないのです。
でもRYUSEIみたいな場合は、なまじキャラクターができている分、求められるものも高くなってしまうのです。
その意味でKENTAが、あくまでも新人選手としての扱いでもてなしたのは、よい激励だったかもしれません。まずはあくまでも、基本を磨いていくことでしょう。
〇ノアの新人レスラー3人について

ついでにノアの3人の新人レスラーについて触れると、鶴屋浩斗と高橋碧については、レスラー以前に、まだ人間として若い感じですね(ともに19歳)。なので、レスラーとしての技術には見どころがあっても、それを感情的に表現していくには、まだ人生経験が足りない感じです。
まあこれはじっくり時間をかけていけばいいでしょう。
一方で今年26歳で教員経験もある小柳勇斗は、すでにベテランみたいな雰囲気がありましたね。堅実なテクニックと、間合いの取り方。
風貌的にも体形的にも、往年の名レスラー、タッグの名手の吉村道明さんを彷彿とさせます。
RYUSEIと小柳が戦ったら、お互いちょっと、いい刺激になるんじゃないですかね。
〇アルファ・ウルフ&カイ・フジムラVSダガ&小田嶋大樹
さて、本大会のメインとセミは、ジュニア・タッグ・リーグ戦でした。
内藤哲也やOZAWA、清宮を押しのけてのメイン、セミ・・・
特に、内藤目当てで来たノアファン以外には、是非とも強いインパクトを残さないといけません。
結果としては・・・十分な成功だったのじゃないですかね。

セミはやはり、小田嶋大樹でしたね。
この人はデビュー1年半にして、レスリング・テクニック、空中殺法、それに観客の感情移入を誘う共感力と、全部揃っているのが驚異的です。
先ほど「メジャー団体の新人は、基礎修行期間は無印でいって、十分力を蓄えた段階でキャラクター化していく」と書きましたが・・・
ごく稀に、修業期間からスタイルを変えず、そのまんまトップレスラーになっちゃう人がいるんですよね。
名前をあげれば小橋建太です。
本田多聞つながりかどうかは置くとしても、小田嶋には、小橋と共通する
雰囲気があるのです。
ですから、このまんま海外修行も何もしないで、自然にトップに立ってほしし、それができると思うんですね。
後、カイ・フジムラも頑張っていました。
この人、絶対にいい人だと思うけど、それとレスラーとしての欲は別ですからね。というか、地の「いい人」である限り、レスラーとしてもう先へは進めないと、腹をくくったんでしょうかね。
小田嶋をロープで絞首刑って、そりゃあかつて、スタン・ハンセンがテリー・ファンクにやったやつですよね(笑)なんか懐かしかったですよ。
〇ドラゴン・ベイン&アレハンドロVSマーク・トゥリュー&キーロン・レイシー

メインは、ドラゴン・ベインに尽きましたね。
何故この人が、アルファ・ウルフとの兄弟タッグを解消したのか、よくわかりました。
ウルフとの兄弟連携の空中殺法は、確かに驚異的でしたが、凄すぎて技の印象しか残らない側面もありました。
しかしこうして一人一人を切り離すと、それぞれの人格的個性が際立つのです。
ドラゴン・ベインの場合は、はっきりとした「光属性」ですね。ああ、この人はヒーローだったんだと、改めて思いました。
「闇属性」のウルフと別れたことで、同じ技でも、輝きが違って見える。
その一挙手一投足には、メインエベンター足る魅力が伴っていましたね。
2月の後楽園ホールでのプロレス大会、そしてルチャ戦士・・・というと、昭和からのファンである私はつい、1971年2月に、ミル・マスカラスが来日第一戦で、本邦初公開のダイビング・ボディアタックを決めた瞬間を、思い出してしまうのですが。

それまで二次元的だった日本のプロレスは、あの瞬間に一気に立体の3D=三次元へと突入したわけですが。
その一撃から55年。同じルチャ戦士のドラゴン・ベインが、3D殺法を、ここまで極限に押し進めたと思うと・・・昭和からのファンとしては、とてつもなく感慨深いのですね。
仮面ライダーも『仮面ライダー・ゼッツ』として継承されていますが、プロレスの方も、さるものなのです。
ということで、2.6後楽園大会について、語ってきました。
今後の展開としては、内藤哲也が、気心の知れたKENTAとの対戦から、OZAWAや清宮海斗らとの、未知との遭遇へと乗り出す時が、とても楽しみですね。
その時、どんな化学反応が起こるのか。
無茶苦茶期待しております。
