学会で使えるAIスライド(テンプレ用プロンプトあり)~研究者のためのAIサービス比較ランキング~
(2026.3.14追記)さらに後出しですみませんがWeb版Claudeだと安定して複数枚のスライド出せないのでClaude CodeやCodexのSkillを使ってスライド生成するのが一番安定していると思います。
(2026.2.8追記)手の平クルクルですみませんがClaude Opus4.6のモデルによるpptx生成はGensparkより良くなりました。Claudeは他のタスクにも使えるので(Gensparkは個人的にAIスライド以外使い道がない)Opus4.6でのスライド生成を個人的には推奨します。
はじめに
X(旧Twitter)を見ていると、デザイン性の高い「映える」AIスライドが流れてくることがあります。その多くはNanobanana Pro(あるいはそのエンジンを搭載したNotebookLM)で生成されたもので、確かに見た目は美しいです。
しかし、我々医師や研究者が学会、講演、講義などのスライドに求めているのは、過剰な装飾ではなく、「編集のしやすさ」や「情報の正確な構造化」です。
今回、糖尿病の周術期管理を題材に、主要なAIツールで実際にスライドを作成し、研究者目線で比較検証を行いました。いずれのサービスもほぼ同一プロンプトで修正なしの一発出しです。またデフォルトで使うとAI感は出ますがプロンプトで縛ることである程度AIっぽさを消すこと可能です。最後にテンプレ用のプロンプトを4種類置いておきます。
またAIでスライド作成するのに重要なポイントとして抄録や資料をいきなりAIに渡してスライド作成するのではなく、抄録や資料から一旦スライド構成案を作成してそれをAIに渡してスライド作成した方が良い出来になります。
※なお、本ランキングは2025年12月20日時点の私の個人的な趣味と、後述のほぼ同一のプロンプトを用いた検証結果に基づいています。各サービスごとに最適化されたプロンプトを用いれば結果が異なる可能性がある点はご了承ください。最終的なツール選定は、ご自身の好みに合わせて判断いただければと思います。
スライド作成の具体的な手順はこちらから(2025.12.30追記)
1. 生成AIスライド・個人的ランキング(全8ツール)
「デザイン」「修正の容易さ」「レイアウトの崩れにくさ」「指示追従性」を基準に順位付けしました。
👑 1位:Genspark



【評価】 現時点で最も実用的。
久しぶりに触れてみて、その進化に驚きました。もちろんpptxファイルで編集可能。
修正機能: レイアウト崩れをAIが検知して修正してくれます。
セーブポイント: 修正して崩れてもすぐに直前の状態に戻れるため、試行錯誤が苦になりません。
注意点: デフォルトだとフォントサイズが小さくなりがちなので、プロンプトで文字サイズを厳格に指定(矯正)する必要があります。
🥈 2位:Felo



【評価】 スライド特化の安定株。もちろんpptxファイルで編集可能。
Genspark同様、スライド作成に特化したチューニングがなされており、汎用モデルよりも一発出しのクオリティが高い印象です。SVGの複合要素のため?カードの周りの色が変わってしまっているのが残念。
🥉 3位:Claude 4.5 Opus (SVG生成)



【評価】 スライド特化はしていないが表現力高い。
SVGコードとして出力し、PowerPoint上で「図形に変換」することで、完全編集可能なオブジェクトにできる点が強みです。なぜか直接pptxファイルを生成させるよりデザインがよくなります。Sonnet4.5ではデザイン性、指示追従性が落ちるため、Opus4.5推奨です。Genspark試すまではこれが一番だと思っていました。利用制限に達しやすいのが難点で30枚くらい作成すると制限がかかります。
4位:NotebookLM










【評価】 Nanobanana Proのエンジンによる美麗な図解。
Xでよく見る「映える」スライドはこれです。図解のセンスは良いですが、基本的に「編集不可」なのが研究用途としては痛手です。ChatGPT等を経由してpptx化する裏技もありますが、少々手間がかかります(やり方は下記ポスト参照ください)。また枚数を守れていないのも減点です(内容が多い時はスライド分割という指示を守っている可能性はありますが)。
■ GPT-5.2 に Nano Banana Pro のスライドを渡したら、普通に編集可能なpptxにしてくれた
— 炎鎮🔥 - ₿onochin - (@super_bonochin) December 12, 2025
レイアウト考えたり画像作るところだけ Nano Bnana でやって、そこから先の修正とかメンテは、pptx にして Copilot でやると超速いw
← パワポのスライド
→ 元の画像
こんな感じのプロンプトでやった。
---… https://t.co/Z6UTIYCFfe pic.twitter.com/srsrivWJxD
5位:Manus






【評価】 デザインはまずまずですが関係ない図を入れてくるので減点。
今回は無料版モデルでの試行だったためフェアな比較ではないかもしれません。
6位:Claude 4.5 Opus (pptx生成)



【評価】 カードに対して文字が小さい。
ファイルとして直接排出してくれるのは便利ですが、SVG生成に比べるとデザインが画一的で、生成にも時間がかかります。ClaudeのSVG生成同様、利用制限にかかりやすいです。
7位:Gemini / Canvas



【評価】 サイズが合いません。
CanvasをONにしてスライド作成指示することでGoogleスライド経由でpptxファイル変換可能です。プロンプト調整すれば上手くいくのかもしれませんがオブジェクトのサイズ調整が上手く行きません。あとこれは細かい点ですがHTMLで作成してしまうとGoogleスライドへの変換が不可になってしまうのですがこのあたりのコントロールが少しやりづらいです。
8位:ChatGPT (GPT-5.2Thinking)



【評価】 デザイン・描画があまり上手ではない。レイアウト調整に難あり。
フォントサイズの指定などは守ってくれますが、全体のバランスが崩れやすく、手直しに時間がかかりそうです。レイアウトやフォントサイズについては逆に指示しない方が上手くいくことも多いです。
2. 【コピペ用】テンプレプロンプト集
プロンプトの型を公開します。以下のコードブロックをコピーして、好みのAIサービスに入力してください。色はサイトで好みの組み合わせからカラーコードを拾ってきて作成しても良いと思います。
① ミントブルー基調

今回の検証で使用したスタイルです。白背景にカードを配置して影(シャドウ)で浮かせ、視認性と清潔感を両立させています。医療・バイオ系の発表に最適です。
HTMLとCSSでスライドテンプレートを作成してください。ブラウザでプレビューし、PDF経由でPowerPoint(16:9)に変換することを前提とした設計です。
1. カラーパレットの完全厳守(他色禁止) 以下の4色のみを使用してデザインしてください。デフォルトの黒(#000000)や標準の青(blue)は一切使用禁止です。
メインカラー: #77B8C6 (ミントブルー)
用途:見出し、図形の塗りつぶし、主要な線。
サブカラー: #E0F2F5 (極めて淡いミント)
用途:スライド全体の背景色、交互行の背景。
テキスト色: #444444 (ダークグレー)
用途:全ての文字色。
アクセント: #FF9999 (サーモンピンク)
用途:強調したいポイントのみ少量使用。
カード背景: #FFFFFF (白)
2. デザインコンセプト:清潔感のあるカードスタイル
背景: グリッドや模様は廃止し、**「無地(ソリッドカラー)」**にしてください。
body 全体の背景色をサブカラー(#E0F2F5)に設定。
カード型レイアウト:
背景の上に、コンテンツを載せるための「白いカード(background: #FFFFFF)」を中央に配置してください。
カードには box-shadow: 0 4px 15px rgba(119, 184, 198, 0.15); を適用し、柔らかく浮かび上がらせてください。
3. フォントサイズとルール(1pt = 1.333px換算)
キャンバス: 1920px × 1080px(固定)
スライドタイトル: 58.6px (44pt相当)
配置:カード内の左上。
本文テキスト: 32px (24pt相当) を標準。
最小 26.6px (20pt相当) を死守。② その他のスタイル案(用途に合わせて調整)
上記のプロンプトの「カラー」と「デザインコンセプト」を差し替えることで、用途に応じたテンプレートが作れます。
A. ティールグリーン・ベース(清潔感・信頼性重視)
深い青緑(ティール)と白を基調とした、清潔でメリハリのあるデザイン。

HTMLとCSSでスライドテンプレートを作成してください。ブラウザでプレビューし、PowerPoint(16:9)に変換することを前提とした設計です。
1. カラーコードと配色の厳守 以下の「ディープ・ティール」配色のみを使用し、指定外の色は使用しないでください。
メインカラー(濃い青緑): #005B6E
用途:スライドタイトル文字、強調したい数字、見出しの一部、装飾ライン。
サブカラー(薄い青緑): #E6F4F1
用途:カードやボックスの背景色。
アクセント(黒に近いグレー): #2C3E50
用途:通常の本文テキスト、見出し。
背景色: #FFFFFF(白)
※グラデーション禁止。画像・アイコン禁止。
2. ヘッダーデザイン(標準スタイルへ変更) サンプルのような「左上の巨大なスライド番号(01, 02等)」は廃止してください。
スライドタイトル: フォントサイズ 58.6px (44pt相当) で左上に配置。
色はメインカラー(#005B6E)を使用。
仕切り線: タイトルエリアのすぐ下に、幅100%・高さ 4px のメインカラーの直線を配置してください。
3. フォントサイズとルール(1pt = 1.333px換算)
キャンバス: 1920px × 1080px(固定)
本文テキスト: 32px (24pt相当) を標準。
カード内の小文字: 補足説明などは 26.6px (20pt相当) まで許容。
実績数字(データ): プレゼン内での重要な数字は、120px〜150px の超特大サイズで強調してくださいB. クールグレー・モノトーン(客観性・静寂重視)
余計な情報を排除し、データそのものを冷静に見せたい場向け。無機質なクールグレー(寒色系の灰色)と白のみを基調とした、ストイックでノイズのないデザイン。

HTMLとCSSでスライドテンプレートを作成してください。ブラウザでプレビューし、PowerPoint(16:9)に変換することを前提とした設計にしてください。
1. カラーコードの厳守(指定以外の使用禁止) スライド内では、以下の3色のみを使用してください。
メインカラー(青系グレー): #96A5B4 (各スライドの縁取り、見出しの下線、アクセントに使用)
背景色(極めて淡いグレー): #F2F4F5
テキスト色: #444444
※ボックスの背景には白(#FFFFFF)を使用し、枠線は #96A5B4 を使用してください。
※グラデーションやアイコン画像、写真の使用は一切禁止。
2. スライド共通レイアウトとアクセントライン(太さ固定)
外枠: スライドの全周(上下左右)に、太さ 24px のメインカラー(#96A5B4)の縁取りを配置してください。
タイトル下線: スライドタイトルのすぐ下に、幅100%・太さ 2px のメインカラーの水平線を配置してください。
フッター・ページ番号: 不要。
3. フォントサイズとルール(1pt = 1.333px換算)
キャンバスサイズ: 1920px × 1080px (固定)
スライドタイトル: 58.6px (44pt相当)
本文テキスト: 32px (24pt相当) を標準とし、最小でも 26.6px (20pt相当) を維持すること。
自動分割: テキストがスライドの高さを超える場合は、フォントサイズを下げずに、新しいスライド(.slide クラスの複製)に分割して出力してください。C. スマート・シアンブルー(先進性・機能美重視)
鮮やかなシアン(水色)と白を基調とし、ドロップシャドウ(影)を用いた、ITツールのインターフェース(UI)のような現代的で洗練されたデザイン。

あなたは世界最高峰のデザイン賞を受賞したUI/UXデザイナーです。
医療従事者が学会発表で使用する、信頼性と先進性を兼ね備えたHTML/CSSスライドテンプレートを作成してください。
【デザインコンセプト】
「Modern Medical Clean」
- 既存の「枠線で囲む」スタイルを廃止し、余白と影で構成する「カードUI」を採用。
- 視線誘導を意識した、情報の強弱(コントラスト)がはっきりしたデザイン。
- 1920x1080px (16:9) の固定レイアウト。
【配色ルール(厳守)】
- メインカラー: #009FE8(シアンブルー)
- アクセント: #004DA0(ネイビー)
- 背景色: #F4F8FB(ごく薄いブルーグレー ※スライド全体の背景に使用し、白を際立たせる)
- カード背景: #FFFFFF(白)
- テキスト: #333333(濃グレー)
【CSSデザイン詳細指示】
1. 全体レイアウト (Layout)
- スライド全体の背景色を #F4F8FB に設定。
- コンテンツは `border-radius: 16px` の白いカード(div.card)の中に配置する。
- カードには `box-shadow: 0 4px 20px rgba(0, 77, 160, 0.08)` を付与し、枠線(border)は使用しないこと。浮遊感を出す。
- コンテンツエリアには十分な余白(padding: 40px)を持たせる。
2. ヘッダーデザイン (Header)
- タイトル文字サイズ: 56px (font-weight: 700)
- 左端の装飾ライン: 幅8pxの角丸(border-radius: 4px)、色はメインカラー(#009FE8)。
- タイトルはスライド上部に配置し、背景は透過。余計な囲み枠は排除する。
3. タイポグラフィと情報の強調 (Typography)
- フォント: "Noto Sans JP", sans-serif を使用。
- 【重要】数値の強調:
血糖値などの数値(例: 100-180)は `font-size: 80px`、`color: #004DA0`、`font-family: 'Roboto', sans-serif`(欧文フォント)で極太に強調。
- 単位(mg/dL)は `font-size: 24px`、`color: #666` に落とし、数値の横にベースラインを揃えて配置。
- 見出し(h2, h3)には下線などの過剰な装飾をせず、文字の太さと色(#009FE8)だけで表現する。
4. 図解・矢印 (Visual Elements)
- 時系列やプロセスを示す矢印は、三角形(▶)ではなく、CSSで描画した「シェブロン(Chevron)」またはFontAwesome等のアイコンを使用し、色は薄いグレー(#CCCCCC)で控えめに配置。
- タイムライン(左から右への流れ)を意識し、Flexboxを用いて要素を横並びに配置。
5. コンテンツブロック (Content Blocks)
- 「過去の経緯」「現在の方針」などのブロック分けは、背景色を変えるのではなく、白いカードを横に並べることで表現する。
- どうしても背景色が必要な強調エリアのみ、`background-color: #E1F4FC` を使用し、`border-left: 6px solid #009FE8` でアクセントをつける。おわりに:スライド作成は「0から」やらない時代へ
私は今回の検証を通じて、もはや、「白紙のPowerPointを開いて、0からスライドを作り始める」時代は終わったと思いました。
AIが初手で生成してくるスライドのクオリティは、私が自分でサクッと作成したもののレベルを超えています。とりあえずAI(今回ならGenspark等)で80点の土台を作ってもらう。そして、浮いた時間と労力を「内容のブラッシュアップ」や「自分にしか発信できない考察の追加」に費やす。これこそが、これからの生産的で本質的なプレゼン準備のスタイルになると感じています。
