旅の終わりに、見届けた線路|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#8
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海が見える駅で、40分立ち尽くす|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#7|げじげじくん|旅好きのアラフィフ
16時半ごろの水戸駅。
スタバの店内は思っていたより混んでいました。
空席を探して、少しうろうろする。
ようやく確保した小さな席に、ふたりで腰を下ろします。
ホットコーヒーを一口。
舌の上の温度が、身体の奥にゆっくり広がる。
その瞬間だけ、今日の出来事が遠くに下がりました。
疲れは、確かにある。
でも、まだ終わっていない。
帰りの臨時特急で通る、
「この列車しか走らない区間」。
そこを見届けたいという気持ちが、
コーヒーの苦味と一緒に残っていました。
🚉眠るか、見るか

車内は静かでした。
往路の高揚はなく、柔らかい疲労が満ちている。
周囲の乗客の多くは、目を閉じています。
規則正しい揺れ。
私も、目を閉じればすぐに落ちそうでした。
今日はもう十分歩いた。
十分見た。
十分、選んだ。
それでも、あの区間だけは見たい。
窓の外がゆっくり暗さを帯びていく。
コーヒーをもう一口。
眠気は、容赦なく重くなる。

🚉見届けるということ

やがて、その区間に差しかかります。
日常では通らない線路。
ほんのわずかな時間。
派手な景色ではありません。
けれど、「ここを通った」という事実が、今日を締めくくる。
まぶたを持ち上げたまま、
窓の外を見続けました。
非日常は、与えられるだけではなく、
自分で掴みにいくものなのかもしれません。
眠気に勝つほど見たい景色がある。
それだけで、十分でした。

武蔵野線に向かいます
(普段は貨物列車しか通らない…)

遅れていたようで少し停車したままでした

🚉地元の空気
列車が朝、出発した駅に到着します。
ドアが開いた瞬間、
寒暖の感覚が少しだけぼやけました。
疲れが、戻ってくる。
でも、満たされた静けさも一緒にあります。
朝のホームの冷たさ。
通信に焦った指先。
白梅の香り。
海の青。
そのすべてを通り抜けて、
最後に見届けた線路。
旅は終わりました。
けれど、今日という一日は、まだ身体の中に揺れています。
コーヒーの余韻と、列車の振動。
静かな帰宅でした。
(おわり)
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