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テーマパークで学ぶ医療統計 第1章

新シリーズ開幕です。

「この薬は従来のものと比較して・・」
「ハザード比が・・」
「p値が・・」
「ロジスティック回帰分析を用いて・・」

???

論文を読んでいても、医療統計は難しい、苦手!
そんな人が多いのではないでしょうか

そこで、
▶︎医療統計を身近なものに例えて
例:ランド派とシー派のうち、男女比に違いはある?
▶︎明日から論文の図を見るのが楽しくなる

そんな記事を届けることができればと思います。

博士と統計初心者の太郎くんの会話を読みながら、
一緒に医療統計について学んでいきましょう。

博士と太郎くんは、
とあるテーマパークに移動しました。

博士「太郎くん、一番最初に、モノの名前をおぼて欲しいんだ。」

太郎くん「え?早速暗記?」

博士「まずは3つだけ。これを覚えると統計学が非常に分かりやすくなるんだ」

1️⃣統計用語を3つ覚えよう

博士「太郎くんの性別は?君は大人?タバコは吸う?」

太郎くん「僕は男で、大人です。タバコは吸いません。なんですかこの2択の質問。」

博士「この2択で答えられるモノ。
これを【カテゴリー変数】というんだよ。

カテゴリー変数:
性別や喫煙の有無など2択で答えられるもの

博士「じゃあ君の年齢は?さっき買ったお茶の値段は?」

太郎くん
「年齢は25歳です。さっきのお茶は200円でした。今度は数字ですか?」

博士「そう。数値で答えられるモノ。
これを【連続変数】というんだよ。」

連続変数 :
年齢や入院期間、待ち時間など、数値として表せるもの

博士「そして最後に、今日のパレードが始まるまでの時間は?」

太郎くん「あと8時間後です。」

博士「イベントが起こるまでの時間。
それが、【時間変数】だよ。」

時間変数 :
パレードまでの時間など、イベントが起こるまでの時間

博士「この3つが基本となるから覚えておいてね。
さあ、いよいよ統計の話をしていこう。」

2️⃣ランド派とシー派の男女比に有意差はある? p値とは?

太郎くん「有意差とかp値とか、よく論文に出てくるけど、しっかりと理解できていません。」

博士「難しいよね。統計の基本と言ってもいい有意差、p値。そこをしっかり押さえていこう。
論文で、こんな図を見たことはないかい?

太郎くん「よく見ます。論文における患者背景の図でよく見ます。」

博士「せっかくテーマパークにいるし、
治療群A⇨ランド派、治療群B⇨シー派として考えてみよう。

太郎くんは、ランド派?シー派?」

太郎くん「僕はシー派ですね!おしゃれな感じで好きです。」

博士「なるほどね。みんなにも聞いてみよう。」

200人の来園者にランド派かシー派かのアンケートをとり、
ランド派と答えた人とシー派と答えた人の性別差、年齢について解析

⚠︎実際のデータに基づいたものではありません。

博士「ランド派は男性が40%で、シー派は60%、平均年齢はランド派が27歳、シー派が35歳だね」

太郎くん「シー派には男性が多いようですね。それにランド派の方が年齢層が低そう!
確かに、ランドよりシーの方が大人なイメージだし、男性からの人気もあるのかも?」

博士「でもこの表をみて、有意な差があるとは言い切れないんだ。
なぜなら、今回アンケートに答えた200人が、たまたま、このような男女比だった可能性があるからね。」

太郎くん「確かに・・・。他の200人に聞いたら違うかも!」

博士「そこで、出てくるのが【統計学的な検定】
そして、そこから算出される【p値】だよ。」

太郎くん「いよいよ難しくなりそうですね・・・。」

博士「肩の力を抜いて太郎くん。そんなに難しい話はしないから。

まず統計学的な検定では、こう仮定するんだ。

『ランド派とシー派に、男女比の差なんて存在しない』

そう仮定した場合に、偶然、今回のような差、あるいはそれ以上の差が出る確率はどれくらい?と計算するんだ。

その計算で出た確率がp値だよ。

さっきの表で、p値を出すとこうなる。

博士「計算してみると、男女比のp値は0.005だった。

これは、
もし本当にランド派とシー派で男女比に違いがないなら、今回みたいな差が偶然見つかる確率は0.5%しかない、という意味なんだ。」

太郎くん「すごい低い確率ですね。『男女比に違いがない』という最初の仮定が間違っていそうですよね。」

博士「その通り。偶然こんな差が出ただけ、といのうは考えにくい。
つまり最初の「ランド派とシー派では、男女比に差がない」という仮説は棄却され、
『ランド派とシー派では、男女比に差がある』と判断されるんだ。
そして、統計学的に有意差ありと言うんだよ。」

太郎くん「年齢についても同様ですね?もし平均年齢に違いがないと仮定するなら、今回みたいな差が偶然見つかる確率は0.01%未満。とすると、最初の仮定は棄却され、平均年齢に有意差あり!」

博士「その通り!一般的にはp値が0.05未満なら、
『偶然だけでは説明しにくい』と考えて、統計学的に有意差ありと判断するんだ。」


Colum
博士「ここで計算する検定の話を少しだけしておこう。
性別は『男性・女性』のように分類されるカテゴリ変数だね。
カテゴリ変数を比較するときは、χ²(カイ二乗)検定を使うことが多い。
ただし、人数が少ない場合にはFisherの正確確率検定を使うこともある。

一方、年齢のように数字で表せるものは連続変数
連続変数を比較するときはt検定を使うことが多い。ただし、データが正規分布していない場合にはMann–Whitney U検定を使うこともあるよ。」

太郎くん「検定、、、覚えないといけないんですか?」

博士「自分が解析する時は必要な知識だし、論文に書いてある検定の名前に苦手意識がなくなると思うよ。
詳しくは、もっと統計を深めた後に説明するから、今は聞き流していいよ。」


3️⃣ 95%信頼区間について知ろう

博士「さあ、p値については分かったね。そして、今回の調査では年齢と性別に有意差があると分かった。
でもこれ、別の200人に聞いた時、シー派の男性比率が、毎回60%になると思うかい?」

太郎くん「そんなことはないと思います。もしかしたら、全然、違う数字になるかもしれないです。」

博士「そうなんだ。アンケートをやり直すたびにこの結果は変わっていく可能性がある。そこで、統計では、
『本当の割合はこのあたりにありそう』という範囲で考えるんだ。」

太郎くん「もしかして、論文でよく見る【95%信頼区間】ってやつ?」

博士「まさにそれだよ。」

「例えば、こんな結果だったとしよう。この場合、今回のアンケートでは60%だったけど、本当のランド派の割合は53〜67%くらいにありそう
という意味なんだ。

太郎くん「じゃあ95%信頼区間って、
【本当の値がありそうな範囲】なんですね!」

博士「そういうことだね。正確には、

同じ調査を何度も繰り返したとき、その95%で真の値を含むような方法で作られた区間 だけど、太郎くんのその理解でOKだよ。

太郎くん「分かりました。これで完璧だ!」

博士「待て待て。もう一つ大切なことがある。」

太郎くん「なんですか?」

博士「もし200人じゃなく、2000人にアンケートをしたらどうなると思う?」

太郎くん「人数が多いから、もっと正確な結果になりそうですね。」

博士「その通り!例えばこんな感じになる。」

太郎くん「同じ60%なのに、人数が増えると信頼区間がどんどん狭くなってる!」

博士「そうなんだ。95%信頼区間が狭いほど、結果の精度が高いということなんだよ。」

太郎くん「つまり、95%信頼区間は、結果がどれくらい正確かを見る指標ということですね。

博士「そういうことだね。よく分かっているじゃないか。素晴らしい!」

太郎くん「どんどん統計が面白くなってきました。」

博士「嬉しいことを言ってくれるね。ここからもっと面白くなるよ。」


第1章で「p値」と「95%信頼区間」を説明しました。でも、本当に面白いのはこの先です。

Q. ファストパスを使うと、人気アトラクションに乗れる可能性はどれくらい高くなるんだろう?
→ オッズ比

Q. ファストパスを使うと、人気アトラクションに"どれだけ早く"乗れる? → ハザード比

Q. 年齢や入園時間を考慮しても、本当にファストパスの効果なの?
→ 回帰分析

次回からは、博士と太郎くんとテーマパークを巡りながら、
医療統計の人気アトラクションを1つずつ攻略していきましょう!

ここまで、記事を読んでいただきありがとうございます。次回もお楽しみに!

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