学芸員のお仕事[デザイナーを探す日々]
デザイナーさんと仕事をするのが楽しい!という話です。
どうも。小さな美術館で学芸員として働いています。
美術館の展覧会は、学芸員ひとりの力では開催できません。職場の中でも、いろんな人と協力しますが、その他にも様々な領域のプロの力を借りる必要があります。
今回は、その中でデザイナーさんとの仕事について語りましょう。
私、よその美術館や博物館の展覧会フライヤー(チラシ)を見るのが好きなんです(いま手元にあったやつをパシャ)。

収集しているとかではないのですが、なんとなくアンテナは張っていて「おぉ、こーゆー見せ方!?」「攻めてるなぁ」「この紙なに使ってるんだ?」「こりゃ相当コストかけてるぞ、うらやましい…」など、楽しんでます。
そう、展覧会をやるとなると広報物を作らなくてはいけません。
WebサイトやSNSも大事でしょうが、まだまだ手に取ってもらえるフライヤーや、各美術館などに掲示してもらうポスターが広報の基本です。アンケートを見ても、街角でポスターを見て、とか多いですからね。
さて、フライヤーを作るとなった時、2つの方法があります。
(1)デザイナーを抱える印刷会社にまるっと作ってもらう。
(2)デザイン事務所やフリーのデザイナーにデザインを委託し、そのデザインを印刷会社に入稿して作ってもらう。
メリット、デメリットを言うと、(1)の方が予算はおさえられます。(2)はデザインと印刷それぞれに費用が発生するので、お高くなります。
ただ、(2)の方がデザインの自由度は高くなります。(1)はいわゆるインハウスデザイナーと呼ばれる人が担当しますが、あくまで私の経験上、(2)に比べて無難な、手堅いデザインが出てくる傾向にあります。印刷会社によっては、営業の人がそのままデザインもやるケースも多々あります。
一緒に仕事をして楽しいのは、断然(2)のデザイン一本でやっているプロの方です。
とうわけで、(2)の仕事の仕方を語ります。
いざ広報物を作ろうと思ったら、まずデザイナーさんを探すところから始まります。私はまだまだ引き出しが少ないので、毎回ここが一番苦労します。
展覧会のコンセプト、企画内容から合いそうな人を探さないといけないのですが、今まで仕事をお願いした人でマッチする人がいるかどうか考えます。やはりデザイナーさんにも個性・色があるので、その得意な方向と展覧会のイメージが合うかどうか考えなくてはいけません。
それと、特定の人ばかりだといつも似たような広報物を作る美術館と思われてしまうので、やはり新規開拓の努力は欠かせません。
デザイナーさんに知り合いのデザイナーさんを教えてもらったり、美大の先生に紹介してもらったり、だいたい誰かのツテを頼って探します。
思えば、ネットで検索したり、クラウドソーシングで探したりしたことはないな。
さて、候補の人が見つかったとします。ポートフォリオや実績を見てもなかなか良さげです。ここで立ちはだかる壁が、こちらの予算です。
うちのような小さな美術館だと、資金力のあるマスコミに後援に入ってもらうとかはまずないので、基本的に各展覧会に割り振られた年度予算の中でやりくりしなくてはいけません。
展覧会ひとつやるには、色々なところにお金がかかるので、正直広報物のデザインに際限なく予算を割けるわけではないという、悲しい懐事情があります。
そこで候補にあがったデザイナーさんにコンタクトをとり、「あのー、こちらのデザイン予算○○万円なんですけど、これでフライヤーとポスター、それとあれとこれを引き受けてもらえますか?」と恐る恐る聞いてみます。
潤沢な予算があれば、よその美術館でこれは!というポスターを見つけて、そのデザイナーさんを聞き出して、お願いしまーす!とできるんですけど、まぁそんなのは夢のまた夢。地道な努力が必要です。
だからこそ、予算内で納得できるデザインを手がけてくれるデザイナーさんと出会った時はガッツポーズですね。ツテで探すと、良心価格でやってくれる人もいて、こちらとしては大助かりなんですけど、いい仕事にはちゃんと相応のお金を支払いたいよなぁと、内心忸怩たる思いがあります。
いかん、デザイナーさんを見つけるところまででだいぶ長くなってしまいました。今日はここまでにしましょう。続きはまた次回。
バックナンバーはここで一覧できます(我ながら結構たくさん書いてるなぁ)。
