学芸員の男女比、知ってますか?[女性館長が話題になる国で]
「美術館・博物館の女性館長、文化庁が登用推奨」というネット記事が目に入りました。
博物館や美術館では、女性の学芸員が多く活躍する一方、館長の多くを男性が占める実態が指摘されており、実際の就任につながるか注目される。
とあります。ふむふむ。
では、美術館に限っていえば、どんな状況なのでしょう。
まだまだ女性が館長に就任しただけで大きなニュースになる時代ですから、だいたい想像はつきますが、念のため文部科学省の公表している社会教育調査の統計結果をみてみましょう。最新が2018年度のものです。
登録博物館(館長、学芸員を置き、年間150日以上開館する、などの一定要件を満たして登録審査を受けた館)の中で、「美術博物館」(ようするに美術館)の職員配置が公表されていました。そこで館長と学芸員の男女差をみると
館長 男297人、女63人
学芸員 男482人、女752人
となっていました。ちなみに館長も学芸員も、専任、兼任、非常勤、指定管理者すべてを含む数です。
これだけを見ると、学芸員は圧倒的に女性の比率が高いのに、館長になれるのは男性ばかり、けしからん!と思ってしまいますよね。
でも、これと一緒に年齢構成も見ないといけません。
社会教育調査では年齢分布を示すデータが見当たらず、他でもこれに相当するデータは見つけられませんでした。おそらくそうした統計はとられていないのでしょう。
てことで、話のレベルがいきなり個人的な感想レベルに落ちて申し訳ないのですが、いまの女性比率が高い学芸員の年齢は30〜40代がボリュームゾーンでしょう。それに対して、館長職につく人の年齢は60代以降が多いはず。
館長になるのは必ずしも学芸員とは限りませんが(公立館だったら行政の管理職のポストの場合もありますし)、まぁ学芸員として勤めた後に館長職に就いたと考えましょう。
仮に、いま60歳で館長となった人が学芸員として就職した30年前、その当時の学芸員の男女比は今のようなものだったでしょうか。当然ちがいますよね。男性が圧倒的に多かったはずです(大御所たちの昔話を聞く限り)。
その人たちが繰り上がって、館長となっているのですから、今の館長に男性が多いのは当然といえば当然ですし、逆に今の女性比率が高い学芸員たちが経験を重ねて館長職に就く頃には、女性館長が全く珍しくなくなるはず、と私は考えています。むしろそうでなくてはいけないと思っています。だから、まぁそんなに騒ぐ必要もないかな、と。
男性だからとか、女性だからとか、もう本当そういうのはどうでもいいんで、男女関係なく優秀なら評価される、それぐらいシンプルにいきましょう。ね。
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