吉野と伏見をつなぐ虎|虎の社寺彫刻
4月も半ば、いかがお過ごしでしょうか(*'∀')
私は一昨日、ヘラとカナヅチを持って奮闘しておりました。
そんな絵画展10日前('∀')
まぁそうした話はオイトイテ。
桜が各地で見頃を迎えております。
うちの近所の枝垂桜も近々満開になりそう。
そんな季節、毎年話題になるのは吉野の桜ですね。
私も数年前、朝日に染まる山桜を見に参り、伊達じゃない!と感じ入った次第(*'∀')

そんな桜の話題ではんなりいきたいところですが、今回、虎。
虎です('∀')
先の社寺検分のすゝめで御香宮さんを取り上げました。
この時の拝殿の「ユニークな虎彫刻」とは別に、本殿、シャープな虎さんがいらっしゃる(*'∀')


コメント欄でも少々触れていましたこちらの虎。
吉野にもそっくりさんがおるのですよ(興奮)
こういう時に火を噴くのがワタクシの彩色彫刻フォルダー('∀')
水分神社さんにいたハズ…とイソイソ調べ(個展制作佳境中)
発見!

どうです、このそっくり感(*'∀)!
「うん?うーん?虎ってみんなこんな感じでは…」と思ったそこの御仁!
そう思われるのも仕方ありません。
こうした見極めには長年の執着が必須( ˇωˇ )
しかしワタクシの目は誤魔化せません('∀)
このシャープでちょっと大げさなぐらいの目の切れ込む感じ!


割に独特なのであります(*'∀)
まぁこちらの虎たちをご覧下さい。
ちょと京都に偏っておりますが、各地の虎彫刻。










とまぁ、こうした感じです(*'∀)フゥ
比べてみますと、御香宮さんと吉野水分さんの、ちょっと切れ込みが深い顔、おわかりになりますでしょうか。


こうしたややサイケデリックな(私言葉)切れ込み深い顔付きは、江戸より前の彫刻に多いような気がしてまして(私見)

想像上の生き物である霊獣や、異国の動物たちって、こう、動物学的にキチンとした資料なぞが出てくる時代になりますと、写実的な顔付きになってくるんですね。
よりリアルに!より正しく!
というのは創り手のサガでもあります( ˇωˇ )
と、あとは使っている彫刻の道具の進歩なんかも関係。
道具も発展途上で、想像力オンリーで創るしかなかった時代の動物たちの顔付きはオリジナリティあふれますね。
そんなこんなで「ちょと昔のは顔がサイケデリック('∀)」というざっくりした所感を私は持っております。
日本に限らず中国もそんな雰囲気。
龍を見ていても思います。
たぶん線刻表現から立体になっていく過程で、流麗・平面的→ボリューム満点になるのではなかろうか。
で、こういう社寺彫刻のそっくりさん、同じ地域にある場合が多い。
隣村の神社さんと似てるぞ!、とかですね。
彩色調査の時も、近在の社寺彫刻を見に行けたらナイスで、けっこう似た感じのが見つかります。
その地域の彫師、彩色師さん方が手掛けてたんだろうなぁと如実にわかる。
総本山とか格式高めの神社さんはまた違ってきます。あれは時の権力者から派遣されてたりするので(入札工事的な)、1600年代半ば頃からは日光彩色が西日本にも入ってきている気配あり(私見)
今回は伏見と吉野。
近いけど近くない('∀')
これは「ご近所なんでやっときました!」レベルの近さではない。
何らかの繋がりで、京と吉野が結ばれている気配がしますねぇ(*'∀')
「御香宮・水分」のワードだけで、ピンとくるマニアックな人もいるのかもしれません。
歴史に疎い私はそのあたり未開拓。
しかし、コレは!というのが1つありまして('∀)
御香宮さんは慶長10年に造られている。
彫りの感じ、蟇股の背格好からして、吉野さんも慶長期であろう!

ビンゴ・慶長9年(*'∀'*)
こういう時、『千と千尋の神隠し』ラストの「大当たり〜」が頭に流れます
うんむ、冴えてる冴えてる!
御香宮さんは、家康が秀吉・伏見城から元の場所に戻して建立。
水分さんは、秀頼が秀吉の遺志を継いで再建。
建立・再建、どこまでオリジナルを踏襲しているかも気になるところで、一筋縄ではいきませんけれども、このあたり専門の方はどんな感じでお考えであろうか(*'ω)!
同時期ですから、同じ彫師集団が関わってるんじゃないかなぁと思うと夢がありますねぇ。
もしくは雛形本みたいなのがあったか、流行だったか。
穴馬予想で「彫刻がどこぞからの転用材で…」というのもありますが、はてさて。
こうした彫刻から見えるつながりというのは非常にロマンがありまして、ワタクシたいへん満ち足りた想いでおります(*'∀')
しかし、御香宮さんを撮った時はまだ吉野山に行ってなかったんですよ。
でもその時すでに「虎、吉野ぽいな」とひっかかってまして。
となると何かの書籍で吉野水分の虎を見ていたか、と思ったら…手持ちの本には載ってなくてですね。
いつどこで吉野の虎を見たか定かではないけれどもピンときた。
そんな自分の執心にちょと震えた近頃です('∀')
でも吉野山行ったときには、そのこと忘れて無心で撮ってました(アルアル)
けっきょく今回も長々と。
お付き合い頂きありがとうございます(*'ω)
御香宮本殿の記事は5月になります('∀')
あっさりあっさり、のハズが、どっさりどっさり。
(一字違いで大違い)
この虎の話を入れると、本殿記事がエライことになるのと、吉野の話題は4月が旬かなと思い、幕間に挟み込んだ次第です。

吉野水分の画像を見返しつつ、ほかにも御香宮さんと似通っている彫刻ないかなぁと探してみましたが、虎ほどの感じは見当たらず。
水分さん、ちょっと彫刻がとろけてる(角が丸くなってる)んですねぇ。
山中の湿気だとこうなるこうなる('ω)



ポージングや歯並びや顔のずんぐり感は似てますな!
少し余談になりますが、私が普段話している彫刻彩色というのは、愛好家人口が少なめ(THEニッチ)
どちらかといえば彫刻そのものを追っかけている方が多くて、やはり彫師さんをたどるというのはロマンあふるるものがあります(*'ω)
有名なところでは左甚五郎ですね。
そんな社寺彫刻愛好者の世界。
その結晶ともいえる書籍が『寺社の装飾彫刻』シリーズ(若林純、日貿出版社 )です(*'∀)!
こちらが出版された時は社寺建築業界が興奮のルツボに('∀)
なんと!彫刻が地域別にまとめられているのですよ!(大興奮)
文科省とかに入札工事社寺彫刻データベース作ってもらいたい願望があるワタクシとしましては、狂喜乱舞でしたね。
会社で買い揃えてもらい、会社を退いてからは即、全巻自分用に揃えました(笑)
社寺彫刻お好きな方には激しくオススメいたします(*'ω)
ページの糊付けがとれるほど熱読しています
以上、本日は吉野と伏見をつなぐ虎彫刻のお話でした(*'ω)
虎彫刻にまみえる機会ありましたら、ぜひお顔をマジマジと(о´∀`)!

おまけ


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