社寺検分のすゝめ|御香宮神社・拝殿
今年お初の「社寺検分のすゝめ」、
今回は京都市伏見区・御香宮神社さんです(*'∀)!
社寺彫刻彩色に特化した、検分沼マガジンはこちら▼▼
「おや、来月末の絵画展に向けて佳境では…」と思われた、いつもお越し下さっている皆々様におかれましては平素より大変お世話になっております。
大丈夫、佳境です('∀)!

ご安心ください。
今回の社寺検分は2020年のもの。
アトリエを飛び出して社寺に駆け込んだわけではありません( ˇωˇ )
もともとうちのnoteは社寺や図像絡みの蓄積を思って始めたもの。
本業に傾きすぎるのはイカガナモノカ!と…
まぁ気分転換ですね('∀)
まだUPしておりませんでした社寺の中から、満を持して。
京都は伏見区・御香宮神社さんのご紹介です(*'ω)!
上品かつ愛くるしい御香宮さんの彫刻彩色。
お時間あります時に、どうぞゆったりとご覧ください。

御香宮神社、読み方は「ごこうのみやじんじゃ」ですが、愛称で「ごこうぐう」さんとしています。
御香宮神社
神社さんやお寺さんへ意気揚々、
颯爽と社寺彫刻を激写していくおひとりさま社寺検分。
まごうことなき趣味(*'ω)
今回の御香宮さんは2020年ということで、
休日出勤の仕事前に撮りました。
と言いましても、社寺修復の時ではありませんで、病院の総務事務をやってた時ですね。
技能実習の方々の日本語試験の付き添いで、伏見に集合!という日があったのです。
いつも小一時間はやく待ち合わせ場所に赴くクセがある私。
いっそ早めに出て、御香宮さんだ('∀)!と閃く。
そんなこんなで到着。
THE検分開始です(*'ω)

立派です(*'ω)
「宮」のつく神社さんは皇族・歴史上の人物が御祭神傾向にありますが、こちらは神功皇后さんですね。
歴史と美味しいお酒をたたえた京都・伏見。
その地元で永く親しまれている神社さんです。
由緒などは公式サイトにおまかせすることにしまして、早速見て参りましょう(*'ω)



お判りでしょうか。
ちょっと写真にキレがありません。
どうもこの後の仕事で引率というのと(得意技・迷子)、御香宮さんというので気持ちが逸っている。
微妙にブレた画像が今回は多いですが、どうぞご容赦のほど('∀)
しかし表門からして立派なつくりですね。
こう、どでん、としてると言いましょうか。
蟇股(3枚目の部材)はいくつか取り付いていまして、おそらくどれも中国故事の二十四孝ですかね。
載せた蟇股彫刻の題材は『孟宗』でしょう。
お母さんのために寒い中タケノコを採りに行かれた方です(*'ω)
祇園祭に孟宗山もあるように、なかなか頻出する説話です。
御香宮さんには表門以外にも(後ほど!)

手水舎・参集所・絵馬舎
忘れてはならぬ境内図がこちら。

今回は摂社さんまではちょっとお詣りできなかったのですが、拝殿中心にぐるっと回りました。



御香宮さん、皇族由来の紋があしらわれてますね。
こちらには小さな桐と大きな橘。

菊と桐と橘。それから巴。
家紋系はあまり詳しくないのでココマデですが、神功皇后、神功皇后(*'∀)と思いながらズンズン進む。


急ぎだと絵馬は見ないこともあるのですが、今回は寄ってみました。
以前、神功皇后題材の絵馬を調べたことがあったので、これは見ねば!


(2本の脚が見えたら見えるかな)
馬上に人もいるか(ミエル人)

(武内宿禰はご長寿番付トップクラスの御仁)

ふぅ(*'∀)
だいぶ体があったまってきました(ウォーミングアップ感)

拝殿
向こうに見えますのが、THE拝殿!



精緻(*'∀)!
こまやかな造りですねぇ。
いや、愛書に『図解文化財の見方:歴史散歩の手引き』(山川出版社,1983)というのがありましてね、その冒頭に「社寺建築は細部を見るのでなく、まずは全体の空気を味わって…」なる素晴らしいお言葉が書かれているのですけれども(たぶんこの本だったと思ふ)
いつもこうして彫刻彩色を目の当たりにしますとね、
やむなし!
と、細部ばかり凝視しますね('∀)
この手引書は、華やかではないですが手堅い良書です。
いわゆるスルメ本だと思っています( ˇωˇ )
まぁせっかくなので凝視しましょう。

この丸みを帯びた柱はおそらく大瓶束で、そこから左右に飛び出しているのが花肘木。
束の上の斗含めて、彩色はオーソドックス。
束に大きく龍と波が描かれているのが御香宮さんらしいポイントで、この箇所以外にもちらほらあしらわれています(*'∀)

しかし拝殿正面からこの華麗さ。
しかもこう、上品な感じ。
しゃらりとした彫刻の形と、それを縁取るように幅ほそく押された金箔。
穏やかな青・緑を基調とした彩色。
それらがこの上品さを演出しているのかなと思いますが、伝わりますでしょうか(*'∀)

あちらはもっと密で、金箔の押し方がとても面白いのですが(オイトイテ)



ふぅ(*'∀)!
まだ蟇股にもいっていないのにこの盛り上がりです。
ちょと落ち着きまして、引いてみまして。

あらためて全体を見ますと、彫刻彩色はゴージャスなのですが、その他の木部は塗装なしですからね。
垂木木口も胡粉塗り(白)。
シックです。

中央に徳川ゆかりの葵の紋
この「要所押さえてるで」感が、ニクイ(*'∀)

落ち着きましたところで、彩色こまかく見て参りましょう。

オーソドックスです

ここでいくと、一番上の肘木は側面も下場も緑なのに、他は側面と下場で色が違う!などなど、
考え出すと沼で

一番上の肘木はそうしてるのかな

見かけるとグッとくる部材TOP10
と、斗と肘木まわりを見終わりましたところで、みんな大好き蟇股。


御香宮さんの拝殿蟇股、非常にイイです。
以下、ご堪能ください(*'∀)

正面

この獅子が好きでしてね。
なかなかいませんよ、このユニークかつ上品で力のある獅子(真顔)


素晴らしい。
こちらの拝殿は虎もそうで、顔が個性的なんですね。
しかも巧い。


獅子といえば本願寺さんの唐門で、こちらとか。

私の好きな北野天満宮さんの獅子とか

写実的な格好良さが押し出された優品は多くありますが

こちらを撮影できただけでも、現場に来た甲斐があったというもの(*'ω)
獅子&虎で紙幅が尽きそうです
で、
今回はサラッとサラッサラッと!と思って
配置図なんて作らないんだから!と思っていたのですが、
結局作った簡易の蟇股配置図がこちらです。

これがちょい沼でした('∀)
正面は、西端に虎(順当)。
鷹とコウノトリはつがいの配置で、虎に対して東端に獅子(龍は他で多用してますし使えませんもんね)。




慶長期の鷹巣ごもり、燃える!(オイトイテ)
シンメトリーのつがい配置でわかりやすいなと思いきや、側面から背面がなかなか難儀でした。
東面

ひらっとした飛び具合、たなびく尾羽、菊との組み合わせで恐らくラン

悪くはありませんが、なぜ牡丹かちょっと不思議

西に持っていきたいところ、ウシトラ方角の魔除けで桃?
もしくは東=春からの配置
背面

これもよく見られる題材で、夫婦円満&つがいで順当

この「孟宗」推しもややキニナル
雪の形や地面の渋い藍色グレーがイイですね(*'∀)

私の好きな甲羅から生えてるヤツです(惚れ惚れ)

先ほどは体が青で、こちらは緑。
これもペアで順当題材。

これもまずまずある題材で、根本中堂でも背面配置されてます

雲と水と笹で白い鳥、ややお腹に赤み('∀)
カモメやミヤコドリ説があるようですが、鳥に不案内な私はお手上げです
先ほどのオシドリと対象配置でツガイですから、夫婦仲的なイワレで行くとミヤコドリに一票か
西面

尾羽がやや柔らかいのは気になりつつも、ポージングと冠羽と芙蓉との組み合わせ
プラス、東面でランとメジロがツガイではないのでこちらも同様に鳳凰にツガイを作らない
ただ、本殿にキンケイ・ギンケイがいるっぽいんですよねぇ(悩)

西にこの題材というのは十二支的にも秋的にも順当
サル・栗で茶色メインのところに、更に雲も茶色ウンゲンを持ってくるあたりがオシャレ(*'ω)


さっきのキンケイをこの鳳凰の雌と見られんこともないけれども、迷いますねぇ
というのが御香宮神社拝殿の蟇股です('∀)
いかがでしたでしょうか。
私も久々にヒートアップして、ちょっと疲れました(笑)
さすがに御香宮さんの他の部分は別記事(あっさりめ)にするとしまして。
拝殿背面の中央蟇股でラストにいたします。
こちら。


この中央での割り方、気になる('∀)!
正面の桐と葉の巻き方やシンメトリーな構図が一緒なので、

これだけ「ヨソからきた」とかはないと思いますが、ちょっと引っかかるポイントなのでした(*'∀)
しゃらっと品よくまとまる御香宮さんの拝殿、やはり見所・沼ポイントがたくさんです。
外部彩色ながら塗膜の残り方は素晴らしく、当時の彩色技術の高さを物語っていると思います。
北野天満宮さんもそうでしたが、レベルが高いですねぇ(*'∀)
昭和の彩色かなと思ったら、平成初期のだそうで「惜しい!」となりました(ニアピン賞)
北野さん同様に、今しか見られない逸品かもしれません。
お近くに立ち寄られました際にはぜひ、まじまじご覧になってください(*'ω)
今回も長々とお付き合いくださいましてありがとうございます。
どうぞ次回もお楽しみに(*'∀)
(次回はあっさり、次回はあっさり)
おまけ

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