見出し画像

【モンゴル】おばあちゃんに教わったモンゴル塩焼きそば。手作りの麺は最高だった

夕食の時間になると、おばあちゃんが僕の手を引いて「一緒に作ろう」と言った。小麦粉から。

ツアー2日目。午前中は世界遺産のカラコルム遺跡を見学して、午後はゲルに戻って、遊牧民のおばあちゃんとモンゴル風塩焼きそばを作りました。小麦粉をこねて、伸ばして、包丁で切って、麺から全部手作り。

これがめちゃくちゃおいしかった。そして、めちゃくちゃ楽しかった。



朝、草原を見に外に出た

その日の朝、ゲルの外に出てみました。

▲ 草原の朝。360度、人工物が見えない。この景色の中で2泊している

前日の遊牧体験でだいぶ草原の暮らしに慣れてきた。子羊を追いかけて、カシミヤを収穫して、ラクダに乗って。でもこの日はちょっと雰囲気が違って、朝から曇り空。ガイドさんが「今日は遺跡を見に行きましょう」と言ってくれた。


草原の中に世界遺産がある

ゲルから車で約1時間。着いたのはカラコルム遺跡のエルデネ・ゾー寺院。モンゴル最初の仏教寺院で、ユネスコの世界遺産に登録されています。

こんなところに世界遺産があるんだ、というのが最初の感想でした。

▲ エルデネ・ゾー寺院の正面。タルチョ(祈祷旗)が空を横切ってる。曇り空に映える

草原をずっと走ってきて、突然お寺が現れる。周りは何もないのに、ここだけ歴史の重みがある。不思議な場所でした。

▲ 建物のアップ。屋根の装飾が細かくてきれい。赤と緑と金色の組み合わせ
▲ 敷地内の仏塔。曇り空の下、草原の中にぽつんと立ってる
▲ 寺院群の全景。赤い壁の建物がいくつも並んでいて、その向こうはまた草原

ガイドさんが歴史について教えてくれました。ここはかつてモンゴル帝国の首都カラコルムがあった場所で、チンギスハーンの命令で作られた都だったらしい。あのチンギスハーンですよ。教科書に出てくる人。その人が「ここに都を作れ」と言った場所に、いま自分が立ってる。なんかすごい。

寺院に隣接して博物館もあったんですが、これが日本の支援で建てられた施設で、展示の説明が日本語でも書いてあるんです。海外の博物館で日本語の説明があるってありがたいですよね。内容もわかりやすくて、モンゴルの歴史をちゃんと理解できました。


ガイドさんからのプレゼント

寺院を見学した後、ガイドさんがお寺の売店で何か買っている。何だろうと思ったら、数珠みたいな飾りがついたネックレスを持ってきてくれました。

「モンゴルの人がよく持っているもので、お守りになるから」と言って、プレゼントしてくれた。

え、いいんですか。

3日間ずっと一緒にいるガイドさん。運転も、通訳も、歴史の解説も、全部ひとりでやってくれている。そのガイドさんからお守りをもらうって、なんかじわっときました。言葉がうまく出てこなかったけど、ありがとうございますとだけ伝えた。


小麦粉をこねるところから始まる

ゲルに戻ってきたのは夕方。ここからが今日のメインイベントです。

遊牧民のおばあちゃんが、家族の住んでいるゲルに僕を招き入れてくれました。ゲルの中にキッチンがあって、そこで一緒に夕食を作るらしい。メニューはモンゴル風の塩焼きそば。

おばあちゃんがまず取り出したのは、小麦粉。

え、麺から作るの?

そう、麺から作ります。小麦粉に水を加えてこねて、生地にするところからスタート。日本で焼きそば作るときって、スーパーで3食入りのやつを買ってきますよね。その発想が根本から覆された。

▲ こねた生地を大きく伸ばしたところ。まな板の上に丸い生地と包丁。奥にはマトンと野菜が切ってある

おばあちゃんの手つきがすごい。小麦粉と水をぱぱっと混ぜて、あっという間に生地ができていく。僕も手伝ったんですが、こねる力加減がわからなくて、生地がベタベタくっついたり、硬すぎたり。おばあちゃんに笑われました。

生地が完成したら、薄く伸ばして包丁で細切りにしていく。この包丁がまたでかい。中華包丁みたいなやつで、ザクザク切っていくと麺になる。

 ▲ 切り終わった手作り麺。太さはバラバラだけど、これが手作りの味

太さがバラバラなのがいい。均一じゃないところが、手で作った証拠。


具材はシンプル。マトン、玉ねぎ、人参、じゃがいも

麺ができたら、次は具材の準備。

▲ ストーブの上の大きな鍋にマトンと野菜を投入。ゲルの中がキッチンになる

マトン肉を切って、玉ねぎ、人参、じゃがいもと一緒に大きな鍋で炒めていく。味付けは塩。以上。

モンゴル料理の味付けは本当にシンプルで、基本的にマトン+塩。でもこのシンプルさが、素材の味をちゃんと引き出すんですよね。マトンの脂の旨味と、野菜の甘さを、塩が引き立てる。

▲ 炒めてるところ。マトンと野菜がいい感じに火が通ってきた。おいしそうな匂いがゲル中に広がる

完成。手作り塩焼きそば

炒めた具材の中に、さっき作った麺を投入。ぐるぐる混ぜて、塩で味を整えて、完成。

▲ 完成したモンゴル風塩焼きそば。お椀に山盛り。手作りの麺が太くてもちもち

おいしい。これ、めちゃくちゃおいしい。

麺がもちもちしてて、手作りならではの食感がある。太さがバラバラだから、食べるたびに違う噛み応えがあって飽きない。マトンの脂が麺に絡んで、塩味がちょうどいい。

 ▲ みんなで食べる。テーブルの上にはシラチャソースも。グローバルだ

テーブルの上をよく見ると、シラチャソースが置いてある。遊牧民のゲルにシラチャソース。グローバル化はここまで来ているのか。

おばあちゃんは僕が食べるのを見てニコニコしてました。言葉は通じないけど、おいしいって顔は万国共通で伝わるらしい。ガイドさんに「おいしいです」と通訳してもらったら、おばあちゃんがまた笑った。

小麦粉をこねるところから一緒に作って、出来上がったものを一緒に食べる。料理って、言葉がなくてもコミュニケーションになるんだなと思いました。


ゲルの夜のリアルな話をします

さて、ここからは正直に書きます。ゲルの夜の現実。

気温:体感マイナス3度

▲ iPhoneの天気アプリのスクショ。気温7度、体感温度マイナス3度。5月です

5月のモンゴル。日中でも9度くらいしかなくて、夜は4度まで下がる。風が強いので体感はマイナス3度。東京の真冬より寒い。これが5月。

ただ、ゲルの中はストーブがあるので意外と暖かいんです。ストーブに火をつけてくれると、ゲルの中はぬくぬく。布団に入れば全然寒くない。問題は「ゲルの外」です。

シャワー:ない

3日間、シャワーなし。これはまあ覚悟してたので大丈夫でした。ウェットティッシュで体を拭くサバイバルスタイル。「きれい好きな人は無理かも」と正直に書いておきます。

トイレ:遠い

ゲルから少し離れたところにボットン便所があります。昼間は問題ないんですが、夜が問題。

体感マイナス3度の草原を、暗闇の中、トイレまで歩いていく。これがなかなかの修行。懐中電灯は必須です。

……で、大きな声では言えないんですが、夜中にトイレまで行くのが面倒で、ゲルを出てすぐのところで済ませたこともありました。ガイドさんいわく「遊牧民の人たちも動物たちもそのへんでしてるから大丈夫」とのこと。草原はすべてを受け入れてくれる。ありがとう、草原。

星空:見れなかった

これが一番残念だったこと。

モンゴルの草原といえば満天の星空。僕もそれをすごく楽しみにしてたんですが、この日は曇り。星が全然見えなかった。

▲ 夕暮れのゲル群。自分の影が長い。この後、曇ってしまって星空は見えず

天気ばかりはどうしようもない。これはもう運です。次にモンゴルに来ることがあったら、晴れた夜にリベンジしたい。


不便だけど、それがよかった

シャワーなし、トイレ遠い、寒い、星空見れず。こう書くとマイナスポイントだらけに見えるかもしれない。

でも不思議なことに、「来なきゃよかった」とは一瞬も思わなかったんですよね。

おばあちゃんと一緒に麺を作って、ガイドさんからお守りをもらって、ゲルのストーブの前で暖まりながらご飯を食べて。不便なことはいっぱいあるけど、それ以上に「ここでしかできない体験」がある。東京のマンションで快適にシャワーを浴びてる毎日には絶対にない時間がここにはありました。


次回は、ツアー最終日の話です。ゲルを離れてウランバートルへ300km戻る帰り道。野生動物の保護区で、モンゴルの原種の馬を見てきました。あと、3日間のツアー全体を振り返って、よかったことと微妙だったことを正直にまとめます。


最後まで読んでくれてありがとうございます。 スキ♡を押してもらえると、次の記事を書くモチベーションになります。


いいなと思ったら応援しよう!