なぜ不妊治療の『実績公開』はなくなった!?
これまでの実績の公開とは
2022年4月から不妊治療の保険適用が始まって以降、私たちが当たり前にアクセスできていた治療成績の公開が、パタリと止まりました。
・妊娠率(移植に対する妊娠割合)
・生産率(移植に対する出産割合)
これらは、東京都福祉保健局などがしっかり公開していた情報です。
しかし、保険診療化に伴い情報の更新はストップ。
令和7年8月のいま見られるのは、、、
こども家庭庁「令和4年1月~12月のデータ」のみ
※採卵数・顕微授精数・移植数など
「どこで治療するか」の判断材料が大きく減ってしまいました。
なぜ、実績が公開されなくなったのか?
考えられる背景は、保険診療の理念と制度設計にあります。
✅ 誰でも、治療を受けられるように
✅ 料金は全国一律に
✅ 特定のクリニックに集中しないように
つまり、「選ばせすぎない」仕組みと言えるのです。
これまでのように成績を比較されると、結果的に有名クリニックへ偏ってしまう。それを避けるために、あえて成績を見せなくなったのではないか
そんな見方もできます。
成績公開のメリットとデメリット
【メリット】
✅ 患者が納得してクリニックを選べる
✅ 医療の透明性が高まる
✅ 医療機関側の質向上へのモチベーション
【デメリット】
❌ 成績の悪い施設が淘汰されかねない
❌ 成績重視で“難しい症例”を避ける懸念
❌ 公平な保険医療の理念と矛盾する場合も
「保険診療だから非公開」は正しいの?
実は、他の保険診療分野でも治療成績が公的に細かく公開されることは稀です。そのため、不妊治療にだけ特別な対応がされているわけではありません。
ただし、不妊治療には保険の回数制限があります。
それなのに、成績がわからない状態で選ばなければならないというのは、不安が残ります。
成績が悪い⤵️クリニックを選ぶとどうなる?
たとえば…
🧪 移植6回(3回)が保険上限
🌀でも、毎回うまくいかずに回数だけを消費
💸 最後には「妊娠できなかった。転院しよう。
でももう保険は使えない」
こんなことになったら、取り返しがつきません。
患者自身が選びようのない状態で、人生を左右する治療を始めるのはリスクが大きすぎるのです。
情報がなければ、正しい選択もできない
私たち患者にとって、最も重要なのは「成功するかどうか」。
制度の平等と、患者の選択の自由――。
その両立を目指すためにも、
今こそ「治療実績の見える化」について、
あらためて考えるタイミングなのではないでしょうか。
2022年の東京都福祉保健局公開情報をもとにした記事
