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【人事労務】未払残業代対応⑯業種別の特徴-運送業の場合 Part2

こんにちは🌞

本日からは「未払残業代対応」として、続きとなっていた運送業における残業代請求の特徴についてお話します。

以前の記事は、以下☟より確認頂けます❣

どうぞよろしくお願いします。

1 運送業で問題となりやすい賃金制度

1)日給制

日給制は、その日に何時間働けば何円賃金を支払う、という賃金制度を指します。
この制度は、運転手への説明のしやすさやわかりやすさゆえに、運送業ではよく取り入れられる賃金制度です。
もっとも、日給制は、「1日いくら」と記載する際、時間外労働の対価を含む場合は、時間外労働を含むことを明記する必要があります!

1日8時間労働で日給1万円の場合、6時間の時間外労働をした場合の計算は、以下☟のとおりです。

1万円÷8時間×1.25×6時間=9,375円(残業代)

このように、日給制の場合は、割増賃金の基礎単価が高額となり、結果的に残業代の金額も高額になりますので、求人等の際には記載内容に注意しましょう。

2)歩合給

歩合給は、運送業の場合、1便に何円の賃金を支払う、という取り決めをすることになります。この歩合給は、労働基準法上は「出来高払制その他の請負制」に該当します。

「出来高払制その他の請負制」の割増賃金の時間単価の算定方法は、労働基準法施行規則19条1項6号に規定されています。
つまり、「出来高払制その他の請負制」の場合、「その賃金算定期間(賃金締切日がある場合には、賃金締切期間、以下同じ)において出来高払制その他の請負制によつて計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における、総労働時間数で除した金額」が割増賃金の時間単価となります。
このようになっているのは、出来高払の場合、出来高に対応する賃金の中から所定労働時間内の労働の対価の部分を切り出すことができないためです。

そして、「出来高払制その他の請負制」の場合の残業代は、時間外労働に対しても通常の労働時間の賃金は既に支払われていることから、割増賃金に当たる金額、すなわち時間当たり賃金の2割5分以上を支給すればよいのです。

例えば、1か月の給与が基本給10万円、歩合給が20万円、月の総労働時間が250時間、うち時間外労働が100時間の場合の残業代は、以下☟のとおりです。

①基本給10万円に対する残業代
10万円÷150時間×1.25×100時間=83,333円

②歩合給20万円に対する残業代
20万円÷150時間×0.25×100時間=33,333円

以上のように、「出来高払制その他の請負制」の場合は、割増賃金の金額が低額となります。
そのため、歩合給が「出来高払制その他の請負制」に該当するかがよく問題となります。

多くの裁判例で様々な見解がありますが、ポイントとしては、①運送業に沿った「成果」をきちんと定義すること(例えば、配車決定された配送ルート数など)、②保障給を含めて結果を評価することによって労働時間の短縮を図ること、があげられます。

2 未払賃金請求が波及しやすい職場

運送業では、運転手全員が同じ賃金体系であることが多いです。
ですので、1人の運転手に未払残業代が認められれば、他の運転手に対しても未払残業代が認められる可能性が高いです。
そうなってしまうと、未払残業代の金額が多額に上り、たちまち経営危機に陥ってしまいます

ですので、運送業において運転手から未払残業代の請求を受けた際には、安易にお金を支払ったり、早期和解等はせずに、①和解する場合は、口外禁止条項を設ける、②交渉をしっかり行い、場合によっては裁判になることも辞さない対応をとる、といったことが必要です。

次回は、介護医療業界における未払残業代請求の特色とその対処についてお話します。
次週も乞うご期待ください!

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