借金150万円のSESエンジニアが、医療機器組込みのフリーランスになるまで|自己紹介
はじめに
※この記事では一部広告を利用しています。
毎日何百万人もの人を乗せて走る鉄道、患者さんの命を預かる医療機器——。
「止まってはいけない」「間違えてはいけない」、そんなシステムの"頭脳"を作るのが私の仕事です。
スマホアプリのバグは不便で済みますが、鉄道や医療機器のバグは人命に関わります。
そんな緊張感のある現場で、日々コードを書いているフリーランスエンジニアです。
フリーライクと申します。
プロフィール
名前:フリーライク
年齢:30代
仕事:医療機器組込み開発エンジニア/ITコーディネータ(フリーランス4期目)
拠点:神奈川県川崎市
得意:C/C++、Windows Embedded、IEC 62304準拠開発
資格:ITコーディネータ/応用情報技術者/基本情報技術者/Python3 エンジニア認定基礎試験
趣味:温泉/サウナ/岩盤浴/旅行/ファスティング
IT系の会社でエンジニアを経て、29歳のときに「フリーライク(FreeLike)」を創業しました。"自分らしく自由に働く"という想いを込めた屋号です。
いま提供していること
医療機器のソフトウェア開発には、一般的なIT開発とは異なる専門知識が求められます。 たとえば IEC 62304 は、医療機器ソフトウェアにおける"建築基準法"のような国際規格。 MISRA-C は、安全なコードを書くための"プログラミングの交通ルール"です。
私はシステムエンジニアを約10年続けており、こうした安全規格に準拠した開発を経験してきました。医療機器メーカーで「監査に耐えるドキュメントを揃えながら、納期に間に合わせる開発体制を作りたい」「レガシーコードをMISRA-C準拠で安全に書き直したい」といった課題に、開発と品質マネジメントの両面からお応えできます。
対応領域は以下のとおりです。
C/C++による組込みソフトウェア開発(Windows Embedded環境)
IEC 62304に準拠したソフトウェア開発ライフサイクルの構築・運用
MISRA-C準拠のコーディングおよびコードレビュー
品質マネジメントシステム(QMS)を理解した上での開発支援
ITコーディネータとしての中小企業のIT化・DX推進支援
→ 詳しくは次の記事をご覧ください。
このnoteで発信していくこと
医療機器の組込みソフトウェアという分野は、発信している人がほとんどいません。 だからこそ、現場の経験をもとにした情報には価値があると信じています。
このnoteでは以下のテーマを中心に書いていきます。
医療機器ソフトウェア開発のリアル — 現場で感じたこと、業界の仕組み
安全規格のわかりやすい解説 — IEC 62304やMISRA-Cを、専門外の方にも伝わる言葉で
フリーランス組込みエンジニアの働き方 — 独立の経緯、案件獲得、日々の実務
ITコーディネータ視点のIT活用 — 経営とITの交差から見える課題と解決策
こんな方と繋がりたいです
医療機器メーカーで組込み開発の体制づくりに課題を抱えている方
同業の組込みエンジニアで情報交換したい方
フリーランスとしての働き方、医療機器業界へのキャリアチェンジに興味がある方
スキやフォローをいただけると、発信の励みになります。
ここからは少し長い、私の話
ここまで読んでくださってありがとうございます。 ここから先は「なぜ医療機器組込みのフリーランスをやっているのか」、少し個人的なストーリーです。お時間ある方だけ、お付き合いいただければ嬉しいです。
学生時代 — 留年とFラン大学
高校は埼玉県の公立男子校でした。周りの共学が青春している中、勉強することに意味を見いだせず、定期テストはほぼビリ、赤点続きで留年しかけました。サッカー部も途中で辞め、学校に行けない時期もありました。
大学受験もうまくいかず、いわゆるFラン大学へ行きました。自宅から遠かったのでいとこの家に居候しましたがそこで気を使いすぎて、学部に友達ができず、サークルでも馴染めず、アルバイトも続かない日々でした。結果、1年半留年しました。
会社員時代 — SESで7年、そして体調を崩す
なんとか入社できたのはSES(※1)の会社でした。大手SIerの孫請けが中心で、月45時間残業の現場ばかりで、入社5年で8割が辞めていく会社でした。それでも辞めるに辞められず、7年以上在籍しました。
2020年に副業を始め、開業届を出してクラウドワークスにも登録しましたが、本業が忙しく2年間活動停止しました。そしてついに体調を崩し、3ヶ月休職→そのまま退職。
手元にあったのは、貯金ではなく消費者金融とクレジットカード分割払いで作った約150万円の借金でした。
※1 SES:System Engineering Service。エンジニアの労働力を客先に提供する契約形態。
独立 — 公的制度をフル活用
退職後にまずやったのは、徹底的なコスト削減と公的機関の活用です。
離職票を区役所へ持参し、国民年金を免除。免除期間終了後は付加年金に加入。
健康保険は任意継続と国保を比較検討し、福利厚生付きの任意継続を選択。
住民税は前年所得ベースで重いので、電話で分割・猶予を交渉。
税務署経由で青色申告会につながり、初年度無料で税務サポートを受けられた。
ポイントは「自分一人で抱え込まず、公的な仕組みをフル活用する」ことです。
最初の罠 — 「今日中に契約してくれるなら」
退職後の最初の取引先はSES事業者でした。契約単位を1年から1ヶ月に変えてもらえたまでは良かったのですが、途中で時給を半額に。さらに「お客さんを紹介するから単価の60%をマージンで」という契約を持ちかけられ、交渉の末「今日中に契約してくれるなら3割でいい」と急かされ、その日のうちに契約してしまいました。
後から分かったのは、紹介されたのはエンドユーザーではなくごく一般的なフリーランスエージェントだったということ。自分で探せば3割払う必要はありませんでした。
ここで学んだのは、「今日中に」「今すぐ」と急かす人は、まず疑うべきということです。
反撃と再起 — フリーランス・トラブル110番
エージェントにマージンの件を相談すると、親身に対応してくれました。並行して、厚生労働省の「フリーランス・トラブル110番」にも相談。弁護士に無料で相談できる、本当に頼れる窓口です。当時は精神安定剤のように毎日使っていました。
最終的に1社目との契約は破棄し、売掛金30万円と相殺で決着。腑に落ちないところはありましたが、裁判する金額でもなく、前を向くことに決めました。
ここから、初めての医療機器組込み開発の案件に入りました。単価が満額もらえるようになり、借金返済が現実味を帯びてきます。
ここで価値観が一変する出会いがありました。YouTube「脱・税理士スガワラくん」で、菅原さんが「金は借りられるときに借りられるだけ借りろ」と言うのを聞いたのです。経営者は事業投資で利息以上の利益を生み出せる、という考え方。返すことしか頭になかった当時の私には衝撃でした。
そこで商工会議所に創業融資を相談。担当者は「その消費者金融の借金を返すことを条件に貸す」と言ってくれ、創業融資より金利の安い「マル経融資」を実行してくれました。本来は入会後6ヶ月の経営相談が必要なのですが、入会前から動いてくれた当時の担当者には今でも頭が上がりません。
こうして悪い借金は消え、代わりに小規模企業共済(個人事業主、経営者の退職金制度・掛金全額所得控除)を開始。攻めと守りが両立した瞬間でした。
専門化への道
神奈川県のデジタル推進補助金が採択され、パソコン購入とホームページ制作・公開ができました。補助金は本当に使えます。
ある契約終了のタイミングで、次の現場参画をあえて2ヶ月止め、その期間にITコーディネータのケース研修と、SMG経営塾という経営者の勉強会へ参加。最初のゲスト講師から学んだ最大の教えが、「中小企業は専門特化せよ。なんでも屋は何もできないと思われる」。
ここで「医療機器の組込みソフトウェア開発」に絞ろう、と決めました。クライアントの前に出る機会が増え、身なりも整えるようになりました。
そして現在 — 4期目
現在は鉄道系のシミュレータ案件に参画しつつ、医療機器分野の専門性をさらに深めています。ITコーディネータ試験にも合格し、システム開発に加えて中小企業のIT化・DX推進支援も少しずつ始めています。
フリーランス4期目にして、ようやく事業が加速していく感覚があります。
このnoteには、医療機器業界・IT業界・経営の学びの記事を書いています。どこから読めばいいか迷ったら、こちらのガイドマップをどうぞ。
noteを始めたきっかけと、参考書籍
牛尾 剛『世界一流エンジニアの思考法』 「情報発信は最高の学習法」という言葉に背中を押されました。
中島 聡『結局、人生はアウトプットで決まる』 noteというプラットフォーム選択を決めた一冊。アウトプットの型を学べます。
どちらもエンジニアとしてのアウトプットの大切さを教えてくれた本です。
Amazonのアソシエイトとして、フリーライクは適格販売により収入を得ています。
