実績紹介|医療系モニタリング機器のソフトウェア開発
はじめに
今回は、私が携わった医療系モニタリング機器のソフトウェア開発プロジェクトについてご紹介します。
守秘義務の関係上、具体的な製品名やクライアント名は伏せていますが、どのような技術領域でどんな課題に取り組んだのか、できる限りお伝えできればと思います。
システム概要
病室の患者の心電図・心拍数・呼吸数・SpO2(血中酸素飽和度)などの生体情報をリアルタイムで監視するモニタリングシステムです。
バイタルサインに異常が検出されると、即座にアラートを発報し、医療スタッフに通知します。患者さんの命に直結するシステムであり、高い信頼性とリアルタイム性が求められる開発でした。
担当範囲
本プロジェクトでは、Windows上で動作するアプリケーションのソフトウェア開発を担当しました。
主な担当領域は以下のとおりです。
生体情報の表示・描画処理(波形表示、数値表示)
既存コードの保守・改修・機能追加
要件定義~総合テストの実施
使用技術
言語: C/C++(C++11/C++14)
OS: Windows(組込み向け)
開発環境: Visual Studio
バージョン管理: SVN
規格対応: IEC 62304(医療機器ソフトウェアのライフサイクル規格)に準拠した開発プロセス
技術的なチャレンジと工夫
医療機器ならではの開発で、特に意識した点をいくつかご紹介します。
リアルタイム性の確保
モニタリング機器では、生体情報の表示遅延が許容される範囲は非常にシビアです。心電図の波形がわずかでも遅れて表示されれば、臨床現場での判断に影響を与えかねません。
描画処理のパフォーマンスチューニングや、データ取得から表示までのパイプライン設計において、遅延を最小限に抑える工夫が求められました。
高い品質基準への対応
医療機器ソフトウェアは IEC 62304 に基づいた開発プロセスが求められます。ソフトウェアの安全クラス分類に応じた設計文書の作成、コードレビュー、テスト計画の策定など、一般的な組込み開発よりも厳格な品質管理体制のもとで開発を進めました。
「動けばOK」ではなく、「なぜこの設計にしたのか」をドキュメントとして残し、トレーサビリティを確保することの重要性を強く実感しました。
既存コードベースの理解と改修
長年にわたって開発・保守されてきた大規模なコードベースに対して、新機能の追加や不具合修正を行う場面も多くありました。既存のアーキテクチャを理解し、影響範囲を見極めたうえで安全に改修を進めるスキルが鍛えられました。
この経験から得られたもの
このプロジェクトを通じて、以下のような知見・スキルを身につけることができました。
医療機器特有の品質プロセスへの理解(IEC 62304、QMS)
リアルタイムシステムにおける設計・実装の勘所
レガシーコードとの向き合い方(安全に改修するための読解力・判断力)
人の命に関わるソフトウェアを開発する責任感と慎重さ
医療機器の組込みソフトウェア開発は、ニッチな領域ではありますが、だからこそ専門性が求められ、経験の希少価値が高い分野だと感じています。
おわりに
医療機器向けの組込みソフトウェア開発に関するご相談がありましたら、お気軽にお声がけください。
SES(準委任契約)でのチーム参画はもちろん、技術的な相談や開発プロセスに関するアドバイスにも対応可能です。
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