『インファナル・アフェア 無間道』感想「面白過ぎて茫然自失…」
なぜか急に観たくなり『インファナル・アフェア』を鑑賞した。
きっと観たことがある人がほとんどであろう。
カッチン的には伝説的な香港映画だと思っている。
初めて観た時は「こんなに面白い映画があるのか!!」と大興奮したものである。
万が一知らない方のために説明しておくと『インファナル・アフェア』は三部作である。
続編というものはどうしてもクオリティが下がりがちなのだが、『インファナル・アフェア』は完全に例外である。
ちなみに「1よりも2の方が面白い」とか「3が最高!」とか、そんな次元の話ではない。
怖いぐらいすべてが繋がる映画で、鳥肌必至のとんでもないシリーズなのである。
鑑賞後に「マジかよ…」と思わず呟いてしまう人が続出する映画なのだ。
今回は記念すべき1作目のカッチン的感想をお伝えしていくのである。
『インファナル・アフェア』あらすじ【ネタバレなし】
最初に『インファナル・アフェア』のあらすじをネタバレなしでざっくりと紹介しておこう。
『黒社会で生きる青年のラウは、ボスのサムに気に入られてスパイとして警察学校に送り込まれる。
警察官になり情報を秘密裏にサムに送るためであった。
同じ時期、警察学校にはヤンという青年も通っていた。
ヤンは成績優秀な生徒だったが、突然警察学校を退学になってしまう。
ウォン警視に実力を認められたヤンは、潜入捜査官としてマフィアへの潜入を命じられる。
警察官になったラウは出世してサムに情報を流し続け、サムの組織に潜入したヤンはウォン警視に情報を流し続けていた。
警察とマフィアの駆け引きは、ラウとヤンを巻き込んで激化していき…』
といった感じのあらすじである。
『インファナル・アフェア』感想【ネタバレなし】
久しぶりに鑑賞しても本当に面白い映画であった…。
『インファナル・アフェア』は2003年に日本公開されている映画なのだが、たぶん今の時代に新作映画として映画館で公開されてもヒットするんじゃないかと思う。
ド派手なアクションシーンというよりかは駆け引きの頭脳戦なので、映像がチャチいとかそういった問題もないはずである。
ちなみにこちらの映画はハリウッドでマーティン・スコセッシ監督が、レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンを主演に迎えてリメイクしている。
そう。
あの『ディパーテッド』である。
ハリウッド版もカッチンはとても好きなのだが、今回観直してみて改めて「やっぱりオリジナルの方がハンパじゃなく面白いな」と痛感した。
『インファナル・アフェア』の方がロマンに溢れているのだ。
今回のエッセイでは特に『ディパーテッド』と比較したりはしないが、もちろんそれぞれに良さがあるということだけは伝えておく。
『インファナル・アフェア』感想【ネタバレあり】
まず『インファナル・アフェア』は、トニー・レオン演じるヤンとアンディ・ラウ演じるラウが、序盤にスピーカーのお店で出会うのが渋いのだ…。
ここで何気ない会話をしている2人が、実は命をかけてそれぞれ敵の組織に潜入しているなんて…
ああ!
これをロマンと言わずして何をロマンと言おうか!
しかもヤンは店番を頼まれているというのに、「この店は高いから他の店で買った方がいい」とアドバイスまでするのだ。
・・・・。
これぞロマンである。
トニー・レオンが時折見せる弱さ、アンディ・ラウが恋人といる時だけ見せる無邪気な顔など、駆け引きによる緊張感だけではないドラマ要素も素敵なのだ。
さらに!
極度のプレッシャーにさらされながら任務をまっとうしていく2人の姿も大きな見どころなのだが、他のキャラクターが個性豊かなところも『インファナル・アフェア』の大きな魅力なのだ。
ヤンのボスであるウォン警視、そしてラウのボスであるサム、この2人の強烈かつユーモアを含んでいるキャラクターが、信じられないほどに映画に厚みをもたらしていた。
ウォン警視とサムは続編の『インファナル・アフェアⅡ』でもさらにスポットが当たる。
つまりそれぐらい重要な役どころなのである。
この2人が対象的なキャラクターなのもまた良いのだ。
ウォン警視はどこか憂いを漂わせている感じで、対してサムは基本的にユーモア溢れるマフィアのボスである。
サムはビジュアル的にもユーモラスな感じなのだが、飄々としているだけにシリアスなモードになると落差で一気に怖さが増す。
取引に失敗した後にヤンの腕のギプスを破壊するシーンは、びっくりして思わずお尻を浮かせてしまった。
カッチンは小尻なので浮きやすくはあるのだが…。
ウォン警視とサムの関係は、続編の『インファナル・アフェアⅡ』を観ると時間の経過と共に大きく変化していることがわかる。
まさに「立場が人を変える」ということを体現している感じなのだ。
普通の映画であればヤンとラウのドラマばかりを描くであろうところを、2人のそれぞれのボスもしっかり描かれているのだ。
だからこそヤンとラウの苦悩が痛いほどに伝わってくるのである。
2人の苦悩といっても圧倒的にかわいそうなのはヤンである…。
トニー・レオンが元々切ない顔をしていることもあり、ヤンを見ていると本当にいたたまれない気持ちになってしまう。
ヤンは不正を暴こうとして最終的に頭を撃ち抜かれてしまうわけだが、このエレベーターのシーンの衝撃はとんでもなかった。
ただラウにも事情があり、観ていて少々同情的になってしまうのだ。
ラウ自身も逃れられない渦に呑み込まれていて、サムの命令に従い続けるしかなかったわけで…悲しき運命なのだ。
ヤンに対して「善人になって人生をやり直したい」と懇願していたが、多分これはラウの本音だったはずである。
その証拠にヤンが警察学校を退学した際、教官の「あいつのようになりたい者はいるか?」という言葉に対して「できることなら変わりたいよ」と誰にも聞こえないボリュームで呟いていた。
ラウ自身もまた逃れられない渦の中でもがいていた男だったのである。
サムの手下たちがウォン警視を亡き者にしてしまった時も、ラウはボスのサムに対して「やりすぎだろ!」とめずらしく苦言を呈していた。
ただ最終的に開き直っているところを見ると、ラウは自分自身こそ被害者だと思っていたのであろう。
被害者意識を持つことが、彼が正気を保つための唯一の方法だったのかもしれない…。
『インファナル・アフェア』はヤンとラウ、それぞれのボスのウォン警視とサム以外の、いわゆるモブキャラたちも魅力いっぱいな映画である。
1人残らず魅力的なので、もはやモブキャラがいないのだ。
サムの手下のチンピラたちもそれぞれキャラが立っていて、中でも常にバカ呼ばわりされているキョンは本当に魅力的な男であった。
キョンはサムにしっかり忠誠を誓っていて、ヤンのことも心から慕う裏表のない本当に気持ちのいい男である。
ちなみに『インファナル・アフェアⅡ』だと元々キョンとヤンはキョンの方が先輩なのだが、いつの間にか逆転している(笑)
キョンは最後の最後まで男らしく、まさに『漢』という字が似合う男であった。
映画の終盤で帰らぬ人になってしまい、キョンに魅力を感じていたカッチンは「なんでやぁ!」と頬を濡らしていた。
しかし続編でキョンは大活躍してくれる。
このあたりがインファナル・アフェアシリーズが全作品漏れなくおもしろくなっている所以である。
※Amazonのアソシエイトとして[カッチンの映画で喋らないと。]は適格販売により収入を得ています。
そろそろ感想のまとめに入ろうと思うが、触れなくてはいけない事に触れていないことに気づいてしまった。
インファナル・アフェアの代名詞とも言える屋上のシーンである。
この映画は屋上のシーンが何度も登場するのだが、クライマックスでヤンとラウが一騎打ちする屋上シーンは、控えめに言って悶絶もんである。
手錠をかけられて両手を後ろにしたラウと銃を構えるヤンのツーショットは、画像だけ見ても痺れるぐらいカッコいい。
しかもこのシーンはカメラワークもめちゃくちゃ渋いのだ。
この屋上のシーンだけでも、この映画を観る価値があるといっても過言ではないであろう。
いや、それは言い過ぎた。
これから観る人はちゃんと映画を全部観てね。
それにしても…トニー・レオンもアンディ・ラウも本当にカッコよすぎである。
『インファナル・アフェア』は三部作だが、1だけを観ても充分楽しめる作品である。
「三部作かぁ。そんなに時間が取れないんだよなぁ」なんて腰が重くなる人もいるかもしれない。
しかし1番最初の『インファナル・アフェア』だけを観るつもりで観てくれて大丈夫である。
なぜならどうせⅡ・Ⅲと観たくなるはずだからである。
久しぶりに観てもべらぼうに面白い映画であったが、やはり最初に観た時ほどの衝撃は受けられなかった。
当たり前か…。
前半にも書いたが、カッチンは初めて観た時に「こんな面白い映画あるのか!」と本気で思うほどの衝撃を受けている。
まだ観たことがなく、気になった人はぜひ観てみてほしい。
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