こんな本はいかが⑰ 零式戦闘機 柳田邦男
風立ちぬ(ジブリ映画)から入った超にわかです、戦闘機ファンの方々には最初にお断りしておきます(汗)
本書は、零式戦闘機を制作した堀越二郎氏の、七試艦戦開発失敗〜失敗を力に変えて、当時の最高性能と言える九試単戦の開発成功(ここまで映画で描かれていますね)〜零戦の開発成功、太平洋戦争に突入するところまで、筆者の堀越氏本人へのインタビューや各種資料を背景に緻密に描かれている技術者たちのドラマである。
ジブリ映画「風立ちぬ」は後半(?)のジブリ映画でもかなりお気に入りの方だ。
飛行機バカの技術者が厳しい世界情勢の中、また病弱の伴侶もできる中、美しい飛行機を作りたいという自身の夢をどこまでも追いかけていった姿とその悲しい結末は胸にグッと来るものがある。
(声優がどうとか戦争の道具開発がどうとかかはここでは触れない。他所に任せます)
ただ物足りなかったのは、開発物語があまり描かれなかったことである。宮崎駿監督いわく「プロジェクトXみたいにはしたくない。飛行機の話なんて素人にはわからない」とのことだったそうだが、さすがに端折りすぎな気がした。七試艦戦の開発着手〜失敗〜軽井沢での休養の流れなどは墜落シーンが回想で足早に描かれただけで一見なんの事だかわからない。(漫画版だとこの辺も丁寧にフォローされているのだが。まぁ映画の尺の都合上仕方ないとは思うが)
本書は、その辺をガッツリ描写してくれている。
若手ゆえチームをうまくまとめられなかったこと、使いたかった部品が技術不足で作れなかったこと、圧倒的な期間不足etcなど七試艦戦開発の失敗要因、それを全て活かし、上司に支えられ、いい部下と出会い、空気抵抗を軽減する発明・枕頭鋲を生み出し、何を残し何を捨てるか、判断を繰り返し…
その結果、脅威の性能をもつ九試単戦の開発に成功する。
後年堀越氏は「困るといいんですね。時間に迫られて、困り抜いて、最善を尽くす。そうするとその時にはできなくても、次にはしっかりやろうと言うことになる。実際次にはいいものができるようになるものです」と語る。(本文より)
「力を尽くして生きなさい」(映画より)
偉人の言葉にありがちだが、言うは易し、行うは難し。難しいんですよね(汗)
でもそうありたいと思う。あんまり気負わずに(笑)
