仕事で成長した実感がない|思い出せるのは失敗した日ばかり
仕事には慣れた。でも、この数年で何が身についたのか分からない。
毎日の仕事は、そつなく終わるし、大きなミスもなければ、誰かに迷惑をかけたわけでもない。それなのに、去年の自分と今の自分で何が変わったのかは、うまく言えません。
経験年数だけが増えて、自分は何も成長していないんじゃないか。
そう考えたとき、なぜか思い出せるのは、うまくいかなかった日のほうです。
報告が遅いと言われた日。作った資料を直された日。
ただ、思い出せないことと、本当に何も身についていないことは、別の話でした。
出てくるのは、やった作業のことばかり
この数年でできるようになったことを思い出そうとすると、まず浮かぶのは作業の中身です。受けた相談、確認した書類、作った資料。
ただ、それを並べても答えにはなりません。やったことは言えても、変わったことが言えないからです。
僕がいたのは自治体に関係する職場で、8年半のあいだ、数年ごとに担当する分野が変わりました。そのたびに、仕事を一から覚え直しています。それだけ覚え直しても、成長した実感はありませんでした。
そもそも探しているのは、前はできなかったのに今はできる、と言えるものです。試験なら見つかります。受かった日の前と後で、はっきり分かれるからです。
でも仕事に、その日はありません。昨日までできなかったことが、今日から急にできるようになる。そういう日は、8年半のあいだほとんどありませんでした。
成長していなかったわけではありません。探す場所が違っていました。
去年と同じ場面で、同じやり方をしているか
毎月やっている作業。よく来る問い合わせ。たまに起きるトラブル。どれも去年からあるものです。
そこでの自分のやり方は、去年と同じでしょうか。
新しく覚えたことがなくても、やり方は変わっているはずです。同じことを何年も続けていて、一度もやり方を変えていないほうが珍しいと思います。
僕の場合、はっきり変わった場面が一つあります。
上司に「報告が遅い」と言われた日
その日、届いた書類の中身を見て、上司の判断が必要な案件だと分かりました。
重要な案件だからこそ、きっちり調べてから持っていくつもりでした。関係する規定を調べ、経緯を整理して、聞かれたことに答えられる形にする。それから報告しよう、と考えていたんです。
そのあいだにも別の仕事が入り、伝えたのは翌日になってしまいました。
重要な案件だと分かった時点で、先に言ってほしかった。
上司の指摘は、その一点でした。
しっかり準備してから伝えるつもりが、かえって上司の判断を遅らせていたわけです。
そのあと、報告のしかたを変えました。今は、上司の判断が必要な案件だと分かった時点で報告します。そこで伝えるのは、上司が判断するのに必要なことだけです。細かいところは、そのあとで調べます。
特別なことを身につけたわけではありません。それでも、同じ場面での動き方は変わりました。
覚えている失敗の日が、手がかりになる
こうした変化を、自分で思い出すのは難しいです。注意された日のことは覚えているのに、いつからそうするようになったのかは出てきません。
うまくいった日には、覚えておくようなことが何も起きないからです。
だから振り返っても、出てくるのはうまくいかなかった日ばかりでした。
でも、その覚えているほうが手がかりになります。
注意されたこと、直されたこと。その日のあと、同じことを繰り返さないように、何かを変えたのではないでしょうか。確認する手順を足した。伝える相手を変えた。先に一言入れるようにした。
それを今も続けているなら、意識しなくてもできるようになっているということです。
前は意識しないとできなかったことが、今は考えずに出てくる。それが、この数年で成長したところです。
見つかっても、こんなものは人に言うほどではない。そう自分で判断してしまうこともあります。僕の場合、そうやって切り捨てていたものが、外から見ると違っていました。その話は、こちらに書いています。
最後に
成長した実感がないことと、本当に何も身についていないことは、別の話でした。
思い出しにくい理由の一つは、記憶に残る出来事が起きないことです。うまくできるようになった日ほど、何事もなく終わっていきました。
去年注意されたことで、今年は注意されていないものがあります。同じ場面で、同じ失敗をしていない。 その分は、確かに成長しています。
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