職務経歴書に書ける実績がない人へ|地味な仕事を強みに変える3つの視点
「実績」の欄で、手が止まっていませんか
職務経歴書の「実績」や「自己PR」の欄を前にして、ふと手が止まったことはないでしょうか。
売上を上げたわけでもない。
表彰されたこともない。
部下を持ったこともない。
毎日、頼まれた仕事を、ただこなしてきただけ。
書けることなんて、何もない——。
もし今、そう感じているとしたら。
そう思ってしまう人は、決して少なくありません。
そして、たぶんそれは「実績がない」のではなく、「実績を、まだ言葉にできていない」だけです。
この記事では、地味に見える仕事を、職務経歴書や面接で伝わる経験に変える、3つの視点をお話しします。
僕も、ずっと「何もない側」の人間でした
正直に打ち明けると、以前の僕は、本気で「自分には何もない」と思っていました。
新卒の就職活動では、どこからも内定をもらえませんでした。
面接が苦手で、卒業してからも、安定した仕事に就けない時期がしばらく続きました。
ようやく働き始めてからも、雇用形態は派遣や臨時が中心。
「経歴」と呼べるほど立派なものは、どこにもない。
そう信じて、職務経歴書の前で、何度も固まっていました。
でも、転職のために、自分の仕事を一つずつ振り返ってみて、気づいたんです。
僕には経験がなかったのではなく、その意味を、まだ言葉にできていなかっただけだ、と。
もちろん、転職できた理由が、これひとつだけだったとは言いません。
資格の勉強や、地道な実務の積み重ねもありました。
ただ、はっきり変わったのは——自分の経験を「やった作業」ではなく、「どんな課題に、どう工夫して、何が変わったか」として整理できるようになったことでした。
その結果、IT業界での勤務経験がないところから、IT企業の正社員として採用されました。
提示された年収も、非正規で働いていたころより、300万円以上高いものでした。
輝かしい職歴や、特別な才能があったわけではありません。
「何もない」と思い込んでいた普通の仕事を、伝わる言葉へ翻訳し直しただけなんです。
地味な仕事を強みに変える、3つの視点
派手な成果は、いりません。
普通の仕事も、次の3つの角度から見直すだけで、伝わる経験に変わります。
① 何が大変だったか
件数が多かった。
手作業だった。
関係者が多かった。
前例がなかった。
ミスが許されなかった。
たとえば「毎月の締め作業」も、期限が決まっていて、数字が1円ずれたら、やり直し。
そう考えると、決して「ただの単純作業」ではないはずです。
「当たり前にこなしていたこと」の中にこそ、実は難しさは眠っています。
② 自分は、何を変えたか
順番を変えた。
確認のやり方をつくった。
手戻りを減らす工夫をした。
次の人が困らないように、メモを残した。
大きな改革でなくて、いいんです。
「前より、少しだけ良くしたこと」を思い出せれば、それはもう、あなたが加えた工夫です。
③ 誰に、どんな変化があったか
チームの作業時間が減った。
お客さんの手間が減った。
後から入った人が、迷いにくくなった。
ミスを、防ぎやすくなった。
判断や確認が、早くなった。
仕事の価値は、「自分が何をしたか」だけでなく、その結果、周りにどんな変化が起きたかに表れます。
あなたの仕事の先には、必ず「誰か」がいたはずです。
「書類を確認しました」で、終わらせない
この3つの視点を、実際に使ってみます。
たとえば、僕が担当していた仕事の一つは、申請書類のチェックでした。
そのまま書くと、こうです。
申請書類の確認、入力、問い合わせ対応を担当しました。
間違ってはいません。
でも、これでは「ただの作業」にしか見えない。
3つの視点を通すと、同じ仕事が、こう変わります。
申請書類の不備を確認して関係者へ連絡し、差し戻しが起きても処理が止まらないよう、対応と進捗を管理していました。
やっている中身は、まったく同じ。
変えたのは、仕事の「見せ方」だけです。
数字を一つ添えると、さらに伝わります。
もう一つ、僕の実際の例を。
以前、大量の発送業務を担当していて、住所などを入力したあと、通知文と宛名ラベルを、それぞれ手作業で作っていました。
そこで、一度入力すれば通知文とラベルまで自動で作られる仕組みを、独学でつくりました。
これを「入力業務を担当」と書いても、何も伝わりません。
でも、こう書くと変わります。
1日最大約300件発生する発送業務で、入力から通知文・宛名ラベル作成までを自動化し、チーム全体で月およそ40時間の作業時間削減につなげた。
仕事の大変さ、自分の工夫、周りへの変化。
その3つが、たった一文に収まります。
あなたの仕事にも、規模を示す手がかりが必ずあります。
人数、件数、頻度、関わった人の数。
完璧な数字でなくて大丈夫。根拠のある範囲で十分です。
ひとつだけ、注意を。
「ミスゼロ」「半減」のような強い言葉は、記録や根拠があるときだけにします。
盛らなくても、事実だけで、十分に伝わります。
読み終える前に、1文だけ書いてみる
ここで一度だけ、手を動かしてみてください。
直近の仕事を一つ選び、この型に当てはめるだけです。
【何が大変だったか】という状況で、 【自分が工夫したこと】をして、 【誰に、どんな変化があったか】につなげた。
きれいな文章でなくて構いません。
この3つが、一文の中に入っていれば、それで十分です。
その一文が、あなたの職務経歴書の、最初の材料になります。
材料は見つかる。でも、多くの人は、その先で止まる
ここまでの視点とワークで、書ける材料は見つかります。
ただ、正直に言うと——
材料が見つかったあとに、多くの人が、もう一度手を止めます。
・職務経歴書には、どのくらいの長さで書けばいいのか
・それを、自己PRにどうつなげるのか
・面接で「具体的には?」と深掘りされたら、どう答えるのか
・そもそも、数字がまったくない仕事は、どう書くのか
「材料を見つけること」と、「それを、伝わる言葉へ組み立てること」は、別の作業だからです。
僕自身、この壁の前で、長く立ち止まっていました。
実際の転職では、その経験を応募先に合わせ、自己PRや面接の答えまで一貫して作る必要があります。
材料探しから応募先の選び方、職務経歴書・自己PR・面接の答えまで、一つの順番で完成させたい方へ、こちらにまとめています。
一方で、その一件を自己PRへ書こうとしたとき、「自分を売り込んでいるみたいで、どうしても気恥ずかしい」と感じる人もいると思います。
その抵抗の正体と、自分を大きく見せずに経験を伝える考え方は、こちらの無料記事に書きました。
あなたの経歴は、恥じるものじゃない
最後に、ひとつだけ。
もし今、自分の経歴に引け目を感じているなら、覚えておいてほしいことがあります。
あなたの仕事は、価値がなかったわけではありません。
ただ、まだ言葉になっていないだけです。
派手さは、いりません。
「何が大変で、何を変えて、誰にどんな変化があったか」。
この3つを書き出すだけで、地味だと思っていた仕事も、十分に伝えられる経験に変わります。
まずは、直近の仕事を一つだけ、選んでみてください。
その一件を書き出すところから、経歴の見え方は変わり始めます。
僕自身の遠回り——空白期間のことや、非正規からの転職のことも、少しずつ書いています。
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