⚽️サッカーOS地政学 導入編
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サッカーは国民性で決まるのか
よく言われる。
ブラジル人は陽気だから攻撃的。
ドイツ人は真面目だから組織的。
イタリア人はずる賢いから守備的。
日本人は勤勉だから走る。
本当にそうだろうか。
もし国民性だけで決まるなら、
同じ国はずっと同じサッカーをしているはずである。
だが現実は違う。
イングランドは時代によって変わる。
ドイツも変わる。
スペインも変わる。
ブラジルですら変わる。
つまりサッカーを作っているのは、
もっと深い何かである。
私はそれを
国家の記憶
だと思っている。
侵略された国。
侵略した国。
海洋国家。
大陸国家。
統一国家。
都市国家。
移民国家。
その違いが、
何百年もかけて人々の行動原理を作る。
そしてその行動原理が、
最後にサッカーとして現れる。
例えばイタリア。
なぜ彼らは守備を重視するのか。
イタリア人が守備好きだからではない。
イタリアは長い間、
強国に囲まれた都市国家の集合体だった。
生き残るには、
正面から殴り合わないことが重要だった。
相手を読む。
相手を利用する。
相手を消す。
その国家的記憶が、
後にカテナチオになる。
例えばクロアチア。
なぜ人口400万人で強いのか。
才能があるからではない。
バルカン半島という、
ヨーロッパでもっとも複雑な地政学空間で生き残ってきた歴史があるからだ。
つまりサッカーとは、
22人がボールを追う競技ではない。
国家が積み重ねた数百年の記憶がぶつかり合う競技なのである。
このシリーズでは戦術を語らない。
まず地図を見る。
次に歴史を見る。
そして最後にサッカーを見る。
すると今まで見えなかったものが見えてくる。
なぜその国はそのサッカーをするのか。
サッカーOS地政学。
それはサッカーで読む世界史である。
次回
