辛かった気管挿管#4 気管切開の手術が決まる
こんにちは!
気管挿管という重いテーマでの投稿が続いていて、失礼します。
同じようにお子さんの挿管で苦しんだ経験のある方にとって、少しでも参考になればと思っています。
今のところ、しんどい話ばかり書いていますが、今回の投稿から少しずつ希望が持てる展開になっていますので、引き続きお読みいただければ幸いです!
読む方に「長い~」と思われないよう、1回の投稿は1,500~2,000字ほどにしているので、結果的に複数回になってしまいました。
前回の記事はこちらです↓
■優しかったT部長
気管挿管されて人工呼吸器に繋がれている子の状況について、私は自分の育休先の職場である病院のT部長(小児科医)へ相談しました。
T部長は、子供が入院している大学病院と医局が同じでした。
子供の主治医の名前を伝えると、T部長の後輩であることが分かりました。
何をT部長に相談したのか、今となってはあまり覚えていません。
ただ、必死に子の病状を伝え、
・挿管され、吸引される子を見ていられないので、何とかならないのか
・本当にこの対応しかないのか
といったようなことを、すがる思いで伝えた記憶があります。
私は公私混同は嫌なので、これまで病院に勤めていても、自分の家族のことを職場の医師に個人的に伝えて、病状のアドバイスをしてもらおうなどと考えたことはありませんでした。
そういう時は、同じ職場に勤める人間でも、きちんと紹介状を取って、予約を取った上で医師の診察を受け、お金を払うべきだと思うし、今でもそう思っています。
けれど、この時は自分の精神状態が普通ではなかったと思います。
家では、子の状況を夫と共有し、「一つ一つ乗り越えていこう」と二人で話していました。
でも、私は専門的な見地から自分を救ってくれる人を求めていました。
(その役割を果たすのが、本来はセカンドオピニオンになるのですが……)
電話口のT部長は優しい声で「僕からも、〇〇くん(子の主治医)に聞いてみるよ」と言ってくれました。
そして数日後、T部長から連絡がありました。
・喉頭軟化症で呼吸不全となった場合は、気管挿管して人工呼吸器に繋ぐのが、子の安全上、最も必要な処置であること
・生後1~2か月は脳の発達上、非常に重要な時期だから、この時期にきちんと脳に酸素を届けることが何よりも重要
と、子の主治医と同じような説明があり、最後には
「挿管されて可哀そうという、りらさんの気持ちは良くわかる。でも、これが今やれるベストの状態なんだよ」
と諭されました。
結果的に何か事態が変わることはなかったけれど、苦しかった時に私の話を聞いてくれたT部長には、今でも感謝しています。
子の主治医からすると、私が裏で先輩(T部長)に治療について相談している訳だから、あまり良い気がしなかったのではないかと思いますが……
ちなみに、気管挿管されて「ゴックン(唾の飲み込み)」ができない息子は、すぐ口の周りに分泌物がブクブクと出ていました。
私は面会中ずっと、その口周りの泡をティッシュで拭き続けました。
口周りの分泌物が少なければ、吸引の回数が少しでも減るのではないかいという必死の思いでした。
(実際には、吸引は気管内の分泌物を除去するので、口周りは関係なかったと思いますが……)
そんなティッシュで口周りを拭き続ける辛い気持ちも、私はT部長に訴えました。
いろいろと支離滅裂なことを訴えていたんじゃないかと、今更ながら思います(汗)
■気管切開の手術が決まる
私がT部長に連絡した時期と並行し、子供の入院する集中治療室に耳鼻科の先生が来ました。
入院当初、耳鼻科外来で喉頭ファイバーをしてくれた先生とは別の、若い医師でした。
その先生は、子供の状態を確認して、私に
「気管切開の手術を検討しましょう」
と伝えてきました。
通常、気管挿管は長期にする処置ではありません。
挿管されると、管が動かないように、抜けないように、患者は手や頭を押さえられ、鎮静化されます。
管が喉に入り続ける苦痛もありますし、口から食べることもできません。
今後の患者のQOL(生活の質)を考えたら、喉に穴を開けて気管切開をして、そこから人工呼吸器を繋ぐステージへと移る必要があります。
なお、気管切開は、気管挿管が長期(約2週間以上)に及び、抜管が困難な場合に対象となるそうです。
ほどなく、私と夫は主治医から、改めて気管切開手術の説明を受けました。
■セカンドオピニオンを受けに行く
実は、息子が気管挿管された時点で、私は一度、セカンドオピニオンをしようと問い合わせをしていました。
問い合わせた病院は、私が勤めている病院と同じ系列の、公立の小児病院でした。
知っている職員も何人かいて、元々身近な病院だったためです。
電話でセカンドオピニオン担当の事務の方とお話しし、受診に必要なものや、何科での受診になるのかなど、お聞きしました。
ただ、その段階では、まだセカンドオピニオンを受ける決断ができず、結局問い合わせのみで終わりました。
そして今回、気管切開術の話が出たタイミングで、
「もう悩んでいる場合じゃない。やれることはやって、納得した上で手術を受けよう」
と決断し、改めて小児病院にセカンドオピニオンの申し込みをしました。
再度の問い合わせとなりましたが、担当窓口の方は、私が以前問い合わせた内容を引き継いで聞いていてくれていました。
さらに有難いことに、既に私の話を呼吸器内科のM先生に伝えてくれていました。
「りら様から再び連絡があったら、すぐ来てもらうようにと、M先生から言われています」
と担当の方から言われた時は、来ないかもしれない人にそこまで親身になってくれる、まだ見知らぬM先生に、
「ありがとうございます!! 一刻も早くお会いしたいです」
と私は感動しきりでした。
そして、このM先生こそが、息子の本当の呼吸不全の原因を突き止めてくれた、命の恩人でした。
息子の病名は「喉頭軟化症」ではなく、「舌根のう胞(舌根部に発生するのう胞)」だったのです。
