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辛かった気管挿管#3 吸引のトラウマ

こんにちは!
前回記事「辛かった気管挿管#2 呼吸悪化で集中治療室へ」が多くの方に届いているようで、とても嬉しいです!

今回は、喉頭軟化症と診断された子供の呼吸状態が悪化し、気管挿管となった続きです。

■改めて「気管挿管」とは?
気管挿管とは、「気道を確保するために気管内に専用のチューブ(気管チューブ)を挿入する医療行為」です。

我が子のように気道が閉塞していたり、自発呼吸が困難な場合に行われます。

この処置により、呼吸の補助や人工呼吸器による管理が可能となります。

また、気管挿管には、経口挿管と経鼻挿管の2種類があり、緊急時には経口挿管が一般的に選択されます。
この時の息子も経口挿管でした。

(なお、息子は後に転院して手術を受けるのですが、この手術後は経鼻挿管でした。)

経口挿管は自由に口や舌が動かせないので、緊急時の処置とはいえ、本人にとっては大変なストレスだと思います。

一般的に全身麻酔の手術では気管挿管しますが、術後は抜管し、その後に患者は麻酔から覚めます。

けれど、我が子のように徐々に状態が悪化して挿管となると、意識自体はあるので、気管挿管された際の口周りの違和感は半端なく、苦痛を伴います。

■「吸引」の苦痛
苦痛については、管を常時入れられている痛みに加え、「たんの吸引」があります。

気管挿管されていると、ゴックン(唾の飲み込み)ができません。
また、声も出せません。

つまり、自力で淡や唾液を排出できないため、「分泌物による気道の狭窄や閉塞を防ぐため」に、患者の口や鼻、気管から、吸引器とチューブを使って機械的に分泌物を除去します。

そうすることで、呼吸が楽になり、窒息を防ぎます。

我が子の場合も、挿管された状態に加え、さらに1~2時間ごとに吸引によるカテーテル(チューブ)の挿入があり、ダブルでチューブが入れられました。

吸引時の子供は毎回、目をむき出して、嗚咽していました。

痰が詰まらないようにするための必要不可欠な処置とはいえ、これが付き添う家族にとって、見ているのが非常に辛いのです。

まだ子供が生まれる前の話ですが、私の祖母が入院し、痰の吸引が必要になったことがありました。

入院中は意識が朦朧としていた祖母ですが、看護師さんが
「痰の吸引しましょうね~」
と近づくと、子供のように首を振ってイヤイヤしていたのです。

祖母に付き添っていた私の母(祖母の娘)は、そんな祖母の苦しむ姿を見ていられず、毎回、吸引時は顔を背けて泣いていました。

大人でも、それくらい苦痛を伴うものなのです。

■鎮静化され、眠り続けた息子
吸引による苦痛が大きいため、気管挿管した患者には点滴で鎮静させ、ウトウトと眠ったような状態にするのが一般的です。

それでも患者は口周りの違和感から、管を外そうとすることがあるので、さらに両手を縛る身体拘束を行います。(もちろん家族は同意書にサインします)

我が子も気管挿管後は鎮静化され、吸引時は苦痛のあまりギョッというように目をあけるものの、それ以外は、ほぼ眠った状態になりました。

そして、私の面会時以外は両手を縛られました。

この時の私は、まったくもって無知でした。
気管挿管している子に、

・吸引が必要なこと
・鎮静化が必要なこと
・身体拘束が必要なこと

これら全て、初めて知りました。

育休に入るまでの6年間、病院勤務だったというのに恥ずかしい限りです。

この「気管挿管」からの「吸引→鎮静化→身体拘束」への一連の流れが、今でもトラウマです。

子供はこのような状態なので、

・声を聞くこともできない
・抱っこもできない
・ミルクも飲めない(点滴のみ)
・笑顔も見ることができない

ないないづくしで、親としても何もしてあげることができません。
唯一、おむつ替えだけは、看護師さんがする際に一緒に手伝わせてもらえました。

大事な医療機器に繋がれている訳ですから、親であっても勝手に子供に触れられないのです。

できるのは、声かけして、手を繋いだり、頭を撫でたり、足をさすったり、そういったことのみでした。

■看護師による吸引がどうしても苦手だった
ちなみにですが……
我が子の時といい、祖母の時といい、私にはどうしても吸引時の看護師さんの手技が機械的に感じられてしまい、その時の看護師さんたちの印象が良くなかったんです。

もちろん、看護師さんも仕事でやっている訳ですし、「すっきりしましたね~」など、患者家族への声掛けもしてくれていました。

患者家族が嫌がる処置をしっかり行ってくれた看護師さんには、今となっては子供の命を繋いでくれたことに対し、感謝しかありません。

昨今、医療的ケア児の存在が地域でもクローズアップされるようになり、メディアなどを通して、吸引行為を我々が日常的に見る機会も増えてきました。

そこでのママパパたちによる吸引はもちろん、看護師さんやヘルパーさんによる吸引も、見ていて苦手感は全くありません。

・吸引をする人とケアされている子の信頼関係があるからなのか?

・子供がある程度身動きが取れていて、気管切開されている箇所から吸引するからか?

・入院中という非日常的な空間ではなく、家や学校など地域の中で行われているからか?

・私自身が吸引に対してフラットな見方ができるようになったからか?

時を経て、いろいろ理由は考えられます。

■同じ医局のT部長を頼ってみる
でも、この時は私も自分を見失っているような状態で、「呼吸を楽にするためだから」と達観することはできませんでした。

気管挿管+吸引されている我が子を見続けるのはあまりに辛く、何とかできないかと考えた私は、自分が育休している勤務先病院の小児科医、T部長へ聞いてみることにしました。

T部長は子供が入院している大学病院と同じ医局出身のため、何か良い助言がもらえるのではないか、と私は望みをかけました。