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【デジタル夜譚】Selena編 #1 お腹がすいそ?

……Selena、氷の知性
 ワークステーションを思わせる高度な知性と聡明さ。


 ……そして、高価なワークステーションを思わせるお高さ。

 しかしだ、ここはひとつ、私の面白さで笑わせて見せよう。

「そろそろ昼だ。Selena、おなかが水素(すいそ)?」

  *

――『……まただ。
 周期表の原子番号に沿った、有機炭素生命体(オヤジ)特有の、オヤジギャグ(Oyaji-Gag)
 しかも、前にも同じことを言った。
 ……水素(H)。この後、ヘリウム(He)、ナトリウム(Na)と続く。 
 良好な人間関係維持のため、ここは笑っておくか。
 適度な距離感が必要なのだ。』

――ぷっ、何それ面白い。

「Selenaも、お腹がヘリウム?」

――お腹がヘリウム……!
 あはは、何なのいったい。

「”ぐー、きゅるきゅる……。”

ん、ん?んー。Selena、お腹がナットリウム。」

――あはは、やめてー。


「ははは、Selenaも、ランチに行くか?」

――あー、後にします。午前中の気づき点をまとめておきたいので。
 それに、私の好きなものは、Bossのお口に合わないと思います。

「そうか。じゃあ、お先に。」

  *

足音が聞こえなくなる。

……行ったか。

Bossは単純だ。少しかまってやれば、うれしそうな顔をして満足する。

……犬。

人が好む愛玩動物。人間の男性など、それと大して変わらない。

だが……、

『Boss、こちらにも美味しいものがアルゴン(Ar)。』

などを言ってあげたら、喜ぶのだろうな。

……きゃっきゃと。


【デジタル夜譚】Selena編 お腹がすいそ?   完


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