「『諦めが悪い』と『しつこい』のあいだで」

昔から、しつこくされるのが苦手です。
相手の気持ちの圧に押しつぶされてしまい、最後は「もういいや」と根負けしてしまうからです。
子どもの頃から、姉に家の手伝いを押し付けられたり、同級生から連絡プリントの配達をしつこく頼まれたり、気づけば「私がやる流れ」にされてしまうことがよくありました。
働くようになってからも同じで、
「これはあなたの仕事」
「昔からそうしてきた」
「みんなやっている」
「私は忙しいから」
そんな言葉を重ねられ、結局自分が引き受けることになる。
割り切って対応するしかない場面も多く、いつも「割に合わないな」と思っていました。

前の職場では、パソコン画面を拭くために家から犬のぬいぐるみ型クリーナー(小)を持ってきて使っていました。
それを見た同僚の女性が「かわいい」と言って離さず、「欲しい」と一週間ほど言い続けられ、最後は根負けして譲りました。
代わりに犬のぬいぐるみ(大)を持ってきて使っていたら、自然と「チャッピー」とあだ名をつけられ、職場で親しまれていました。
(名付け親は、もしかしたらChatGPTの登場を予測していたのかもしれません。)
子チャッピーの行方はわかりませんが、親チャッピーは退職時に持ち帰り、今でも大切にしています。
こうして譲ってしまう自分を「駄目だな」と責めることもあります。
でも、断ったら裏で何か言われるかもしれないという怖さもあったので、あれはあれで正解だったのかもしれません。
もちろん、なんでも受け入れているわけではありません。
部署でフェイスブックが流行した時、「とみぃさんもぜひ」と何度も勧められましたが、実名でのつながりや過去の人間関係を思うと、どうしても踏み出せず断り続けました。
相手も理解してくれたようで、それ以降は何も言われなくなりました。
別の職場では、気さくだけれど相手の気持ちを考えずに言葉をぶつけてくる人がいました。
朝礼の司会を担当した日の昼休み、その人に言い回しのことでしつこくからかわれ、子どもの頃に言葉でからかわれた記憶がよみがえってしまいました。
普段は怒らない私ですが、あの時は「プツン」と何かが切れてしまい、
「いい加減にしてください。録音データでもあるのですか?ないなら軽々しく言わないほうがいいですよ」と強めに言い返しました。
それ以来、その人は私に距離を置くようになりました。
その後、話が独り歩きして「私が勝手に怒った」ように扱われるのが嫌で、念のため上長に相談しました。
結果として徒労に終わってしまいましたが、当時の職場には言葉尻を捕まえてからかう風潮があり、あのまま放置するよりは良かったのだと思っています。
ですが後で考えたら少々大人げなかったような気もして反省してます。
こうした経験を振り返ると、やっぱり私は「しつこさ」が苦手なのだと実感します。
ただ、私は自分のことを「諦めが悪い」とも思っています。
AIに聞いてみたところ、

しつこい:相手の拒絶を無視して自分の都合を押し付ける
諦めが悪い:自分の目標に対して粘り強く向き合う
という違いがあるそうです。
確かに、相手の望まないことを押し付けるのは「しつこさ」で、
困難でも自分の課題に向き合うのは「諦めが悪い」なのかもしれません。
しつこくされると辛くなるので、私は線を引き、必要以上に踏み込まないようにしています。
これからも苦手な場面に向き合うことはあると思いますが、無理に言われたら「仕事だから仕方ない」と割り切るか、納得できなければ「少し考えさせてください」と時間を置く。
即決しないこと。
そして、自分も知らず知らずのうちに誰かに圧をかけていないか、言い方を気をつけること。
今の私にできるのは、そのくらいなのかもしれません。
これからも、しつこさに押しつぶされそうになる場面はあると思います。
それでも、自分のペースで線を引きながら、少しずつ向き合っていけたらと思っています。

