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紫咲シオンさん卒業によせて

3/6に紫咲シオンさんのチャンネルにて、4/26をもってのホロライブからの卒業発表がシオンさんの口から行われた。
会社の昼休み休憩にホロジュールにて「大切なお知らせ」の配信タイトルを確認した私は、自分のデスクでしばらく硬直し続けていた。
21時からの発表は、どんな内容であれ聴き遂げないとと思いYouTubeを開いたものの、涙声で震えながら事前用意した原稿を読み上げるシオンさんの声を聴きながら、しばらく私は虚空を見つめていた。

つい先日、活動休止からの復帰配信でいきなり10時間以上のロングラン配信を行うなど、休止前よりもパワーアップして帰ってこられたことに驚き、本当に直近では戌神ころねさんとは息のあった掛け合いを見せてころねさんとマインクラフトを楽しんでいた。
ゆえに、週末に6thフェスを控える直前、このタイミングでの発表はいちリスナーとして非常にやるせない。
ただ、活動休止もたびたびされていたシオンさんのホロライブの卒業発表に関しては、「いつ起きてもおかしくはない」と前々から覚悟をしていたリスナー、それも長い期間シオンさんを応援してきたファンであればあるほどいたのかもしれない。
それでも…やはりご本人の口から声明が出されてしまうと、悲しい。

思い返せばシオンさんは、年が明けてからシオンさんのことを慕っていた後輩の沙花叉クロヱさんの卒業(配信活動終了)を、クロヱさんのシオンさんに対する屈折した重い愛を受け止めながらも見送ったばかりである。
そこからまださほど時が流れていない中で、今度は自らがホロライブからの旅立ちを選択されることになるとは、クロヱさんの卒業ライブを見ていた自分には想像も出来ない、ハンマーで頭を殴られたような衝撃である。

2期生の面々は、昨年湊あくあさんが非常に多くのリスナーやメンバーに見送られて新たな人生設計に向けてホロライブを離れた際、どのような思いで彼女を見送ったのだろうか…。
まさかそこから半年足らずで、同期がもう一人いなくなってしまうなんて、夢にも思わなかった、いや、思いたくなかったのではないだろうか。

シオンさんにはシオンさんの人生がある。
まだまだお若い中で、配信者として精一杯の活動してこられた中で、時に心無いメッセージに悩み苦しんでいた日も多くあっただろう。
シオンさん自身、ホロライブ加入後から度々メンタルや健康面の理由で配信活動をストップされてきていた。
2023年末には無期限の活動休止に入られており、湊あくあさんの卒業タイミングの前に「休んでいる間に、何もしないで失いたくはなかった」と7ヶ月ぶりの復帰を選択されてはいたものの、不眠に悩まされるなど、やはり配信者として活動するには身も心もボロボロだったのかもしれないと、今回の発表を受けて考えてしまう。

シオンさんの代表曲でもある「メイジ・オブ・ヴァイオレット」は、多くのホロライブメンバーからも愛されており、メンバーの歌枠でもかなりの頻度で歌唱される傾向がある。
少しハスキーで、けれどもいたずらっ子な甘さを含んだ独特のチャーミングな歌声が、新しい曲を紫咲シオンとして紡ぐことはないということがこれほどなく淋しい。
そして、シオンさんの卒業以降にオリジナルバージョンとしての歌唱が行われないというのも残念だ。
YouTube上や各種ストリーミングサイトで音源を聴くことができても、それは過去の思い出に浸ることと同義になってしまうからだ。

卒業理由としては、「会社との方向性の違い」があげられていた。
昨日のねねさんの記事にても触れたことではあるが、カバー株式会社の収益の大本は配信利益からマーチャンダイジングへと割合が大きく変わった。

非常にタイトなスケジュール感で、次から次へと、ボイスやグッズの確認やその他のあれこれが、波のように押し寄せてくる。
シオンさんは2期生というホロライブ黎明期に活動を開始した配信者だ。
その当時はまだホロライブもアイドル路線へと本格的な舵を切っていなかったし、IPビジネスで売上を作っていく会社でもなかった。
上場以前のように、自由闊達な発想で各ホロライブメンバーの個性があふれるような配信も、やれコンプライアンスだ、やれ不謹慎だと縛りがきつくなり、やりたくでもできないことが増えたメンバーもいるのではないだろうか。
(ポケモン関連の配信などは最たる例のように思える)
そうでなくても、体調が整わない中で求められるダンスレッスンやボイストレーニングは、自分のペースで歌えれば十分だというメンバーにとっては、体力と精神力を削っていく呪いのようなものなのかもしれない。
ご本人も「インターネットの世界で生きてきた」と語ったように、彼女の活動の基盤はネットの世界で変わらずにありたかったのではないだろうか。
ホロライブという組織が肥沃化していった功罪のように思えてしまう。

私がこのnoteアカウントで記事を書き始めてから約1ヶ月が経ったが、こんなに早くホロライブメンバーの卒業に直面するとは思いもしなかった。
昨年のあくあさんの卒業発表は、魂が抜け殻になってしまうほど発表を聞いた時には何も手につかなかったし、夏の終わりの卒業ライブで最後に歌われた「#あくあ色ぱれっと」は、どうにか曲が終わらないでくれと涙目になってスマートフォンの画面を見つめていた。
クロヱさんの卒業発表時には前日のにおわせるアナウンスメントに対して、どうかドッキリや冗談の類いであってほしいと願わずにはいられなかったし、活動終了されるまでの期間にどのように自身の気持ちの整理をつけていけば良いか逡巡していた。
ホロライブメンバーの卒業発表があると、自分が好きなコンテンツが、私たちと同じように生きている人間によって形成されている以上、それが永遠に続いて行くものではないということを嫌でも実感させられる。

だからこそ、「推しは推せるときに推せ」なのだろう。
いつか訪れる別れのときに、少なくとも自分自身に後悔が残ることのないように。
そして、旅立ちを選んだ推しの背中を引き留めてはいけない。
本当のファンならば、推しの次なるステージでの活躍を祈って、顔で笑って心で泣いて送り出してあげたいものだ。
気持ちに整理をつけて、その時を迎えよう。

だが…。
会えると思っていた人に会えなくなってしまう日が来るという現実を受け入れるには、2か月という時間は私には短すぎる…。

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