これぞまさしく理想の小梅!種までしっかり赤い、香り豊かな真っ赤で美味しいカリカリ小梅ちゃん完成(甲州小梅のカリカリ梅その2・完成編)
私にとって不動のカリカリ小梅、理想として常に思い浮かべる小梅ちゃんは二品ある。
ひとつはおなじみ崎陽軒のシウマイ弁当に入ったカリカリ小梅。首都圏近辺にお住まいの方、旅行等で横浜近辺に来られたことのある方なら一度はご覧になったことがあるのでは?横浜市民の私にとっては食べ慣れたいつもの味。どの順番で食べようか迷う豪華なおかず群の中、途中でカリカリ梅を食べると口内がすっきりすると共に「ああシウマイ弁当だなあ」と感じる定番のひと粒。カリカリさも塩気もちょうどよく、シウマイ弁当にはあの小梅がどうしてもなくてはならない。

もうひとつは、新大阪駅~梅田近辺で売られている「衣笠」のおこわ「とん蝶」に入った赤いカリカリ小梅。
この「とん蝶」も私が愛してやまない好物のひとつで、関西方面へ行く予定があれば旅程が許す限り梅田の阪神百貨店まで買いに行く。定番の白蒸しなら新大阪または大阪駅構内の売店で概ね入手できるが(夕方には売り切れることも…)、全種類揃うのはここだけだからだ。


黒豆入りやゆかり、とうもろこしなど季節によって様々な種類がある中で、私が最も好きなのはやはり定番の白蒸し(大豆と塩昆布)と、山椒が香る七味味。
とん蝶の魅力はなんといっても大豆と昆布の滋味深さともち米の旨味、香りの良さで、これが最も堪能できるのが白蒸し、その次がひと味加えた七味だと思っている。
もちもちとしたもち米の蒸し加減、塩加減も程良く、少食の方ならこれだけでおなかがいっぱいになるやや大きめのひと包みを食べれば幸せに。そこに真っ赤な可愛いカリカリ小梅がふた粒埋まっている。ひと粒ではなくふた粒というのがまた嬉しいところで、最初に口をさっぱりさせてから食べ始めるもよし、途中の口直しや最後の仕上げに味わうもよし、この「ふた粒」がちょっとした幸福度を更に格上げしてくれるのだ。もちもちしたおこわとの食感の対比や、白~茶色っぽい色合いの中での赤い色も良い。

そんな小梅ちゃん。
今回漬けた小梅を紫蘇漬けしようと決めた時に思い描いていたのも当然この小梅で、赤くなあれ、美味しくなあれと念じながらしそ漬けを行った。
なお、しそ漬け前の小梅の下処理と塩漬けに関する前回記事はこちら。
塩漬けから1日で梅酢は大分上がったが、念のためまる2日近く待ってしそ漬け開始。
この時点での見た目はこちら。梅酢に浸っている感じがご覧いただけるだろうか。


これに、漬けた生梅の20%程度の重量の下処理済み赤紫蘇を加える。
赤紫蘇の下処理とは「10%程度の塩で塩もみ⇒しっかり絞って再度塩もみ」を2~3度繰り返し、あく抜きを行うこと。ここまでしてある市販品がこの時期スーパーに並ぶので、今回は手持ちの昨年分+足りない分は市販品を使用。


但し、通常の大きさの梅と比べて小梅は染まりやすいため、揉み紫蘇を使わず赤梅酢のみで染めても良いそうだ。という訳で、今回は市販の赤紫蘇180g程度に手持ちの赤梅酢(昨年梅干しを漬けた際の分)を足してだいたい200g(全体が浸るぐらいの量)とした。
これを塩漬けのファスナー袋にそのまま加え、全体に行きわたるよう割り箸等で調整し、全体を軽く揉む。揉むことで赤紫蘇に含まれる色素アントシアニンが梅および梅酢のクエン酸に反応して赤色に。この色が染まることで、しそ漬けされた梅は赤くなる。


塩漬け小梅は漬けて5日ぐらいから食べられる(※小梅は粒が小さいので早く食べられる。通常サイズの梅の場合は10日ほど待った方が良い)が、しそ漬けした場合は色や味が染みるのに1週間~10日ほどかかるため、ここから更に待機。途中で何度か振ったり、上下・表裏を返したりして均等に染まるようにするとなお良い。
という訳で、10日後。梅酢も小梅もしっかり染まっている。うれしい。

取り出すとこんな感じ。

「とん蝶」の梅ほど鮮やかな赤でないのは、おそらく液体のみで染めていないからと思われる。たっぷりの赤梅酢(または梅酢ベースの調味液)に全体を浸るように漬ければもっと真っ赤に染まったのかも。でもこのぐらいで私は十分。種までしっかり赤く染まったし、この素朴さもまたかわいい。
そして食べると、見事なカリカリ!本当にカリッカリ。
試しに数粒食べてみても、フニフニした粒や柔らかい部分の全くない、全きカリカリ小梅である。それに味も、赤紫蘇の香りたっぷり、青梅らしい爽やかさや酸味と相まって大変美味しい。塩気もちょうど。売っていたら買いたいくらいの美味しさである。素晴らしい。
いやー…(絶句)、すごい。
これだけ完璧にカリカリに漬けられたのは、一昨年・昨年と来て今年が初めて。これぞまさに、私が胸に描き続けた理想のカリカリ小梅である。感慨もひとしお。やればできるものなのね…。
最大の勝因はやはり粒の小ささ(粒が大きいと冷蔵保存してもカリカリ度は失われやすい)と、カリカリ梅に最適なタイミングで近県から送っていただいたことと思われ、売り手の方に内心改めて手を合わせる。ありがとうございます、おかげでこんなに美味しいカリカリ小梅ができました!
という訳で、カリカリ梅最大のポイントはやはりカリッカリの青いタイミングで収穫して即漬ける、であることが改めて判明。この状態で漬けると香りも味も食感も最高のカリカリ梅になる。その点でも産地はけっこう重要。なるべく近くで採れた青梅を使うことをお勧めします。
神奈川もそろそろ青梅の出荷が始まるようで、入手出来たら青梅のカリカリ梅も漬けようかな…。
