見出し画像

梅しごとは突然に〜2025梅仕事はじまる(甲州小梅のカリカリ梅その1)

私にとって、梅仕事といえば断然梅干しである。
愉しい食感につられ、ついたて続けに何粒も食べてしまうカリカリ梅や、爽やかな風味と香りが魅力の梅漬けも好きだけれど、やはりじっくりひと月以上塩で漬け込み、その後好天が続くタイミングを狙ってひとつひとつ丁寧に並べて外に出し、その間も天候や乾き方の様子を注意深く見守りつつ何度か返して干し上げた梅干しの可愛さ美味しさに勝るものはなく、春の初めに梅の花の香りをかぐと、やがて来るその年の梅仕事が楽しみになって来る。

故に生梅も梅干しに適した完熟梅を基準に考えがちで、そうなると5月下旬〜6月半ばぐらいが最盛期。全国各地のご当地梅が次々登場するこの時期は、手掛けられるだけの生梅を購入してしまうまで常時気が抜けない。特定の産地や品種の梅を狙っている場合には尚のこと、前年の発売時期と今年の生育状況を確認の上、売り出されそうな時期にはこまめに状況をチェック。特に人気の高い品種や生産量・流通量の少ない品種は一瞬で売り切れることも侭あるため、見つけたら即迷わず購入することが肝要である。外出先で予定外に出会った場合にもやはり瞬時の判断が重要で、なんといっても鮮度と熟の進みがものを言う生梅を前に迷っている暇はない。
さらに入手後はすぐ仕込みに移れるよう良質の天然塩やビニール手袋、消毒用のホワイトリカー、漬け込む際に梅を入れるジッパー袋や保存瓶等、必要な材料・用具は切らさぬよう予め十分に用意しておく必要がある。――が、それはあくまで5月下旬頃からのお話。中旬に準備を開始すれば十分間に合う。加えて今年は国内の代表的な梅の産地である和歌山や小田原の梅が、昨年の不作に続き雹害による大凶作の見込み。このためどうしても買いたい分は既に予約してあり、例年ほど慌ただしく梅を買うこともないのかも…とも思っていたのである。

――だがしかし。
この週末、ふと気が向いて外出先への移動中にサイトを覗くと、九州〜四国の梅はもう出回り始め、梅酒やカリカリ梅に向いた青梅は既にピークを迎えつつあるようだ。通常の梅より収穫期の早い小梅も山梨・静岡産あたりはもうかなり出ている模様。
カリカリ小梅は昨年奈良県産の七折小梅を2kgほど張り切って予約購入し、3通りの漬け方でできあがりのカリカリ度合いを比較した。

これがまだ残っているので今年は漬けないつもりでいたのだが、「カリカリ梅用は今年はこれが最後の1kgです」との文言に欲深な私はつい反応。産地や実の大きさ、傷の有無等の基本的な情報に加えてわざわざカリカリ梅に適した分と明記くださるのは、きっと梅に思い入れがあり、信頼できる売り手の方なのだろう。そうした方とは、品物が良ければ今後もお取引をお願いしたい。
それに昨年漬けたのは奈良県産、今見ているのは山梨産。小梅と言えば甲州梅も捨てがたい…という訳で、ついつい購入してしまった。まだ今年の梅仕事の心づもりもできていなかったというのに、うっかり流れ開始の今年の初梅仕事。

届きました。
形といい色といいとても綺麗。注文後に収穫、中でも綺麗な粒を選別くださったそう。ありがたいなあ。

昨年買った梅よりもさらに固い(奈良より山梨の方が近いからでもあると思う)、まさにカリカリ梅向きの状態。粒は1cm強ぐらいのものが多い。

さっそく仕込み開始。基本は昨年同様の手順。
①まずは計量。それにより漬け込み用の塩(梅の重量の10%が目安)を用意する。今回は小梅1,021gなので天然塩102gを用意。

洗うと水を吸うのでその前に計量しましょう

②梅を洗い、2時間程度浸水してあく抜き(小梅の場合は1~2時間が最適。長過ぎると梅が余分な水を吸ってカリカリにならない)。梅を洗っているととても良い香りが漂う。完熟梅とは違った良い香り。こうした香りを楽しめるのは梅仕事の醍醐味のひとつである。
③ざるにあけ、30分ほど乾かしてから(この間に梅から余分な水が排出される)、ペーパーで軽く湿り気を拭き取りつつ楊枝でなり口を除き、そのなり口を中心に計量した塩をまぶして消毒したジッパー袋(私はホワイトリカーを霧吹きに入れ袋内に数回プッシュ)に入れて行く。

塩は今回「天日海塩」を使用

④昨年の実践結果から「梅パリ」(カリカリ梅の素。にがりと同様の成分、塩化カルシウム・塩化マグネシウム・クエン酸を含む食品添加物。添加物に抵抗のある方は卵の殻や天然にがり等をご利用ください)を使うのが最適と判断。梅パリはスーパー等の他、ヨドバシの通販でも扱っています。

昨年の画像です

残りの塩と、梅1kg用として30ccの梅パリを共にジッパー袋に入れて一旦袋をとじ、袋の上から全体をやや大胆に転がすように揉み、塩と梅パリが梅一粒一粒に行きわたるようにする。梅全体が濡れた感じになるのが目安。それから袋の中の空気を抜いてしっかりファスナーを閉じ、梅の半分ぐらいの重量の重石(ペットボトルでも皿でもなんでも可)をかけて冷蔵庫へ。梅酢が上がるまでの間は常温に置く漬け方も散見されるが、カリカリを保つには常時冷蔵が最も効果的なので私は冷蔵庫。
梅酢が十分出て来るまでは半日おきくらいに様子を見て1~2度上下を返す。2日以内に全体が浸っていれば次の段階へ。

⑤そう、昨年は塩漬けで完成としたが、今年はこの後赤紫蘇を加えて赤いカリカリ小梅にするつもり。既に赤紫蘇も買って来たので入れるのが楽しみ!

梅酒や梅ジュース等、青梅を使った梅仕事がお好きな皆さんはきっと今頃お忙しくされていることと思う。私は完熟梅の出て来る来月が本格稼働、さらにその後収穫の遅い東北の梅でも漬ける予定なのでついのんびりしてしまっていた。もう梅仕事が始まるんだなあ…。気合を入れ直さなくては。
というわけで、2025梅仕事スタートです!


いいなと思ったら応援しよう!