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#93 【どこまでが労災?】えっ、これも労災?過去問から学ぶ「業務災害」の意外な境界線

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「仕事のあとに着替えて階段を降りているときのケガって、労災になるのかな?」 「作業中に私物を取りに行く途中で事故に遭ったら、それは自己責任なんだろうか……」

働く僕たちにとって、万が一のときの強い味方である「労災保険(労働者災害補償保険)」。

実は、僕が現在勉強している社労士試験の科目(労災保険法)で、過去問を解いていて「えっ、これも業務中の災害として認められるんだ!」と、改めてその範囲や基準の深さに気づかされる面白い問題に出会いました。

今回は、受験生の視点から「なるほど」と納得した4つの具体的な過去問の事例を振り返りながら、法律が定める「業務災害」の本当の基準について、復習メモとして等身大に整理してみたいと思います。

1. そもそも「労災(業務災害)」の基準ってなに?

具体的な事例を見る前に、まずは法律上の大前提をサラッと確認しておきたいと思います。

仕事が原因でケガをしたときに認められる「業務災害」には、受験生お馴染みの超重要となる2つの物差しが存在しています。

  1. 業務遂行性(労働者が会社の支配・管理下にあること)

  2. 業務起因性(業務が原因となって災害が発生したこと)

簡単に言うと、「会社の管理している時間や場所で起きたことか」「そのケガは、仕事とちゃんと関係があるのか」という2つの条件が揃って初めて、国は「これは業務災害(労災)ですね」と認めてくれるのですね。この物差しを持ったまま、次の少し意外な過去問の事例を見てみると、法律のロジックがとてもスッキリ見えてきます。

2. 過去問で出会った「業務災害」とされる4つのリアルな事例

過去問のなかで、一見すると「私的な行動じゃないのかな?」と迷ってしまいそうなのですが、実はすべて「業務災害(労災)」として認められる事例がこちらです。

① トラックの整備とタバコ

**事例:**仕事で使うトラックの整備中、ガソリンタンクの掃除をした直後、職場の喫煙所でタバコを吸うためマッチに点火した瞬間、服にしみ込んでいたガソリンに引火してやけどを負った。

タバコを吸う行為自体は私的なことですが、「仕事で使う車の整備」という業務に付随する行為であり、会社の敷地内(喫煙所)での出来事です。業務に伴う危険がそのままやけどに繋がっているため、業務災害と認められます。

② 作業終了後の階段での転落

**事例:**工場の作業終了後に終業の報告を済ませ、班長に挨拶をして職場を出て、工場の階段を降りる途中で足を踏み外して転落し負傷した。

仕事自体は終わって挨拶も済ませていますが、まだ「工場の建物から出る途中」です。会社から外へ出るための合理的な行動の範囲内であれば、まだ会社の管理下にあるとみなされるのですね。

③ 私物のメガネを取りに行く途中

**事例:**勤務時間中に作業に必要な私物のメガネを自宅に忘れたことに気づき、上司の了解を得て、家人が工場まで届けてくれた。そのメガネを工場の門まで自転車で受け取りに行く途中で、運転を誤り転落して負傷した。

私物のメガネではありますが、「作業にどうしても必要なもの」であり、さらに「上司の了解を得て」工場の敷地内(門まで)を移動しています。完全に会社の管理下での行動として扱われます。

④ タイムカード打刻後の更衣室からの帰り道

**事例:**退勤時にタイムカードを打刻し、更衣室で着替えを済ませて、事業所施設内の階段を降りる途中、ズボンの裾が靴に絡んで足を滑らせ、階段から落ちて腰を強打し負傷した。

ここが試験の大きなひっかけポイントなのですが、これは「通勤災害」ではなく「業務災害」になります。タイムカードを押し、私服に着替えた後であっても、まだ「会社の施設内」から退出する途中だからです。一歩でも敷地を出ていれば通勤災害のスタートになりますが、敷地内での転倒は業務災害になるという、非常にクリアな境界線ですね。

3. なぜこれらがすべて「業務中」になるのか

一般企業の会社員の方や現場で働くスタッフさんからすると、「自分の不注意だし、着替えも終わっているから労災なんて申請しちゃダメだよね」と、最初から諦めて健康保険(普通の保険証)を使ってしまうケースがとても多いのかもしれません。

ですが、こうして法律の物差しを丁寧にあてはめてみると、国は「まだ会社の敷地内にいる間や、上司の許可を得て仕事に必要な準備をしている間は、しっかりと会社(業務)の責任の範囲内として守りますよ」という、とても強いセーフティネットを敷いてくれていることが分かります。

タイムカードの打刻や私的なタバコといった表面上の行動だけで切り捨てるのではなく、その場所や原因がどこにあるのかをロジックで追いかける視点は、受験生としても、一人の労働者としても非常に大きな気付きになりました。

おわりに

今回は、僕自身の復習も兼ねて、意外と迷いやすい「業務災害の具体的な境界線」について整理してみました。

一見するとグレーゾーンに思える身の回りのケガですが、その裏側には「業務遂行性」という法律の確固たる基準があり、僕たちの働く日常をしっかりと囲ってくれています。

まだまだ勉強中の身ですので、実際の現場ごとの細かい個別判断をここで断定することはできません。ですが、こうして過去問の具体的なストーリーを通して知識の輪郭をハッキリさせていくことこそが、本試験のひっかけ問題を見抜くための確実な武器になるのかもしれないな、と感じています。

みなさんの職場では、タイムカードを押したあとの「施設内でのハプニング」、正しく守られているでしょうか?

今日もお仕事、そしてそれぞれの目標に向けた学びの時間、本当にお疲れ様でした!


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