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【創作大賞作品】わが家のキャリー事件


先日、わが家で事件が起きた。事件と言っても、犯人は私である。ただし共犯がいる。共犯は現在、私の膝の上で寝ている。

説明しよう。わが家には犬が二匹いる。ブラックタンのバンビは、いたずらの才能に恵まれた犬である。留守番をさせると何をしでかすか分からないので、出かけるときはキャリーに入ってもらうのが決まりだ。もう一匹のルルは、お留守番の優等生。部屋の中を自由にさせておいても、何も問題がない。バンビはキャリー、ルルはフリー。この体制で、わが家の留守番はずっとうまく回ってきた。

その日、私は急いでいた。バタバタとバンビをキャリーに入れ、バタバタと家を出た。ここまではいつも通り、のはずだった。

八時間後。家に帰ると、様子がおかしい。いつもなら玄関まですっ飛んでくるルルが、出てこないのである。

「ルル?」

返事がない。ベッドの下をのぞいても、いない。私の心臓がだんだんイヤな音を立て始めた頃、ふとバンビのキャリーが目に入った。

開けた。

二匹いた。

あの狭いキャリーの中に、バンビとルルが、ぎゅうぎゅうに、二匹。八時間。二匹とも、ちぎれんばかりに尻尾を振っている。八時間閉じ込められていた者の尻尾ではない。

呆然としながら、私は事件を再構成した。
おそらく、こういうことだ。ルルはあの日、私が出かける前から、キャリーの奥のほうで先にねんねしていた。

そこへ急いでいた私が、何も気づかずバンビを入れ、扉を閉めた。
つまり犯人は私で、第一発見者も私で、そもそも現場に先に入っていたのはルルである。お留守番の優等生は、優等生すぎて、静かに入っていたのだ。せめてひと声、鳴いてくれてもよかったのではないか。

そういえば、犬というのは不思議な生き物で、広い部屋を自由に使っていいと言っているのに、なぜかわざわざ狭いところで寝たがる。ルルにとってあの八時間は、災難ではなく、妹とぎゅうぎゅうの、まんざらでもない八時間だったのかもしれない。

いや、それは飼い主に都合のよすぎる推理である。

その晩、私はルルを膝にのせて、いつもより長く抱っこした。するとバンビが寄ってきて、膝の上の座席争いが始まった。八時間ぎゅうぎゅうで一緒にいたくせに、まだくっつき足りないらしい。判決は出ている。有罪、私。刑罰、抱っこ無期限。膝は当分、満席である。


そして現在のルルとバンビの様子は…


ルルは——レタスの間にぴったり収まって、本人がソーセージ役。まさに『ホットドッグ』、完成しています。

バンビは、片手(片足?)をパンの縁にだらーんと乗せて、完全にくつろぎのプロの寝相です。


膝も満席、ホットドッグも満席。わが家の一等地は今日も争奪戦です😊



はじめましての方は、こちらでご挨拶しています。

https://note.com/fair_beetle800/n/na00ef7f7fc1c


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