#2【INTJ、フランスへ行く】1日目:ディズニーを知らない青年と、消えた「お守り」の謎。【前編】
医師Webライターの「わたゆき」です。
2025年9月に訪れたフランス旅行の思い出を、旅エッセイとして綴ります。
当時の熱量をそのままに、一歩ずつ振り返っていこうと思います。
語りたいことがあまりに多く、一編に収めるにはいささか分量が過ぎました。そこで、記憶をいくつかの章に分割してお届けすることにしました。
もし「続きが気になる」と思っていただけたら、「スキ」を押していただけると、執筆の大きな動力源になります。
1.到着ゲートの困惑と「コロンビアの青年」
20度の国にやってきました。到着が13時だったので実際はそこまで寒く感じませんでした。コロンブスだけではなく、きっと飛鳥時代の遣隋使も、未知の国を前にこんな気持ちでわくわくを隠せなかったことでしょう。いつの時代も新しい国に行くというのは心が躍るものです。当時の大国「隋」に対して、あろうことか「日が沈む国」なんて上司である聖徳太子の手紙を、プレゼンさながらにそのまま読み上げちゃった小野妹子も、一歩間違えれば打ち首ものだったはずです。昔は海を渡るにも、異国で対話するのも命がけでしたが、現代は先人たちの功績のおかげで安全な旅ができます。私はついにその一歩を踏み出したのです。そろそろ頻脈で心不全になりそうです。
到着ゲートを出たらば私たちは芸能人かと勘違いするくらい出迎えの人がこちらを見ていました。たくさんの人がプラカードをもってお出迎えしていただけたのです。さすが、観光客世界一。実をいうと私たちもエミレーツのオプションでホテルまでのタクシーを予約していました。タクシー乗り場に行けばいいのかと思い「タクシーの標識」を辿り、タクシー乗り場に来ました。他の予約タクシーはいるものの、私たちの予約したであろうタクシーが見当たらず、ターミナルをぐるぐる回っていたらエミレーツ航空のチェックインカウンターを発見し、予約していたタクシーはどこか確認しました。友人がね。
そうしたら、エミレーツの陽気な紳士が案内してくれました。「どこから来たの?日本?アニメいいよね!『北斗の拳』が好きだよ」とのようなことを話していました。そういえば、フランスって日本アニメが人気なんだっけ。しかし『北斗の拳』とは時代が40年くらい違うかも。
紳士が案内してくれたのは、なんとはじめの到着ゲートでした。気づかなかったけど、大勢のプラカードを持っている人の後方にエミレーツ航空のスーツ着たタクシードライバー達が客の名前のプラカードもっていました。なんて無駄足をとってしまったのでしょう。
私たちのタクシードライバーさんは明らかに20歳くらいの若者でした。エレベーターで駐車場におり、荷物を車に積んでくれました。タクシーの中にはご自由にどうぞと水がありましたが、飛行機からペットボトルを持ってきていたので手を付けませんでした。運転手の青年が「コロンビア出身なんだ」と言っていました。「コロンビアと言えばコーヒーが有名だね」と精一杯のコミュニケーションをとってみました。コロンビアを知っていると答えると青年はとてもうれしそうに笑ってくれました。「エスメラルダが有名だよ」と教えてくれたけど、私は『ノートルダムの鐘』のエスメラルダしか知らなかったので、何のことか分かりませんでした。「石だよ」と教えてくれました。さっきの紳士がアニメが好きだと言っていたので「日本のアニメは知ってる?」と聞いてみたけど知らないとのことでした。青年が「観光できたの?どこに行くの?」と聞いてきたので、モン・サン=ミシェル、ルーヴル美術館、それからディズニーと答えました。
「モン・サン=ミシェルにはどうやって行くの?」と青年が聞いてきたので「ツアー」と答えたら、全然通じなくてお互い疑問符だらけだったけど、「ツール?トレイン?」と青年が繰り返していたので途中で「ツール」ってツアーのことかと気づきました。「ツール・ド・フランス」のツールか。青年は英語で話してくれましたが、フランス語がまじっていたんですね。先ほどの謎の石、エスメラルダとはエメラルドのフランス発音でした。
「ディズニーってなに?」と青年が聞くので「ディズニーランド、知らない?」と言ってみたけど「知らない」らしい。YouTubeでディズニーランドは人気ないと予習していたけど、なんと、フランスの人はディズニーを知らない人がいるんですね。日本でもディズニーランド行ったことがない人はいても知らない人はほとんどいないと思います。わー、びっくり。日本人はディズニー行ったことあるないで心を痛めている小学生も多いというのに。
ディズニーの映画の『ノートルダムの鐘』のヒロインはエスメラルダだよって教えたらちょっと興味を持ってくれました。きっと20歳くらいでコロンビアからきてエミレーツ航空という大手に就職して稼ぐことに一生懸命でアニメーションをみる余裕なんてないのかもしれません。勝手に背景を想像してしまったけど、単に興味が本当にないのかもしれません。
まさかのディズニー知名度ゼロ。幸先の良い(?)波乱の幕開けとなったパリ初日。この後、私たちはさらに『パリの洗礼』を受けることになります。……中編へ続く。
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