見出し画像

ほのかちゃんに ほのかに恋して♥ー11ー

初回からはこちら⬇各回の終わりにその次の回の貼り付けがしてあります。

前回こちら⬇


「別れよう……」

ほのかちゃんの髪が、さあーっと風に揺れ、僕の言葉を流しているようだった。
けれど、ほのかちゃんの中で、その言葉は、重く淵に沈んでいったようだ……。

その別れの言葉を伝える迄の1ヶ月間、僕は僕なりにもがいていた。でも、どうしようもないのだ。
自分を偽っている……、けれど、一度敷いたレールはなかなか修整がきかなかった。

「はあっ!?新田浩之の野郎!!」
ほのかちゃんの女子高では、薫さんが素っ頓狂な声をあげていた。
「なんで、ほのかを振るのよ!?」
怒り心頭。
「………、もう背伸びするの疲れた、って」
「はあーーっ!?」
「あとは、わかんない」
哀しむほのかちゃん。薫さんは納得いかない顔で見ていた。


僕はまた、校門のところですっ転んだ。
ここは、僕のすっ転び要注意ポイントだ。よく事故に遭う。
……今日は、なかなか立ち上がれない。
ああ、心の傷も痛むのだ。
「ほのかのほうが、よっぽど痛むけん」
……聞き覚えのある声が……。
「ほのかの心は、イタんどる」
いつの間にか僕の眼前には、薫さんが仁王立ちしていた。じーっと僕を見つめている。
どうやら、僕は、知らずのうちに自分の心を声に出していたのか。それが、薫さんに聞こえていたらしい。
「ほのかは、傷ついとるけん」
僕は、ぱたぱたと膝を叩きながら起き上がり、マ○ロンを用意した。
「おい!新田ー!!」
薫さんになぶり○ロシにされても、構わない。
僕は、それだけのことをしたんだから……。
また、僕の口から出ていたらしい。
「は?」
薫さんは、つい引く。
「ほのかちゃんみたいな、お嬢さんと僕は釣り合わないよ」
今度は、ちゃんと声に出ていた。
「な、何を……」
「僕は、もう駄目だ……」
「は、は……はは……」
薫さんは、ひきつりだした。 
「そういうことだったの……」
薫さんは、ふーっと息をついて首をすくめた。
僕は、脚を捲くりあげてマ○ロンを塗り塗りしていた。
「そんなら、あんた、まだ ほのかのこと好きなんやね?」
僕は、座り込んでマ○ロンを まだぼーっと塗り塗りしている。
「好きなんやねーー!?」
薫さんのドスは鋭い。
「ひっ……!は、はい!!」
僕は、つい 答える。
「なら、付いてきい!」
(こ、怖い……)

薫さんは、僕を隣町の駅前のマ○ドナルドへ連れてきた。そこでは、様々な人ががちゃがちゃと動き回り、商品を買ったり、注文を受けたりしている。

「あ…………」

ほのかちゃんが居る。
マ○ドナルドの店員姿のほのかちゃんが……。

「ほのかは、アルバイト2件掛け持ちしてるけん。あの娘の家、貧乏なんよ」



              つづく

©2023.7.7.山田えみこ




いいなと思ったら応援しよう!