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世界遺産と「西洋建築史」① |ギリシア建築

はじめに

世界の文化と歴史を知るためには建築を知っておくことは不可欠です。
ヨーロッパ大陸を中心に展開された西洋建築は単なる一地域で起こった建築の現象にとどまりません。
これらを知ることで、建築の発展過程をつかむことができ、ヒトとモノの流動の歴史も見えてくると考えています。

また建築のオーダーと宗教、すなわちギリシャ神話、キリスト教とのつながりも見ることで、その宗教観を読み取ることができます。

キリスト教のなかでも、カトリックと正教会とで偶像崇拝の価値観の違いなどから大きく建築が異なり、教会の立場を詳らかにしています。
建築を知ることで離散的に見える世界史が連続的なものとして見えるようになることを願っています。

ギリシア建築

古代ギリシアの歴史概説

ギリシア人は、各地にポリスを建設し高度な都市文明を営んできました。
ポリス形成前にはギリシアの地には未開であると信じられていました。

しかし、ホメロス『イリアスIlias』の記述を信じたシュリーマンSchliemannは空想と信じられてきたそれが実在すると信じて発掘を行い、ミケーネ文明の発見者となりました。

それが「ミケーネとティリンスの考古遺跡」として世界遺産に登録されており、アガメムノンのマスクがよく知られています。
このミケーネ文明は紀元前12世紀に「海の民」に滅ぼされるまでの間栄華を築いていました。
シュリーマンが発掘した遺跡として、世界遺産「トロイアの考古遺跡」も有名です。
かのトロイア戦争が起きた地であり、それよりもはるかに前の遺物も出土しています。

ポリス形成後、「アクロポリスacropolis」「アゴラagora」という重要な領域が生まれました。
祭祀の場所として前者を、政治や経済活動の場所として後者がそれぞれ位置づけられました。

ギリシア建築の特徴

ギリシア建築の真髄は、その神殿建築にあり、「オーダー」という古典建築の根本的ルールを築きあげました。
ヨーロッパ建築の起源ともいえる建築様式で、紀元前8世紀頃は木造であったといわれています。

柱周りなどの細分の装飾や黄金比を用いたデザインが特徴です。
柱の形状によって、現れた時代順に、ドーリア式(画像上)、イオニア式(画像中)、コリント式(画像下)が完成しました。

ギリシア建築の柱頭


ドーリア式はエンタシス(膨らみ)をもつ形式で、
「アテネのアクロポリス」のパルテノン神殿や、
古代オリンピックで知られる「オリンピアの考古遺跡」のゼウス神殿が代表的です。

イオニア式は渦巻き型の柱頭をもつ形式で、
「アテネのアクロポリス」のエレクテイオン神殿に代表されます。

コリント式は植物の葉(アカンサス)の模様をもつ形式で、
「ヴァッセのアポロン・エピクリオス神殿」に現存最古のコリント式柱頭が見られます。
しかし、コリント式はギリシアでの例は少なく、一部で使われるのみでローマで大成されたとされています。

次回はローマ建築について解説します。
第2回はこちら↓


参考文献


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