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ヒトツボクロ

 ヒトツボクロは本州、四国、九州の林下に生える多年草で5月下旬から6月上旬に花をつける。地下には2~3個の偽球茎(バルブ)が連なり、秋に偽球茎の基部から新しい葉を出し越冬する。葉は卵形で縁は小さく波打ち、葉の中心に沿って白い筋が入る。葉の裏は赤紫色。葉の基部から花茎を立ち上げ薄紫色の花を総状につける。花は6mm前後と小さく萼片と側花弁は細長く基部が狭くて先端は丸い。唇弁は卵形で全縁または3裂し、細長い距を後ろに突き出す。花後に葉は枯れその基部に新しい偽球茎が形成される。新しい偽球茎から秋に越冬葉を出す。
 環境省の記載はないが、九州5県で絶滅危惧I類、大分県絶滅危惧II類にランクされている。

 ハエやガが花粉を媒介するとされているが、このような小さな花でもパートナーがいることに驚かされる。小さなハエとしてはショウジョウバエが考えられるが蜜を目当てに集まるとしたらこの細長い距からどのようにして手に入れるのか疑問だ。ガについてはチョウと同じように長い口吻を有するため容易に蜜を得られるだろう。
 非常に小さな花でピントが合わせにくく花茎も細くて少しの風でよく揺れるため撮影には苦労する。

 今回は三郡山系で撮影。


ラン科 ヒトツボクロ属
 ヒトツボクロ Tipularia japonica

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