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愛器#03: Valley Arts Mシリーズ Standard 2(1990年製)

*注) 愛器#は手持ちの中で入手の古い順に付けています

自分の当時のこだわりが詰まっているセミオーダーで、一番思い入れのある1本。
1990年5月23日、イシバシ楽器 ロックサイド(現御茶ノ水本店)にてセミオーダー(選択)購入。
*奇跡的に保証書が残っていた。

保証書のスペックではValley Arts VA-II(Standard 2) TB(Trans Blue) EMG SSHと記されている。



指板のインレイは最近貼ったインレイシール

購入経緯

それまで使っていたFernandes FST-145SLルカサーモデルは、方向性としては私の求めるものに近いギターでした。しかし、21フレットという点だけは、ずっと自分の中で妥協し続けていました。

そこで22フレット仕様で、自分に合うギターを探し始めます。

当時は、Fender JapanのPro-Feelシリーズも有力候補でした。Floyd Rose OriginalトレモロにLace Sensor、あるいはDiMarzioピックアップを搭載したモデルを購入寸前まで考えたほどです。

そんな頃、憧れの存在だったValley Arts Japanから、比較的手の届きやすいMシリーズが発売されました。本家のハイエンドモデルは60万円を超える価格帯でしたから、私にとっては現実的な選択肢となったのです。

そして、その中で目に留まったのがトランス・ブルー。
カタログでも気になっていましたが、決定打になったのは別スペックの実機でした。深く落ち着いた青の中に、うっすらと杢目が浮かぶその姿を見た瞬間、「これだ」と思いました。

さらにマッチングヘッドだけでなく、ネック裏まで同色で塗装されていて、まるで全身タイツのようなギター(笑)。

光の当たり方によっては少し紫がかった表情を見せる、その絶妙な色合いにも惹かれました。

さらに、ローズウッドではなくエボニー指板だったことも大きなポイントです。愛用していたIbanez AR300AVと共通する仕様だったこともあり、自然と心が傾きました。

Fender Japanにはないこのボディカラーを選ばない理由はありませんでした。

ボディカラーを決めた後は、ハードウェアをゴールドで統一し、EMG SA / SA / 81、Floyd Roseトレモロユニットなど、好みの仕様を選んで組み上げてもらいました。

m Series designed by Michael McGuireの
刻印のあるマッチングヘッド

基本仕様:

*セミオーダーなので一部仕様が異なります

製造国:日本製(朝日木工?)
シリアルナンバー:VA311
ボディ:
 ホワイト・アッシュ
ネック: メイプル、ボディと同色カラー(TB)で塗装
ネックグリップ:ルカサー・グリップ
ヘッド:
マッチングヘッド
ペグ:Valley Artsオリジナル・シャーラータイプ
指板:エボニー(インレイは後年インレイシールを貼った)
フレット:22フレット
ジョイント:ボルトオン
スケール:25.5inch
ピックアップ:EMG SA/SA/81
コントロール:ボリューム、トーン各1、ブラスドームノブ(ゴールド)
ブリッジ:Floyd Rose Original(ゴールド)
*ブリッジ部分にザグリは無し
フィニッシュ:Nitro-cellulose lacquer(硝化綿ラッカー)
カラー:TB(Trans Blue)
*太字がオーダー(選択)部分。

ルカサー・ネックもボディ同色カラーで塗装
キャビティカバーにはBig Birdのステッカーを購入当時貼った

良き点

  • ルカサーグリップが握りやすい

  • ネックジョイント周囲ホーン部分のコンター加工によるハイフレットへのアクセス

  • 22フレット(Fernandes FST-145SLの21フレットに限界を感じていた)

  • エボニー指板のタッチがIbanez AR300AVと似ている

  • EMG特有(?)のロングトーンでの倍音が気持ちよい

  • ネックジョイント周囲のホーン部分のコンター加工

  • ピックガードのピックアップアッセンブリーが赤いスナップを介してジャックへ接続されているため、ゴッソリ外れて電池交換が少し楽

悪しき点

  • 9V乾電池P-006がボディピックガードを外さないと交換できない(バッテリー用のザグリ加工有り)

  • Nitro-cellulose lacquer(硝化綿ラッカー)塗装のため、ギタースタンドで溶けた

  • ボディのホワイト・アッシュが重い

  • ゴールドハードウェアの経年劣化が激しい

その他

1992年にはS2シリーズとなっていくようです。
また1992年のS2ではブリッジ周りにザグリ加工が施されています。
私のStandard 2にはザグリ無し。

また、1992年S2は確認できませんでしたが、1994年には9V乾電池P-006のスペースがボディ裏に移設され、トレモロキャビティカバーとバッテリーボックス用の蓋があります。
私のStandard 2には無し。電池交換が不便です。

ネックポケットとネックにValley Arts Guitarの焼き印があります。

ネックポケットとネックに印字

ピックアップ

ピックアップはValley Artsオリジナルの"Caliber"ではなく、Steve Lukatherを真似てEMGピックアップを選択。
私はSA / SA / 81。EMG85やEMG89の選択肢もあったのですが、81を選びました。

コントロールは割り切ってボリュームのみの選択肢もありましたが、様々なジャンルの曲に対応できた方が良いかと、ボリュームとトーン各1に落ち着き。

EMG SA / SA / 81のSSH
9Vバッテリーはピックガード下のキャビティ内に収納
アッセンブリーは赤いスナップを介してジャックへ接続

動作不良・リペア

オリジナルの状態で35年以上もトラブルフリーだったのですが、今年の年始にフロントPUしか音が出なくなりリペアに。
なにせ古いヴィンテージなEMGアクティブPUなので、動作不良かと思いましたが、運良く5wayセレクターに接触不良が原因。
新しい5wayセレクタースイッチに交換して無事復活しました。

突然接触不良を起こして交換した5wayスイッチ
(2026年1月)

ストラップ/ストラップロック

ストラップは一緒に購入したValley Artsオリジナルのレザー・ストラップ。
ストラップロックはお気に入りのSchaller Security Lock(旧型)のゴールド。

ストラップはValley Artsオリジナルのレザー
ストラップピンはゴールドのSchaller Security Look(旧型)

ボディカラーとコンター加工

とにかくトランス・ブルーが良い。
ベッタリ塗装で無く、透け感がある。
間近でよく見たり光があたったりしないと気付かないかもしれないが、しっかりと杢目が透過して見える。

ネックジョイントは普通のボルトオンだが、ハイフレットが弾きやすいようにボディにコンター加工が施されている。

シリアルナンバーはネックプレートへの刻印では無くヘッド裏に刻印されている。
ゴールドのネックプレートにはValley ArtsのロゴとM Seriesの刻印。

ボディ裏の右下付近の塗装がギタースタンドによるダメージ(溶け)を受けている。

(上)ボディの杢目の確認のため光を反射させた
(下)上下ホーン部を含めたコンター加工

Valley ArtsとGibson

そういえばValley Arts Guitarのひとり、Mike McGuireは1992年にGibsonのカスタムショップに転職したんだよね。2002年にはGibsonがサミック社からValley Artsブランドを買収して小さなストアを開設。
2016年以降は完全に事業停止。

Gibsonは持っていないと言ってはいるけど、多少の縁はあるということかな?

謝辞

このギターへの愛が深すぎて長文になってしまいました。
申し訳ありませんでした。
でも本当に愛すべき1本なんです(笑)


最後までお付き合いただきありがとうございました。
それでは、また。

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