愛器#15: Ibanez ARC300 DVS(2006年製)
*注) 愛器#は手持ちの中で入手の古い順に付けています
今年(2026年)の年始、「もうギターを増やすことはないだろう」と本気で思っていました。
……少なくとも、その動画を見るまでは。

購入経緯:
その動画は『Kramer Assult 220を手放さなければ良かった』という内容。
Kramer Assault 220は、手頃な価格帯ながらLes PaulスタイルのボディにFloyd Roseタイプのトレモロユニットを搭載したモデルです。まさに、若い頃に憧れていた仕様そのものでした。
さっそくネットでKramer Assault 220を探し始めたのですが、そこで思いがけず目に飛び込んできたのが、Ibanez ARC300 DVSでした。
トレモロユニットもなく、最初に手にしたIbanez AR300 AVとも雰囲気は違う、どちらかと言えばシンプルなモデルです。
しかし、調べてみると2006年から2007年までの約1年間しか製造されなかった希少なモデルで、当時の定価は55,000円。
その個体は38,000円でオークションに出品されていました。
決して「安い!」という価格ではありません。それでも、
・ファインチューナー付きテールピース
・約1年間という短い製造期間
・Les Paulスタイルのシングルカッタウェイ
これらの要素が気になり、なかなか頭から離れませんでした。
掲載期間が終了しては再出品されることを何度か繰り返していたので、思い切って出品者へ問い合わせてみました。
すると、「トグルスイッチに不具合があるかもしれない」とのこと。
ただし都内での直接引き取り限定で、その場で動作確認を行い、問題があればキャンセルしても構わないという条件でした。
それなら多少時間を使っても大きなリスクはありません。仮にトグルスイッチが故障していても、ピックアップやポットと合わせて交換し、PUSH/PUSH式のコイルタップ仕様へ改造するのも面白そうだと考えました。
「もし誰も入札しなければ、自分が買おう。」
そう決めて見守っていると、結局最後まで入札者は現れず、終了間際に入札。そのまま落札となりました。
引き取り当日、手持ちのギグバッグを持って現地へ向かい、まずは現物を確認。
目立つ傷はほとんどなく、状態は想像以上の美品でした。
心配していたトグルスイッチも問題なく動作。
そして何より、このスタイルのギターは私のコレクションでは初めてでした。
Ibanez AR300 AVの隣に並べると、まるで姉妹のような佇まい。その光景を見ただけで、この一本を迎えて良かったと思えたのです。

購入に当たって決めていたこと:
入札競争はせず一発必中¥38,000
完動品であること ≠ ジャンク
オリジナル状態の維持
現物確認でダメな点を短時間で見出すこと
ダメな場合はキャンセルを申し出ること
現状:
特にボディトップのような目立つような場所に打痕や傷はなく、ボディサイトとボディバックに擦り傷や小さな打痕がある程度
ペグもガタつきは無くスムーズに動作する
懸念されていたトグルスイッチには問題なし(*たぶんフロントとブリッジのボリューム操作によりピックアップの音が出ないという勘違いを起こしていたと推察)
印象:
同じArtistシリーズの仲間ではあるものの、1980年製のイバニーズ時代のAR300 AVと、2006年製アイバニーズのARC300 DVSは、まさに「似て非なるもの」です。
同じArtistシリーズでも、約26年という時代の違いが、その設計思想の違いとして表れているように感じます。

ARC300 DVSはボディ全体が薄く、重量も軽め。Les Paulスタイルでありながら、ショルダーやホーンの丸みには独特の個性があります。

また、ペグはロック式ではありませんが、テールピースにはファインチューナーを装備。この仕様を生かしつつ、ペグだけロック式へ交換するのも面白いかもしれません。

スペック:
製造国:中国(韓国サミック工場?)
製造年:2006年
ボディタイプ:ソリッド / シングルカッタウェイ
ボディトップ:フレイムメイプル(トップ材)
ボディバック:マホガニー
ネック:1ピース マホガニー(セットインネック)
指板:ローズウッド(バインディング付き 22フレット)
インレイ:アバロン・ブロックインレイ
スケール:628mm(ミディアムスケール)
ピックアップ:
ネック:Ibanez ACH1(H)
ブリッジ:Ibanez ACH2(H)
コントロール:
*リセスト・ノブ(Recessed Knob)加工
2ボリューム、1トーン、3-wayピックアップセレクター
ブリッジ:Gibraltar III(ギブラルタル III)
テールピース:Quik Change Ultra
カラー:DVS (Dark Violin Sunburst)
シリアルナンバー:ヘッドストック裏にシール貼り


キャビティカバーはプラスチックで少々安っぽい(AR300 AV比)
入手後:
クリーニング&調整:
ボディ:クリーナーでクリーニング
フレット:クリーニング
指板:オイル添付
ハードウェア:メッキ部クリーニング
ファインチューナー:一部固着があったので556でクリーニング
変更点:
ノブ:シェル模様のブラックに変更
トグルスイッチ:スイッチ部分をシルバーメタルに変更
エンドピン:Schaller Security Locks互換のParksons PSL-700N(Nickel)に変更
ストラップ:レザー系のストラップ(Perri's P25-184 BROWN)

ノブをシェル模様のブラックに交換

その他:
トグルスイッチの動作不良?
『音出し確認済み』との説明文はありましたが、問い合わせをした際に
『フロントの音は出るがリアとミックスの音が出ない。トグルスイッチの動作不良かもしれない』
との返信があったのですが、現物確認の際には両ピックアップ、全てのポジションで音出し確認ができました。
1980年製AR300 AVと2006年製ARC300 DVSではミックスポジションでの各ピックアップのボリュームコントロールの動作が違います。
これはまた別の話にしようと思います。
最後までお付き合いただきありがとうございました。
それでは、また。
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