立憲民主党、どこと組んでも泥舟〜野党共闘崩壊の足音〜
立憲の混乱、総選挙に向けて
高市早苗首相が衆院解散を決断した。1月23日召集の通常国会冒頭で解散し、27日公示、2月8日投開票。解散から投開票まで16日間は戦後最短となる。内閣支持率70%超。野党に準備の時間を与えない「抜き打ち解散」だ。
自公連立の終焉
26年間続いた自公連立は2024年衆院選後、2025年10月に終わった。公明党は連立を離脱し、自民党は日本維新の会と新たに連立を組む。野党に転落した公明党は、立憲民主党との接近を模索し始めた。
立憲の野田佳彦代表と公明の斉藤鉄夫代表は1月12日に会談。次期衆院選に向けて「より高いレベルで連携」することで合意した。立憲は公明現職のいる広島3区、東京29区、兵庫2区、兵庫8区の4選挙区で候補擁立を見送る方向だ。
翌13日付で安住淳幹事長名義の通達が各都道府県連に出された。公明党の県本部代表、国会議員、さらには創価学会の責任者に直接面談を申し入れ、総選挙での支援・協力を要請せよ、と。「今回の選挙戦はかつてない短期決戦です」という文言が、立憲の焦りを物語っている。
「一泡吹かせたい」
野田代表は会談後、記者団にこう語った。
「やっぱり高市総理に一泡吹かせたいなっていう思いの強さは感じました」
これが批判を呼んだ。「国民のためではなく一泡吹かせるために連携するのか」「なんで政局の話ばかりするのか」。立憲支持層からも呆れの声が上がる。政策ではなく政局。その姿勢が露呈した瞬間だった。
共産党は反発を強めている。党幹部は「立民との協力は難しくなる」と釘を刺した。共産党と創価学会・公明党は歴史的に犬猿の仲だ。立憲が公明と組むなら野党共闘は崩壊する。かといって共産と組み続ければ「立憲共産党」と批判され、中道層が離れる。
八方塞がりである。
どこと組んでも泥舟
公明票は「魔法の杖」と呼ばれてきた。各選挙区で1万〜2万票。接戦区ではこれが勝敗を分ける。ある試算では、公明票がなければ自民党の40人以上が落選していた可能性があるという。公明が立憲支持に回れば「自民が2割減り、立憲が2割増える」との見方もある。
立憲がこの票を手に入れられれば、確かに大きい。だが「手に入れられれば」の話だ。
「立憲だけは絶対にない」という声は学会員の間で根強い。政策的にも両党の違いは大きく、選挙協力が実効性を持つかは不透明である。統一教会問題で自民を批判していた立憲が、創価学会・公明党と組む。この矛盾を指摘する声もある。
一方、国民民主党の玉木代表は「各党等距離」を掲げる。自維連立には参加しなかったが、12月には自民と「年収の壁178万円」で合意。連立一歩手前まで接近している。立憲との野党共闘に戻る気配はない。10月の野党3党首会談では、安保法制について立憲が「違憲部分がこれから見つかるかもしれない」と主張したのに対し、玉木代表は「国政を担う政党としてはなかなか厳しい」と突き放した。
立憲の根本的な問題は「何をしたい党なのか」が見えないことだ。安保法制の基本姿勢は2015年から10年経っても定まらない。原発は「ゼロを目指すが新増設は認めない」。公明と組んでも共産との野党共闘が崩れる。共産と組んでも中道層が逃げる。国民民主は自維側に接近しており、どこと組んでも矛盾が生じる。「反自民」「反高市」だけでは有権者の心は動かない。
野田代表には前科がある。2012年11月、党内をまとめきれないまま「近いうち解散」に打って出た。結果、231議席から57議席へ。4分の1に壊滅した。当時も「自爆テロ解散」と呼ばれた。
高市内閣の支持率70%超。戦後最短の選挙戦。準備不足の野党。
今回もまた同じ道を辿るのか。「華々しく散る」覚悟を決めているのかもしれない。巻き込まれる若手議員たちにとっては、災難というほかない。
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