中道改革連合の未来〜「選挙後に結論」が示す二つのシナリオ〜
1月24日夜、ニコニコ動画の党首討論。高市首相が野田共同代表に辺野古移設の立場を問うた。
答えは「沖縄県民の声をしっかり踏まえながら対応していく」。
福島みずほ氏が畳みかける。賛成か反対か。「慎重な立場」。百田尚樹氏が「慎重って反対ってこと?」と突っ込む。野田氏は同じ言葉を繰り返すだけだった。
翌25日、追い打ちをかけるように野田氏は言った。
「選挙が終わった後に結論を出したいと思ってます」
この発言、額面通りに受け取れば「選挙前に方針を示さない」という民主主義の否定である。だが別の読み方もできる。選挙後に何をするか、その布石ではないか。
二つのシナリオを考えてみたい。
シナリオA:選挙後に分裂
野田氏は最初から連立を維持する気がない。
5日前、安住幹事長は「立民が与党だった時には辺野古には賛成だったが、野党になったので反対してきた」と述べている。政策など最初からなかった。状況次第で変える。それが旧立憲の本質だと、幹事長自ら認めた形だ。
ならば今回も同じことが起きる。
選挙に勝てば、旧立憲の主張を復活させる。「沖縄県民の声を踏まえた結果、辺野古移設は見直す」。公明党は反発し、連立は崩壊する。
選挙に負けても同じだ。「公明と組んだのが失敗だった」と総括し、袂を分かつ。参院に残った立憲民主党と合流し、「元の立憲」に戻る。
野田氏が「選挙後に結論」と言ったのは、今は創価票が欲しいから黙っているだけ。票だけもらって、後は知らない。
このシナリオの結末は厳しい。創価票を失った旧立憲は、労組票だけでは戦えない。連合の組織率は低下し、若い組合員は上の言う通りに投票しない。社民党化、あるいは消滅。
公明党も無傷ではいられない。「裏切られた」という形になれば、次の連立相手を探すのは困難だ。自民には戻れない。維新とは水が合わない。創価学会の高齢化も進む中、孤立したまま衰退していく。
共倒れである。
シナリオB:存続、そして吸収
野田氏は「選挙後に結論」と言った。だが結論の中身は決まっている。
斉藤共同代表は「辺野古移設は日米基軸の安全保障政策の中で必要」と明言している。安住幹事長も「辺野古移設ストップは現実的でない」と述べた。党の方針は事実上の移設容認。野田氏が選挙後に出す「結論」も、これに沿ったものになる。
旧立憲の支持者は反発するだろう。だが野田氏はこう言えばいい。「沖縄県民の声を踏まえ、苦渋の決断をした」。2012年に首相として沖縄を訪問し、「辺野古が唯一有効な道」と言った人だ。言えないはずがない。
参院に残った立憲民主党も、いずれ合流を迫られる。衆院で中道が与党になれば、参院立憲は野党のまま取り残される。法案を通すには参院の協力が必要だが、参院立憲が別政党のままでは話にならない。
辻元清美氏は今日も中道改革連合の候補者の応援演説に回っている。参院立憲に残りながら、実質的には協力している。公に賛成とも反対とも言わず、流れに乗っている。蓮舫氏は既に賛成を表明した。
抵抗する議員は出ていくだろう。だが出ていった先に何がある。労組票だけでは選挙を戦えない。結局、残るか消えるかの二択だ。
このシナリオの結末は「おっきな公明党」の完成である。
比例名簿の上位は公明が独占している。政策決定権も公明が握る。旧立憲の議員たちは、創価票で当選し、公明の方針に従い、党内での発言権を失っていく。アイデンティティは消滅するが、議席は残る。
「立憲民主党」という名前は消える。理念も消える。だが政治家としては生き残れる。
どちらに転ぶか
毎日新聞の世論調査で、中道改革連合の支持率は12%に達した。立憲民主党と公明党の合算を上回る数字だ。
だが同じ調査で「期待が持てる」は17%、「期待できない」が52%。共同通信では「期待しない」が67%に上る。
支持はするが期待はしない。創価学会と労組の組織票が数字を押し上げているだけで、無党派層は冷ややかだ。
野田氏の「選挙後に結論」発言は、この構図を象徴している。政策を示さずに投票を求める。有権者を馬鹿にしているのか、それとも示せないほど党内がまとまっていないのか。おそらく両方だ。
選挙後、分裂するか存続するか。どちらのシナリオでも、旧立憲民主党のアイデンティティは失われる。分裂すれば社民党化、存続すれば公明党化。
2017年、「排除」に反発して立憲民主党は生まれた。枝野幸男氏が「まっとうな政治」と叫び、聴衆が拍手した。あれから9年。
「選挙が終わった後に結論を出したい」
これが、その党の代表の言葉である。
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とある地方都市の某外科医のひとり言
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