韓国が中国人ビザを緩和した本当の理由〜観光誘致の裏にある深刻な危機〜
2025年9月末、韓国が中国人団体観光客へのビザ免除を8年ぶりに再開しました。表向きは観光振興策ですが、実はこの政策、韓国が直面する三重苦から逃れられない現実を映し出しています。
表向きの目的は観光客の呼び込み
韓国政府は2025年9月29日から2026年6月30日まで、3人以上の中国人団体観光客に対してビザ免除措置を実施しました。8年ぶりの再開となります。
狙いは明確でした。10月初旬の中国国慶節連休に合わせた観光客の取り込みです。さらに10月末に韓国で開催されるAPEC首脳会議で習近平国家主席を迎えるにあたり、中韓関係改善の機運を高める意図もありました。
この発表を受けて韓国の観光関連企業の株価は軒並み上昇します。現代百貨店が7.1%、ホテル新羅が4.8%、カジノ運営のパラダイスが2.9%、化粧品メーカーのハンコック・コスメチックは9.9%も急騰しました。
でも、本当にこれだけが理由なのでしょうか。
経済停滞という本当の病
観光に頼らざるを得ない背景には、韓国経済の深刻な停滞があります。
2025年第1四半期のGDP成長率は前期比0.2%減。消費・投資・輸出という経済を動かす3大エンジンがすべてマイナスを記録しました。韓国金融研究院は2025年の年間経済成長率を0.8%と予測し、「事実上の停滞状態にある」と診断しています。
世界GDPランキングでも、韓国は2024年の12位から2025年には13位に転落する見通しです。名目GDPは1兆8697億ドルから1兆7903億ドルへと減少します。スペインに抜かれる形になります。
半導体輸出の減少、建設投資の縮小(5.7%減)、内需の不振、トランプ関税の影響。韓国経済はまさに四面楚歌の状態でした。
製造業の復活には時間がかかります。投資も集まりません。こうした中で即効性のある外貨獲得手段が観光業だったのです。ビザを緩和すれば比較的早く効果が出ます。
日本人観光客が来ない現実
韓国には深刻な問題がありました。日本人観光客の伸び悩みです。
2024年の訪韓日本人客数は約322万人。一方、訪日韓国人客数は約882万人でした。約2.7倍もの差があります。合計1200万人を超える日韓間の往来ですが、この非対称性が韓国側の大きな悩みの種になっていました。
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