安達結希くん事件・家宅捜索が意味すること 鑑別が絞られた日
4月15日、京都府警は安達結希くん(11)の自宅に、死体遺棄容疑で家宅捜索に入った。
午前7時ごろから捜査車両が次々と到着し、敷地内の道路幅をメジャーで測り、物置に入り、庭や木の写真を撮った。広範囲に規制線が張られた。
この記事はシリーズの続きだ。第1回(3月末)では防犯カメラに映らない足取りとリュックの不自然さを、第2回(4月6日)では語らない父親と14日間の沈黙を、第3回(4月13日)では遺体発見と三点の遺留品が示す配置の異常を記録した。今回は「捜査が何を意味するか」を整理する。
家宅捜索という手続き
家宅捜索は任意の聞き込みとは次元が違う。
裁判所に令状を請求し、裁判官が「相当な理由あり」と判断して初めて執行できる強制処分だ。警察がそう思っているだけでは令状は出ない。証拠が存在する蓋然性を、疎明資料として裁判所に示す必要がある。
被害者本人の自宅を、死体遺棄容疑で捜索する。
外部の第三者が犯人なら、被害者の自宅を捜索する根拠がない。自宅に証拠が残っている可能性を裁判所が認めた、ということだ。
捜索容疑が「死体遺棄」である点も重要だ。殺人ではない。死因の特定が困難な状況でも、遺体をその場所に運んだ行為だけで立件できる。3週間以上、屋外に放置された遺体は腐敗が進み、死因が「不詳」となるケースは法医学的に珍しくない。死体遺棄で押さえ、自白や物証が揃った段階で殺人に切り替える——そういう捜査の流れは過去にも複数ある。死体遺棄での逮捕後、追加の証拠や自供をもとに殺人罪での再逮捕・起訴に切り替えた事件は国内でも前例がある。最初の容疑が「遺棄」であることは、捜査の終着点ではなく入口だ。
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