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無職、ついに「文明の利器」に屈する

iPhone、iPad Pro、MacBook Pro、AirPods Pro。 矛盾しているかもしれないが、私は普段、文明の利器を存分に活用している。 むしろこれらがないと生活の質に大きな影響が出てしまうほどだ。

便利なものに囲まれ、快適な生活を送ることができるのは現代人の特権。先人たちには本当に感謝しかない。

しかし、そんな私でも屋外プールで泳ぐ瞬間だけは別だ。 半裸になり、完全なデジタルデトックス状態に入る。 無心で泳ぐ。いや正確に言うと、泳いだ距離を心の中で数えながら泳ぐのだ。

100、200、1000、2000……と数字を積み上げていく。 ひとつ難点を挙げるとすれば、たまに「あれ?いま何メートル(何キロ)だっけ?」と分からなくなること。そういう時は、記憶に残っている一つ前の数字をカウントする。 結果として、実際の距離より少し多めに泳いだ計算になっている気がするが、まあ良しとしていた。

ところが先日、友人2人をプールに招いたときのこと。 泳いだり歩いたりしていると、2人とも腕の時計を見ながら何かを確認している。

話を聞くと、泳いだ距離が自動で記録されるらしい。 試しに50メートル泳いでもらうと、画面にはしっかりと「50m」の表示。

もちろん、スマートウォッチの存在自体は知っていた。 だが、目の前で完璧な精度を見せつけられると、流石に驚愕した。

自分は頭をフル回転させ、誤差ありで必死にカウントしているというのに、彼らはスマートウォッチで正確な距離を弾き出している。同世代のおじさん2人から当たり前のようにそれを見せつけられ、私は自分の「泳ぎのあり方」について考え込んでしまった。

いや、待てよ。 自分の頭を使って数えることに意味があるのではないか? 水中で体を動かしながら数字に集中する――それこそが、精神と肉体を整える「崇高な作業」なのだ。 そう自分に言い聞かせ、その日はプールをあとにした。

……そしてその日の夜中。 私はベッドの中で「スイムログが取れるスマートウォッチ」を必死に検索していた。

コスパ重視で候補を絞り込む。 水泳以外でどれだけ使うか未知数だったため、本家のApple Watchではなく、安く済ませようと中華製のスマートウォッチをメルカリでポチった。

あっさりと文明の利器に頼りたくなってしまったのだ。

そして明くる日。友人から一通の連絡が入る。

「いらなくなったApple Watchあるけど、いる?」

友人よ、声をかけてくれて本当にありがとう。 でも……あと1日、あと1日早く言ってほしかった!(泣)
持つべきものは友である

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