「芳香族化合物(ベンゼン、トルエン、キシレン)」の不足が深刻な理由を図示しました
こんばんは。『シンナー不足は訴える必要があります』という記事で説明しました。
今日は落ち着いて「芳香族化合物(ベンゼン、トルエン、キシレン)」の不足が深刻な理由を、文章だけでは伝わりにくいようなので工程図を使って説明します。AIに文章を書いてもらうと良いのでしょうが、自分が理解したものを書きたいので読んでくださる方はこらえてください
製油所の工程図です
原油を常圧蒸留装置にかけ、上から2つめがナフサ留分です
このナフサ留分から、沸点範囲が30〜80°C程度の軽質ナフサと80〜180°C程度の重質ナフサができます。
日本はナフサを輸入していますが、平時および代替調達で輸入しているのは軽質ナフサです
軽質ナフサは石油化学工業でエチレン分解原料として多く使用されます。
重質ナフサはガソリンや芳香族製造用の原料として使用されます。
現在、ガソリンの製造を優先しているため、「芳香族化合物(ベンゼン、トルエン、キシレン; BTX)」を製造に回す量が少なくなっています
そのため、塗料(キシレン・トルエン)、シンナー、ペットボトル、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、合成洗剤、インク、医薬品などが深刻な材料不足となっています
現在は「中東以外からいかに重質成分を確保するか」が、日本のエネルギー・化学産業の大きな課題となっています

エチレンプラントの工程概略図です
図に「芳香族化合物(ベンゼン、トルエン、キシレン; BTX)留分」がありますが、軽質ナフサからBTX留分はあまり量を製造できません

ハイオク製造とBTXの関係
BTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)などの芳香族化合物は、非常に高いオクタン価を持っています。普通のガソリン(レギュラー)に、重質ナフサから作られたBTXたっぷりの「改質ガソリン」を多く混ぜることで、ハイオクガソリンになります。BTXの中でも、特にトルエンはオクタン価が非常に高く、ガソリンの性能を底上げするための「添加剤」のような役割で大量に配合されています
*扉絵はGeminiのNano Banana 2 作画です
嘆きが伝わってくる業界は重質ナフサ不足と関係しています
しかし、イラン戦争は終わる気配がないですね。昔、毛利元就が尼子氏の月山富田城を攻め落すのに4年かかったことを考えると8年くらいかかるのかもしれません
以上です
ゆっくりおやすみください
