Netflix『マンスリー彼氏』シリアスじゃない恋の効能、ゆらぎ世代の感想。
韓国ドラマを一番よく観ていたのは2010年代終わり頃まで。
『愛の不時着』『梨泰院クラス』がブームになった時はすでに冷めていた。
はじまりは『私の名前はキム・サムスン』。
これを全話録画したソフトを貸してくれる気前のいいひとがいて、私の妊娠中に同じく妊娠中で同居していたの姉と時間を合わせて観た。お互いシングルで働いていたので。
私と姉は似ていないし、恋愛のことなど話さないし、共通の趣味が一ミリもなかったが、姉が顧客から
「あなたはキム・サムスンに似てるから絶対にこれを観て!」
と半ば押し付けられたのでどれ程、似ているのか確かめようということで視聴を開始した。
王道のラブコメ(いまも漫画によくあるモチーフの)だったがキム・サムスンが健気で、美人じゃないのにかわいくてハマってしまった。
「韓国ドラマいいやん・・・!」ってなった。
それからは主にラブコメディの大ヒット作をかいつまんで観ていた。
姉から産まれた姪と私の感性が近いので、引き込んであの時間のあのチャンネルのあの枠が面白いから観るように、と申し付けておくとちゃんと視聴してくれて、会うたびに「あれ、面白いよねー!」と盛り上がった。
人間の歴史を感じる瞬間だった。
私たちは『力の強い女ト・ボンスン』がバカっぽく面白くて大好きだった。
セクシーすぎるのはダメだし、平和すぎても退屈だし、その加減がちょうど良かったのだ。
キム・サムスンは顧客様の言う通り、姉に似てはいたが『ナイショの恋していいですか!?』の時のイ・ハナのちょっと病んでるみたいなぼーっとしてる雰囲気のほうがより姉に似ていると私は思った。
そんな経緯でしばらく観ていなかった韓国のドラマを観ようかなという気になったのは恋愛リアリティショー『ボーイフレンド』ロスのせいだった。
色彩の美しい映像と抑え気味の演出、生々しすぎない表現の妙。
そのようなコンテンツを探していた。
『マンスリー彼氏』の感想、ネタバレなし。
ロマンスも美容も関心がなく、仕事優先で昼も夜も働き、恋人にフラれてしまった主人公が、取引先から頼まれてバーチャル空間で恋をする機械のモニターになる。さまざまな相手に出会って恋するうちに超絶にいい所で無料トライアル期間が終了してしまい、自腹で課金して継続する。
次第にその恋が現実の世界と交差して・・・
カンタンまとめるとにそういう話で、シチュエーション、セリフは私が観てきたラブコメの基本をなぞっていて、あぁ懐かしいな~これこれ~と思いながら、キュンキュンさせてもらった。
まだ最終話まで行っていないものの、ハイライトは通過したと思う。
導入もよかったし、第5話から第7話がとてもよかった。
恋愛ドラマ好きとして、一番いい所が詰まっていたと言える。
イ・ソングク、イ・スヒョク、チョ・ハンチョルの三人が揃うのが私にとっては懐かしく嬉しかった。(『ナイショの恋していいですか!?』の主要キャスト)大好きなドラマだったので。しかも2014年のドラマだったのに俳優たちが今も健在だということに感動した。
主演はBLACKPINKのジス(JISOO)。歌とダンスがメインのお仕事でDIORのアンバサダーだったり、とにかく有名で人気のある女の子みたいだけど、私が興味なくて知らなかった。
彼女を観たくてドラマを選んだのではなかったのにすっかり好きになった。
表情が豊か。韓国ドラマは表情がすべて!全顔で演技するのが大事。
ジスはいろんな女の子のかわいさを集めたようなスーパーガールだと思う。
日本と韓国のこれまで見てきた女優のさまざまな表情を思い出した。
変顔も、髪型も、服装も、コロコロ変わるのでそこも大きな見所のひとつ!
キュンキュンさせて!
キュン死という言葉があるが、私の年齢ではそろそろ笑えない話である。
できるだけ心臓に負担をかけるべきではない。
体力をむやみに消耗せずに、それでも筋力を衰えさせぬよう関節を傷めないようなトレーニングをしつつ食事や生活習慣に最大限に配慮する。
私たち「ゆらぎ世代」は他者のことに必要以上に構わず、自分の体調・精神状態を最優先し、自衛、自衛で丁寧に守って行く必要がある。
ほんの些細な変化でこのカラダとココロは壊れてしまうからだ。
個人差はもちろんあって、バケモノ級に暴飲暴食、遊び、仕事をし倒しても平気な女がいるが、それは例外だし、天恵だ。
経産婦は特に人体のリソースの多くを子に捧げ、子育てが終わったらメンタルが不安定になる。急な喪失によって。
夫と子が推し「だった」。(そうじゃない場合もあるけど)
でも、もう終わった・・・。(終わったのかよ)
そこで新しい推しの登場である。
私は推しに救われた。
直接、お買い物につき合ってくれたり、プレゼントをくれたり、家やクルマを買ってくれたり、抱きしめてくれたのは夫だけれど、別に夫と共有したくない事項もある。
ちょっとした小さなモヤモヤとか、家庭からは得られない非日常感とか、夢を持つこととか。そんなことを推しの活躍を通して解消したり、摂取した。
リアコとか愚の骨頂
と言われるけれど、『マンスリー彼氏』では、ウノ先輩のおかげで痛い失恋を癒せるシーンがある。ウノ先輩は実在しない上にほかに1万人超と恋愛しているけれど(私なら嫉妬のあまり殺意を抱きそう。意だけね)、主人公のミレにとってはすごく大きな一歩だったと思う。嘘の恋であっても。
私にとっても、将来の心配とか介護とか病気とかの悩みを共有しない推しの存在はかけがえのないもの。
「尊い」とふざけたように表現をすることがあるが、事実、尊い。
国の平和まではさすがに推しが守ることはできないが、少なくとも私のことは推しが守ってくれている。推しのために心身を健やかに保とうとしてる。
世界が混乱し、いつ堕ちるとも限らない史上稀にみる危機的状況にあるなかで、何がラブロマンスだ、と思わなくはない。
ただ、
不安に包まれて日常を過ごすのか、最期の時までときめきを感じながら過ごすのか。
選べるのなら、キュンキュンしたまま臨終を迎えたい、と私は思う。
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