心の中で 消えた花火の巻っ!Hungarian Rhapsody (36)
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10月21日(火)晴れっ

朝、二重ガラスの窓が曇っていた。
今秋 一番の寒さとか。
朝イチの指揮法授業、体調を案じていた
ピーターは元気に姿を現した。
良かった、と同時にキンチョウも走る。
ピーターによると、ここよりもう少し
田舎の方では、最低気温が もう0℃になったとか。
東京生まれ育ち、私の知らない「冬」がやってくる。
そろそろコートのことも真剣に考えなくては。
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指揮法授業は 相変わらずキンチョウするが、今日は割と順調。
体調崩しているダイアンが休み、天才ジゼルは 寝不足らしく
少し不調。
合唱指揮法の授業=新曲(課題)をもらうと、
2声部であろうが3,4声部であろうと、
その「歌」全てを「暗譜」し、
どれか 1パートを歌いながら「鍵盤上 🎹」で弾く。(弾き歌い)
指揮をさせてもらう前に、その「歌の歌詞」(何語であろうと)を
先生、他の学生たちの前で「英語で説明する」
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今日、私の新曲は 長くはないけれど「イタリア語」で、
最初に ソプラノパートを歌い ピアノを暗譜で弾いたら
”grazia"(イタリア語 感謝)の 発音を直された以外、"Very good!"と言われて ひと安心。
ここまでが「準備=preparation」
実際の指揮も 鏡の前、自分で練習する。
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昨晩研究した通り、
今回の曲は 1拍目、3拍目を 歌う人達に明確に示し、
2,4拍目に フレーズがスタート、それも 高低 交互に現れる
指揮の練習だった。
やはり事前に しっかり準備すれば、指揮も「コワい、つまらない」から「オモシロい」
に変えられる。
全ては 自分次第!
指揮法が わりと上手くいき、気分よく 2時限目の民族音楽学授業。
授業後、大急ぎで母の親友、小さい頃からお世話になっている
東京のおばさまに一枚葉書をかいて、郵便局へ出しにいく。
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今日、唯一 迷惑だったのが、現地の男性が「あなたは日本人ですよね。
私の妻も日本人で、日本に帰っている。私も日本に行きたいんです」
など、うぇるかむ~ じゃないのに、勝手に話しかけ、
その上、郵便局まで追いかけてきて、しつこい。
夜の合唱の間にも、受付テーブルに 置手紙があった。
これは非常に迷惑。追いかけられるとイヤなので、
郵便局以外、今日は市場などの買物もあきらめた。
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郵便局から部屋に戻り、
「電話交換台」に 16時、Budapest 商社の Iさんへ
電話をしたい、と 何とか ハンガリー語で 電話番号など伝え、
予約(→交換台の人に 伝わったらしい^^;)
15時半頃から 部屋の電話が鳴らないか ソワソワして待つ。
予約時間より20分遅れ、16時20分頃、ようやく 商社のIさんに
電話、つながった!!!

I さんと7-8分位は 話せたかな。
9月末、Budapest 遠足の時にお会いした時以来 久しぶり。
彼とニホンゴで話して、とても心がやすらぎ、嬉しかった。
同じ商社の ウィーンオフィスの電話番号や、ウィーンでの
買物方法も 手短に教わった。
両親が悩んでいる、という 例のエアカルゴ(別送荷物)の件は、
ここから日本へ電話は無理。
私の代わりに
Budapestのオフィスから、東京へ telex テレックスを
打ってもらえることに。
父は 商社の方に おんぶに抱っこ状態を
嫌がるかもしれないけど 仕方ないな。
明日、自宅にも もう一通 手紙を書いて出そう。
テレックスのスピードには 間に合わないだろうけれど。
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私は ビートン家(オーストラリア)の娘ちゃん、
キャサリンに ご両親から頼まれて、鈴木・メソッド
🎻violinレッスンをしているので(不定期)、
コリン・パットゥ夫妻が、レッスン料の代わりに
私が多忙な時、夕食をご馳走してくれる。
今日も早い夕食を ごちそうになった。
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18時から20時は 混声合唱。
ピーターは夜になっても元気そうで安心した。
学生だけの授業、レッスンは すべて「英語」だが、
この混声合唱は、地域(街)の先生方中心なので
ピーターも 指示は すべて ハンガリー語。
合唱後、また スーザンがスイス風 ミューズリー(フルーツ入り)
を作ってくれ、誰かが クラッカーも出してきて
食べちゃった!(太るぞ~!)
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1階は 床が大理石で 天井がドーム状(修道院だったから)、
よく響く廊下があり、合唱メンバーが帰宅していった後、
また 学生だけで 歌いまくった。
私たち、どんだけ 歌が好きなん?(笑)
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そうそう、合唱の男性メンバー(工科大の教授らしい?)が、
チェロを習い始めたばかりの コリンと私を、
11月中旬から、工科大学の 弦アンサンブルに誘ってくれた。
どんな所か わからないけれど、violin🎻を弾ける機会、
コリンと一緒なら 行ってみようと思う。
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10月22日(水) 曇 のち 晴れっ!
朝、少し寝坊。ソルフェージュ授業準備を ほんの少しして、
「5分の朝食!」 → コダーイ音楽小学校へ授業見学へ。
最初、見学者が 私ひとりで唖然! 担任の先生のハンガリー語は
よくわからないけれど、生徒たちと同じように 朝の給食(?)、
ミルクと三日月型のパンを 小さなトレイに乗せて プレゼントされちゃった。びっくり! 後からオーストラリアのPat も見学に来たけれど、
他の皆、結構授業見学を さぼってる!? 私は マジメなのか~!?
見学から戻ると、午前中、ジゼルと2人だけで イルディコ先生のソルフェージュ。聴きとり(聴音)は 少しマトモになってきた。

が、メモリー(記憶)と プレイバック が私には激ムズ💦
→ 先生がピアノを 最初2小節くらい弾く(両手演奏)
→ これを書き取らず、耳で覚えて(耳コピ!) 、ピアノで弾く。
→ 先生が 次の2小節くらい、新しい部分だけをピアノで弾く(両手)
→ 学生は 先生が「付け加えた部分」のみならず、
必ず 一番最初から 付け加えた部分までを 両手で弾く。
これが Play back. 単旋律で簡単なものなら、子どもたちのレッスンにも
取り入れられるが、両手(当然、和音や いろいろなリズムパターン、臨時記号のついた音なども頻出する)で、となると、
最初、説明を受けて わかったつもりでも、実際、かなり難しい。
ジゼルは これも得意で、覚えたことを バーッとすぐ鍵盤で再現できる。すごい。 私は 先生のイルディコに 申し訳ないな・・と思う。
練習して もっとできるようにしよう。
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スコアリーディング(リラ先生)は まあまあの出来で、2曲とも合格。
新曲2つと、コダーイ(Kodaly)の4声「くじゃく」、Beethovenの歌曲を 上下 長短2度(半音 高く、低くする)で 移調しながら 弾き歌いする、という宿題が出た。

ハンガリーの音楽教育は、合唱でもカノンだけの楽譜でも、
さまざまな授業に 教材として応用しながら使われる。
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夜は、文化センター(カルチュアル センター)へ コンサートを聴きにいく。
今日は ブルガリアのオーケストラ演奏。 楽器(特に弦楽器)は、日本人のオケの方が ずっとよいものを持っている。
サン・サーンスのピアノコンチェルト(協奏曲)g-moll (G-minor)は いい曲だったし、
R. Strauss (リヒャルト・シュトラウス)のシンフォニア・ドメスティカも、
アンコールピース、バーンスタイン「キャンディード」 💗も とても良かった!
やはり、オケ(オーケストラ)🎻🎺は、後半になると、音がより豊かになってよく鳴る。
あ~ 久しぶりにオケでも弾きたい!

何だかとても 指揮者に憧れるようになってしまった。
私の中で 何かが 変わり始めているのを感じる。(大げさ?)
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10月23日(木) 曇 ときどき 晴っ
今日は 午前中の室内楽が ローランドの都合で休講。
その代わり、朝9時から、キャサリン(この時8歳)にviolin🎻のレッスン。
マルカート(音を しっかり区切って音を出す弦楽器の奏法)が身について、
音が明確に出せるようになってきた。私も嬉しい。
10時予定だった 声楽のレッスン。 先生のボルディザールが遅れて(列車遅延)10時半近くなり、レッスン終了後に行く予定だった、5年生の授業見学に 間に合わなくなっちゃった。
仕方なく、その空き時間で いろいろな授業から それぞれ出ている宿題、課題を全部 やり終えた。
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午後は クララの音楽教育法授業。その後、図書館のオーディオで
バルトークの音源を聴いたり、J.S.Bachの 無伴奏ソナタの楽譜を借りてきて、violin🎻 の練習。少しずつ慣れて、不得手なBachも 上手になりたい。
夜、混声合唱2時間の後は、明朝に備え、指揮法の練習のみ。
明日はどうなることやら? あともう一回だけ練習して眠ろう。
またバスタブの個室を確保して
のびのび ゆっくりお風呂、シャンプーもしてすっきり!
おやすみなさい。

10月24日(金) 曇 一時 雨 時々 晴れっ
どんより曇って、雨、と思うと 陽が射したり 変わりやすい天気。
10月もいよいよ あと一週間。
ぎゃっ 早いっ!
指揮法で 始まる火曜と金曜の 朝8時(Week B は 8:30)
指揮法の授業がうまくいくと、全てがうまくいくような気さえする。
キンチョウして早起きし、教室へは一番乗り。
ピーターとも 少しおしゃべり。
今日の「指揮」は、アリン、ダイアン 2人がメインで、
ジゼルと私は 2台のグランドピアノで、彼女たちの「振る」曲を分担して弾く。これも結構 難度が高い。
高音部(ソプラノと 一段抜かして テノール)と 低音部(アルト、と 一段抜かして バス)。
自分が「振る」曲ではないが、楽譜を見て、
即座に 一段抜かしで、両手でピアノを弾く。
スコアリーディング(譜読み)で 様々な音部記号(clefs)を すぐ読んで弾く、というレッスンは、この授業にも役立つ。
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日本の音大生活4年間で 私が経験してこなかったことの方が
ずっと多いし、その授業、レッスンを英語で受けている、という事実は
1年前、何なら ここへ来るまで、想像すらしていなかった。
アリンは火曜日朝にもらった バルトーク(ハンガリー語)の新曲に苦戦。
友人が注意されているのを見ると、つい先日の自分を思い出し、胸が痛む。
授業中は 心の中で励ますことしかできないけれど。
私自身の「指揮」は、もっと腕全体を使うこと、手首が柔らかくなり過ぎないこと、4拍子の中、「3拍目」が 平らにならないこと(→ 歌う立場からだと わかりにくいそう)を注意された。
あとは とてもよろしい、と めずらしく褒めてもらえた。
難しかったところも 今日は意外とスイスイこなせて自分でも嬉しかった。
うまくいくと、ピーターの注意の語調まで変わるようで驚く。自分で
勉強、練習して 地道に実力をつけていくのみ。
イタリア語、2声のこの歌に合格をもらえ、新しい課題曲は、
パレストリーナの3声。
今度は2拍目準備、3拍目スタート、または ゆっくり2拍子の2拍目スタートの練習。
歌詞は ラテン語、2番まで、と言われたので、ラテン語の歌詞も覚えること。
英語でその歌詞も ざっくり説明できるように準備する。(→私には大変💦)
今日は、指揮法の後の 民族音楽学、ソルフェージュ、音楽理論授業も
割と調子がよかった。
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お昼頃、市場(マーケット、vasar ヴァシャール ハンガリー語)へ行こうとしたら、
突然 3人の日本人ゲストに「こんにちは!」と 挨拶されびっくり。
しばし彼らの 案内役を務めることになってしまった。
以前にも A新聞の記者さんが ひとりで(あの時はちょっとお忍び風)
いらしたことあったな。

一人はY新聞のTさんという記者。
グレイヘアの男性は
音楽評論家、今は M新聞所属の Tさんという 有名な方。
もう一人の若い女性は、何と 同じ音大の先輩、リスト音楽院で
violin🎻 専門に勉強しているHさん。
学年が2年違い、
音大時代に、彼女との交流は
なかったけれど、名前は知っていた。
3人とも この音楽教育研究所内の見学許可を 事前にもらってあり、
秘書にも セツコ、案内してあげなさい、と いわれて、
授業、レッスンしていない教室、2階の寮(現在は2階のドミトリーは なくなっている)=生活空間、私の部屋も案内し、私自身も含め、
ずいぶんたくさん写真撮影をしていった。
こういう機会に、ニホンゴを話せたし、
1ヶ月半経って 学校内のことも
結構きちんと説明できたかな。
多分 難しいと思うけれど、電話するかもしれない、と
名刺をいただいた。(例の交換台の件もあり、電話はムリと思う)
彼らの案内を終えてから、ようやくマーケット(市場)へ。
ニンジン、タマネギ、ニンニク、いつでも入手できる
コーンの缶詰は助かる。(当時のハンガリー、トウモロコシ、缶詰は かなり大量に近隣諸国に輸出していたらしい)
それに 別のお店で
この季節に「サラダ菜」をみつけた!
牛ひき肉は いつもの肉屋さんで。
奥の方に 吊り下げられている 巨大な 牛の「枝肉」から
海賊の「刀」のような よく切れる大きなナイフで スルスルっと切り、
目の前で 重さを量りながら、脂身など取り除き、きれいな肉をひき肉にしてくれる。昔、日本でもお肉屋さんは こういう手間をかけて売っていたのだろうな。
夕食は 貴重な! サラダ菜が入手できたので、トマトやコーンなど 彩りもきれいなサラダを作り、貴重な 日本から別送のお醤油を入れた ドレッシングを作り、ダイアンやコリンにも 美味しい、と食べてもらえた。
人参グラッセも手作り、牛ひき肉のハンバーグ(1人前だけど)も、玉ねぎソースも手作り。
今日は2時間近く かけてお料理。 私としては 豪華な夕食! ^^
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夜、アリンと1時間半くらい、2人で ハンガリー語の勉強。 お互い楽しみでもあり、とても良い!
妹と、留学前にもお世話になった 音大ピアノ科、S女史からも郵便。
しあわせな一日に感謝💗

10月25日(土) 曇 のち 雨 一時 晴れ
今朝、9時過ぎ、アリンが 私の部屋のドアをノック。
それで目を覚ます。
彼女いわく、もう階下(レッスン室)に
ジゼルのピアノレッスンで、ローランドが来ている、起きた方がいいよ、と。
今日は ローランドが、ジゼルの ピアノレッスンのために、Budapestから
こちらへ来て、
午後は一緒にBudapestへ行こう、と 誘われていた。
日頃、本当に授業、レッスン準備で 忙しく、疲れもあって、
本音は 「行きたくない」
私は 日本人気質なのか? 英語で彼女たちと話していても
ダイレクトに "NO" と言うことに 抵抗を感じてしまう。
けれど、今日は この学校の大教室で 17時から 子どもたちの小さな歌のコンサートもあり、
少し風邪気味だし・・
言い訳がましいかもしれないけれど、
ついに、
今日は 私、Budapestへは行かない
と伝えた。
ジゼルが行きたがっていて、アリンも本当は乗り気でない、と私は知っていたけれど、
ローランドへの義理(?)を感じているのか、
ジゼルとふたりで、急いで マーブル模様のパンスライスに バターかチーズ?を 塗っただけ、の サンドウィッチ を作って 出かけていった。
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雨も降ってきて・・・勇気を出して" NO" と断り よかったと思う。
土曜の午後、部屋で ゆっくり 主に手紙書き。
両親、妹(故人)に 便箋4ページ、裏表に びっしり書いた。
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最近、私自身が 少しずつ 内側から変わってきているな、と感じる。
「本物を見る目」を持ちたい💎
自分を内から磨く✨
キザだと思われるかもしれないけど、これには1パーセントの ウソもない。
他人が 私をどう思おうと 私はかまわない。
私は私。
独立した ひとりの人間なのだから。
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こんなこと、夏までは 考えもしなかった。
日本で忙しいながら 友達とワイワイ・・
今年の夏は楽しかった。
でも、あれほど 輝いて見えた夏が、
今、秋の落ち着いた色の中で 少し色褪せてみえる。
なぜだろう?
花火

花火は 一瞬 まばゆい光を放って、いつの間にか すっと消えていく。
こういうことの繰り返しで、人は 生き方を学んでいくのだろうか?
他人に全てを おんぶされて 人生を歩くのは いやだ。
自分も 地に足をつけて 歩いて行きたい。
なぜか とても自分の心が ふ・し・ぎ 💗
(続く)
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