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カルビーのポテトチップスが白黒に?パッケージ変更の理由と“もったいなさ”の正体|レブロンに学ぶ見せ方

こんにちは、Johです。

今日は平日雑談会です。本日は2本立てで、前半がNBA、後半がカルビーのポテトチップスのパッケージ問題。全然違う話のようで、読んでいるとどこかで繋がっている気がしてきました。


レブロンジェームズ、41歳の「終わり際」を見ながら思うこと

私の趣味がバスケで、NBAは長年追い続けているんですが、今プレイオフがまさに佳境で。応援している八村塁が所属するレイカーズが、今週OKCサンダーにスイープ(4連敗)で敗退してしまいました。

そのレイカーズの話を少し。

レブロンジェームズは今季のプレイオフでシリーズ平均23.2点・7.3アシスト・6.7リバウンドを記録していて、41歳とは思えない数字でチームをけん引し続けていたんですが、結果はスイープで敗退。しかもルカドンチッチとオースティンリーブスが4月2日のサンダー戦で同時に負傷退場し、その後レギュラーシーズン終盤とプレイオフを欠場することになったという最悪のタイミングも重なって。

数字だけ見れば、レブロンの今季は悪くない。レギュラーシーズンでも平均20.9点・7.2アシスト・6.1リバウンドで33分以上プレーし続けたわけで、体はまだ動いている。でも今シーズン、チーム内での役割が変わっていたんですよ。

シーズン後半、レイカーズが16勝2敗という快進撃を見せた時期に、レブロンはルカドンチッチとオースティンリーブスに次ぐ「3番手オプション」として機能するよう求められた。レブロンが3番手に置かれた経験はNBAキャリア23年で初めてのことだったというんですよね。

これ、すごいことだと思っていて。高校からNBAに入って、ジョーダン・コビーの次を担う選手と言われ、20年以上ずっとチームの「ナンバーワン」として君臨してきたレブロンが、初めて3番手の役割を求められた。本人は「チームのためにやった」と言っているし、実際にそれが機能してレイカーズは快進撃を見せたわけですが、内心のフラストレーションは相当あったと思うんですよね。

試合後の会見で、「将来のことはわからない。ファミリーと一緒に時間を過ごして、再調整(リキャリブレート)してから判断する」と言っていて、引退とも続行とも明言しなかった。息子のブロニーでさえ「正直、全くわからない。何年でも続けられそうには見えるけど、23年間もやってきたわけで。本人が幸せだと思う方を選んでほしい」と言うしかない状況なんですよ。

私個人的には、まだ辞めないんじゃないかなと思っていて。レブロンにはどうしても「物語を完結させたい」という欲求があるように見えて。最初のフランチャイズチームだったクリーブランド・キャバリアーズに戻って、そこで2年くらいやって1回優勝して終わる——そういうおとぎ話の着地を狙っているんじゃないかなという気がしています。

レブロンの現在の推定総収入: 年間約1億3,760万ドル(約206億円)

スポーツ界の総資産順位
1.マイケル・ジョーダン(バスケ):約30億〜36億ドル(約4,500億円〜)
2.マジック・ジョンソン(バスケ):約15億〜16億ドル(約2,250億円〜)
3.タイガー・ウッズ(ゴルフ):約13億ドル(約1,950億円)
4.レブロン・ジェームズ(バスケ):約12億〜14億ドル(約1,800億円〜)
5.ロジャー・フェデラー(テニス):約11億ドル(約1,650億円)

※今も現役はレブロンのみ

コービー・ブライアントに敬意を示してレイカーズに入って、コービーのフランチャイズで戦ってきた。でも今回のスイープで、レイカーズでの物語はある意味区切りを迎えた気がする。だとすれば次は、自分が最初に輝いたキャバリアーズで締める——そのストーリーが、レブロンらしい気がするんですよ。

そしてもう一人、ウォリアーズのステフィン・カリーも今キャリアの終盤にさしかかっていて。ヘッドコーチのスティーブ・カーが2年間の契約延長をしたんですが、カリーは「カーがいなくなったら自分も辞める」と言っていたくらいの間柄なので、この2年でもう一度優勝を目指す、そういう最終章が始まっている感じがします。

クレイ・トンプソンがマブスに移籍してしまったのは寂しいですが、もし彼がウォリアーズに戻ってカリーとのスプラッシュブラザーズが復活したら——それは本当に激熱な展開になると思っています。

あと2〜3年、このNBAのスーパースターたちの「終わり方の物語」を見届けるのが楽しみで。八村塁もレイカーズに残って、ルカドンチッチ・オースティンリーブスとともに新しい王朝を作る流れになっていくのかな、と今から楽しみにしています。


カルビーのポテトチップスが白黒になった件——デザイナーとして思うこと

さて、もう一本。

カルビーが、ポテトチップスの「うすしお味」「コンソメパンチ」などの一部商品のパッケージを白と黒の2色に変更すると小売店に伝えていることがわかった。ナフサが高騰する中で印刷インクの調達が不安定になっているためで、5月25日出荷分から順次変更されるというニュースが出ていて。

対象は「ポテトチップス」のうすしお味・コンソメパンチ・のりしお、「堅あげポテト」「かっぱえびせん」など計14品。さらに2026年7月に予定していた「サワークリーム風味」の新商品発売も中止になるとのことで、かなり大きな決断です。

背景を少し説明しておくと、中東情勢の緊迫化、特にホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に陥ったことで、石油由来のナフサの調達が滞っている。ナフサはプラスチックや印刷インクの原料になるため、食品パッケージの印刷に直接影響が出ているということで、世界情勢がポテトチップスの袋の色まで変えてしまった、というわけです。

事情はわかる。でも、デザイナーとして30年やってきた立場から、ちょっとどうなのかなと思うことがあって。


「白黒2色」という表現が、まず変だよね

ニュース記事を見ていたら「白黒2色で印刷」という表現が出てきて、これ、業界からするとちょっと引っかかる言い方なんですよ。

印刷の世界では、白は色にカウントしないんです。白い部分は紙や袋の地の色をそのまま使っているだけで、「色を乗せた」わけではない。だから正確には「スミ1色」とか「モノクロ1色」という言い方をします。「白黒2色」は、業界的には間違った表現なんですよね。

こういうことがさらっと記事に出てきてしまうのが、「知らない人同士でやっている感じ」というか、なんかもどかしくなってしまって。


CMYKという話と、スミ版印刷のこと

少し専門的な話をすると、通常のカラー印刷はCMYKという4色の版で行います。シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4枚の版を重ねることでカラーを表現する技術で、この4版使うとコストがかかる。

今回カルビーがやったのは、そのうちのブラック(業界では「スミ」と呼びます)の版だけで印刷する「スミハン印刷」ということになります。コストは大幅に下がるけれど、カラーの豊かな表現は全部なくなる。

ただ、スミハンだからといって表現が全くできないわけではないんです。「アミ点」という技術——ドットの細かさで濃淡を調整する方法——を使えば、黒一色でもグラデーションや質感はある程度表現できる。完全な白黒べた塗りじゃなくても、濃淡の工夫次第で、なんとかなる余地はあります。


ホリエモンの「和牛マフィア」と比べると、全然違う

見ていて思ったのが、これは堀江貴文さんが出されている「和牛マフィア ガーリックチップス」の話なんですが、あのパッケージって白い背景に黒いタイポグラフィーだけという、すごくミニマルなデザインなんですよ。スミハン的な考え方に近い。

でも「あれはかっこいいな」と思えるのは、コストカットのためにやっているのではなくて、「意図してそのデザインにした」という意志が伝わってくるからなんですよね。シンプルであることが「潔さ」や「自信」に見える。

今回のカルビーと何が違うかというと、意図があるかどうかだと思っていて。今まで鮮やかなカラーで作ってきたパッケージを、コスト削減のためにとりあえず白黒で出しましたという流れで見えてしまうと、「手抜き」に見えてしまう。見た目が似ていても、文脈が全然違うんですよ。


鶴の一声で出したなら、もったいなすぎる

想像で言いますが、こういう大企業の急な方針転換って、トップの判断でドーンと決まって、周りがイエスマンとして動くというパターンが多い気がして。「時間がないから、とりあえずスミ版で出せ」という感じで決まって、本来そこに関わるべきデザイナーやマーケターの視点が飛ばされてしまったんじゃないかなと思うんですよね。

カルビーほどの大企業なら、社内にデザイナーもマーケターもいるはずで。普段は消費者へのアプローチを真剣に考えてきたはずなのに、ここに来てその積み重ねが一瞬で吹き飛んでしまうような判断をしてしまった。

ポテトチップスのパッケージ1枚を、スミ版で作り直すのは、印刷の現場からすると大した作業ではないんですよ。私だったら1〜2日あれば新しい版を作れる。それくらいの労力で、白い背景に黒いタイポグラフィーだけの「意図を持ったデザイン」に変えることはできたはずで。

「時間がないからとりあえずスミハンで」より、「スミ版でも美しく見せるデザインに変える」という方向でやれば、逆にブランドとしての潔さが伝わった可能性もあると思うんですよね。


視覚と感情の関係——食品パッケージで色が持つ意味

食品パッケージにおける色というのは、単なる飾りじゃなくて。カラーで印刷された食べ物の写真があると、脳が「美味しそう」「食べたい」という感情に直結する。これは視覚効果として実証されていることで、パッケージデザインにおいて色が持つ役割はすごく大きい。

それをなくしてしまうことが、売り上げにどう影響するか。ネット上では「味気ない」「寂しい」という声が最も多いという状況になっていて、感情的な反応として「食べたい」という気持ちが弱まってしまっているのは想像に難くない。

カルビーが「商品の安定供給を最優先とする緊急措置」としてこの判断をしたのは、理由として理解できます。でもせめて、そのことを消費者に丁寧に伝えながら、デザインとしての意図も込めた形で出してほしかったなと思うんですよ。

今まで築いてきたブランドの積み重ねというのは、こういうところで一気に削れることがある。それがちょっと残念だなというのが、デザイナーとしての正直な感想です。


NBAのレブロンとカルビーのポテトチップス。全然違う話なのに、書いていたら「終わり方と見せ方って大事だよな」というところで繋がった気がして。

それではまた。


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