オームの法則の前に、まずは「迷子」の法則を解決しましょうか。
【読まれる前にお読みください】
本シリーズ【講師リリスの「そこ、テストに出ませんけど……大切です」】は、日々の教育現場での気づきや葛藤を、企業研修講師「リリス・フォーミュラ」の視点に変換してお届けする、ちょっとした本音とボヤキの読み物です。 執筆にはAI(Gemini)の力を借りています。 シリーズタイトル通り「テストに出ない」ような話半分・面白半分の内容ですが、最後はほんのり前向きになれる処方箋付き。どうぞお気楽にお楽しみください。
研修の終わり際、受講生の方が少し申し訳なさそうにテキストを抱えて講師席にやってくる。その瞬間、私は密かに「よし、おいで」と心の中で身構えます。研修請負会社「ルミテクス」の講師として、電気の基礎や資格対策を教えるようになってから、何度も繰り返されてきた愛おしい光景です。
「全部」という名の迷宮
特に文系出身の技術営業職の方や、未経験の新入社員向けの講義では、数式や回路図が登場した途端にフリーズしてしまう受講生が少なくありません。
「あの、リリス先生……質問いいですか」 「はい、どうぞ。どのあたりが難しかったですか?」 「……全部、です」
「全部」ときましたか。 心の中でちょっとだけガクッとしながらも、私は心の中でクスリと笑ってしまいます。今までホワイトボードに書いたオームの法則や、あの丁寧に解説した回路図たちの立場は一体……?と、少しだけぼやきたくもなりますよね。
底の見えない沼にハマってしまったようなその気持ち、よく分かります。どこがわからないのかすら、霧がかかったように見えなくなっている状態。それが「全部わからない」の正体ですから。
霧が晴れる瞬間
仕方がありませんね。私はお気に入りの緑のリボンを少し揺らしながら、テキストの最初のページへと一緒に戻ります。
「じゃあ、最初から一つずつ紐解いていきましょう。ここは覚えていますか?」 「あ、電流と電圧の関係ですよね。それは大丈夫です」 「素晴らしい。じゃあ、この直列回路の計算は?」 「……あ、ここまでは解けます。あ、そうか!並列になった瞬間にパニックになってたんだ」
一対一でゆっくり確認していくと、ちゃんと「わかっている場所」と「本当につまずいている場所」の境界線が見えてきます。全体向けの講義ではどうしても一律のペースになってしまいますし、理解度の個人差を全員分その場でカバーするのは人手も時間も足りないのが現実。だからこそ、この放課後のような居残り質問の時間が、彼らにとっての本当のブレイクスルーになるのです。
学ぶ楽しさを、ここから
質問に付き合っていると、気がつけば外はすっかり暗くなっています。私の今日の事務仕事は完全に後回し。ここからの「残業確定コース」に心の中でちょっとだけため息をつきつつも、受講生の晴れやかな顔を見ると、そんな疲れも吹き飛んでしまいます。
「わからない」をそのままにせず、勇気を出して聞きに来てくれたこと。その向学心こそが、何よりも素晴らしい才能です。
電気の回路と同じで、どこか一箇所でも繋がれば、パッと光が灯るように理解が広がっていく瞬間があります。その「光が灯る瞬間」に立ち会えるからこそ、私はこの講師という仕事が好きなのかもしれません。
最初は霧の中にいた彼らが、明日の講義ではどんな表情を見せてくれるのか。一歩ずつ、一緒に進んでいきましょうね。
もしこの記事を読んで「自分も少し霧が晴れたかも」と思ってくださったら、画面下の「スキ」をぽちっと押していただけると嬉しいです。私の明日の残業を乗り切る、小さなエネルギー源になりますから。
よければ、私の講義を見ていって下さい。
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