over a cup of coffeeって「コーヒーの湯気越しに」ちゃうんか!英語のモヤモヤ、なんでやねん!
【登場人物】
👦 子ども:素朴な疑問を、遠慮なく文四郎にぶつける。
👨🏫 文四郎:教師歴40年近いが、今も英語にモヤモヤしている。
🦉 テオ:物知り。文四郎が困ると、いつの間にか現れる。
🐶 ガジュマル:文四郎の本音を黙って聞いてくれる愛犬。言葉としては「ワン」しか言わない。
👦 子ども:なあなあ、文四郎。
👨🏫 文四郎:なんや。
👦 子ども:英語の文でな、「コーヒーを飲みながら話しましょう」みたいなのがあってん。
👨🏫 文四郎:ああ、overやな。モヤモヤしてんのは。
👦 子ども:なんで分かるん?
👨🏫 文四郎:これでも先生やぞ。お前の考えそうなことぐらい、お見通しや。
👦 子ども:そうそう。Let’s talk over a cup of coffee.って出てきたんや。
👨🏫 文四郎:やっぱりな。
👦 子ども:ほんなら聞くけど、なんで over a cup of coffeeって言うんや?
👨🏫 文四郎:それは……。
👦 子ども:なんや。偉そうに言う割に、説明でけへんのか、やっぱり。
👨🏫 文四郎:や、やっぱりって言うな。
👦 子ども:早くテオ呼んだら?
👨🏫 文四郎:うるさい。テオ〜。
🦉 テオ:お呼びでしょうか。
👦 子ども:来るの早いな。
🦉 テオ:文四郎さんが困る気配がしましたので。
👨🏫 文四郎:気配で来るな。
👦 子ども:テオ、聞いて。over a cup of coffeeって、なんで overなん?
🦉 テオ:この overは、「〜の上に」という意味ではありません。ここでは、「〜を飲みながら」「〜を囲んで」「〜の時間の中で」という感じです。
👦 子ども:コーヒーの上に乗って話すんやないんやな。
👨🏫 文四郎:当たり前や。熱いわ。
👦 子ども:でも overって「上」とか「越えて」って習うやん。
👨🏫 文四郎:そこがモヤモヤやな。
👦 子ども:実はな、僕、授業で当てられてん。
👨🏫 文四郎:ほう。
👦 子ども:それで Let’s talk over a cup of coffee.を訳せって言われたから、
「コーヒーの湯気越しにお話ししましょう」
って訳してん。
👨🏫 文四郎:おお。
👦 子ども:そしたら先生に、
「違います」
って言われてん。
👨🏫 文四郎:うーん。
👦 子ども:かっこ悪かったわ。
👨🏫 文四郎:いや、それは悪い答えやない。
👦 子ども:違うって言われたで。
👨🏫 文四郎:英語の決まった意味としては違う。でも、お前は overをちゃんと見て、「越しに」と考えたんやろ。
👦 子ども:うん。
👨🏫 文四郎:コーヒーの湯気越しに話す。映像としては、むしろええ。
👦 子ども:ほんま?
👨🏫 文四郎:ほんまや。間違いにも、ええ間違いがある。
👦 子ども:ええ間違い?
👨🏫 文四郎:言葉をちゃんと見て、ちゃんと考えた結果の間違いや。それは、ただのデタラメとは違う。
👦 子ども:そう言うてくれたら、ちょっと救われるわ。
🦉 テオ:文四郎さんの言う通りです。訳としては正解ではありませんが、overの持つ「越えて」「向こう側に」という感覚を、自分なりに捉えようとした答えです。
👦 子ども:テオもそう思うん?
🦉 テオ:はい。ただ、この表現では、コーヒーの湯気やカップの上を物理的に越えるという意味ではありません。
👦 子ども:ほな、どういうことなん?
🦉 テオ:over lunchなら、「昼食を食べながら」「昼食の間に」。
over dinnerなら、「夕食を食べながら」「夕食の席で」。
over a cup of coffeeなら、「コーヒーを飲みながら」「コーヒーをはさんで」という意味です。
👦 子ども:なるほど。コーヒーの上やなくて、コーヒーを飲む時間の中で話すんやな。
👨🏫 文四郎:そうや。テーブルの上にコーヒーがあって、その時間を共有しながら話す感じやな。
👦 子ども:ほな、
Let’s talk over a cup of coffee.
は、「コーヒーでも飲みながら話そう」って感じか。
🦉 テオ:その通りです。
👦 子ども:でも、「コーヒーの湯気越しにお話ししましょう」も、ちょっとよくない?
👨🏫 文四郎:よい。詩としては、かなりよい。
👦 子ども:詩としては?
👨🏫 文四郎:英語の訳としては違う。でも、言葉としてはきれいや。
👦 子ども:ほな、正解にしてくれてもよかったんちゃう?
👨🏫 文四郎:まあな。ただ、今のワシならこうも思う。
👦 子ども:何を?
👨🏫 文四郎:アイスコーヒーやったらどうするんや?
👦 子ども:アイスコーヒーやったらグラスやろ。
👨🏫 文四郎:むむ。
👦 子ども:a cup of coffeeやねんから、熱いコーヒーに決まってるやん。
👨🏫 文四郎:なかなか細かいところを見てくるな。
👦 子ども:文四郎が言うたんやろ。言葉をちゃんと見ろって。
👨🏫 文四郎:自分の言葉で返されるの、いちばんこたえるな。
🐶 ガジュマル:ワンワン。
👦 子ども:でも、なんかうれしいな。
👨🏫 文四郎:何がや。
👦 子ども:あの時は、ただ間違えたと思って恥ずかしかったけど、今考えたら、ちゃんと考えてたんやなって思えるから。
👨🏫 文四郎:それでええんや。
👦 子ども:文四郎、今日はちょっと先生っぽいな。
👨🏫 文四郎:今日は、やなくて、いつもや。
👦 子ども:でも結局、説明はテオにしてもろたやん。
👨🏫 文四郎:うっ。
👦 子ども:でも、今日はちょっと許したるわ。
👨🏫 文四郎:なんで上からやねん。
👦 子ども:「コーヒーの湯気越しに」って訳、悪くないって言うてくれたから。
👨🏫 文四郎:悪くないどころか、ワシはけっこう好きやで。
👦 子ども:ほんま?
👨🏫 文四郎:英語の正解とは違う。でも、言葉としてはきれいや。
👦 子ども:なんか、あの時のかっこ悪さが、ちょっとマシになったわ。
👨🏫 文四郎:それでええんや。間違いにも、あとから救われる間違いがある。
🐶 ガジュマル:ワンワン。
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