土星の「土」は土台作り
西洋占星術で土星🪐は、
試練や忍耐のシンボルとして扱われます。
でも、「試練」や「忍耐」、抑制、制限、努力…
なんて言葉はちょっと重苦しいですね。
誰もが身構えてしまうキーワードばかりで表されるこの星を、私は「土台」の星と考えています。
土星の「土」は、「土台」の土と同じ。
土星はあなたを苦しめてやろう懲らしめてやろうとしてくるのではなく、本当に自分らしい生き方ができているか見回りにやってくるのです。
例え話としてお家を建てるときのことをイメージしてみてください。
どんな雰囲気のお家にしようかなぁ
どんなインテリアを合わせようかなぁ
北欧風?
アジアンテイスト?
洗練されたシンプルでスタイリッシュな感じ?
考えるだけでワクワクしますよね。
どんなお家を建てるとしても、最初にやることはみんな同じ。
そう、土台作り。基礎作りです。
インテリアの雑誌を眺めていても、
家具屋さんを何軒も見回っても、
どれだけ想像を膨らませてもお家は建ちません。
汗水垂らして土をならして太い杭を打ち、基礎を作らないとその先の楽しい工程には進めない。
現代では業者さんにお金を払って頼んで建ててもらうのが一般的ですが、
(暑い日も寒い日も…頭が下がります)
人生の土台は外注できないのが厳しいところ。
占いやカウンセリングでほんの少しの外注はできても、それでもやはり自分自身が動くことでしか土台は出来上がりません。
しかも、それがサターンリターンなら解体作業からのスタートです。
土台作り以前に、まずはそこにある古い建物を壊して更地にしなければなりません。
この古い建物こそ、これまで生きてきた価値観や常識が柱となってあなたを守ってきたお家。
親や家族が拵えてくれた基礎と土台の上に建てられた仮の棲家。
生まれてからこれまで模様替えをしたり住みやすいよう工夫を凝らしながら守ってきた、心安らぐ「帰る場所」。
自分以外の誰かが拵えてくれたものなので、完璧にはしっくりこなくとも雨風の凌げる有難いシェルター。
若い頃はとにかくあれも欲しいこれも欲しいといろんなものを集めるものですから、その古いお家にはもう使わないのに眠っている思い出の品や、壊れたままの何かもあるでしょう。
この解体作業がまぁ大変。
まだ使えるからいいや〜と目を逸らしてきたモノたちとひとつひとつ対峙することになります。
脳内にこんまりさんを召喚して、トキメかないものはもう一掃するしかありません!
古いアルバムを捲るようなノスタルジーに浸る余裕もなく、解体&撤去作業は数年間続きます。
これももう使えないの?!
いつの間にこんなにたくさんのものが?!
という驚きとクタクタの連続ですが、
それはあなたが必死に前を向いて生きてきた証。
あなたがいろんなものを手に入れてきた証。
立ち止まって振り返る暇も惜しんで走り続けてきた人ほど、この作業には大変な労力が必要です。
以前、夢について記事を書きました。
思い出のモノはあってもなくても、それにまつわる記憶は消えません。
否が応でも染み付いています。
だから、安心して手放してください。
忘れてしまうことはありません。
思い出すことが少なくなったとしても、
あなたの身体と心はその時のことをちゃんと覚えていますから。
この作業のつらさに打ちひしがれそうになったら少し手を休めて腰を下ろし、これから建つ新しいお家について想像してみてください。
新しいお家はあなただけのお家です。
親や家族がある程度用意してくれた仮の住まいではなく、あなたが自分の手で一から築き上げる本当のお家。
どんなお家にしようかな。
そのワクワクが苦しい時期を支えてくれます。
随分と長いこと基礎を作るものだなぁと思って眺めていると、あっという間に家が建ちます。
あなたの街にも建設中の土地はありませんか?
何ができるのかなぁ〜なんて気にしていると、ある日急にブルーシートの隙間から建物が見え始め、そしたら完成まであっという間!
それだけ基礎作りは地道というわけです。
小学生の頃、卒業式で校長先生がこんな話をしてくれました。
竹は成長スピードが速いことで知られています。
それは「節目」を作っているからなんだそうです。
もし節目が無かったら、竹は向こう見ずにぐんぐん伸びて、やがてどこかで自重に耐えきれなくなりポキっと折れてしまう。
だから竹は節目を作ることにしました。
節目を作るのにはとても時間がかかります。
傍目からは何もしていないように見えてしまいますし、自分自身も早くグーン!と伸びてみんなを驚かせたいのに、節目はなかなか完成しません。
学生のうちは、大人が節目を作ってくれます。
入学式、卒業式、みんなが一斉に節目を作ります。
でも、オトナになったら節目を自分で作っていかなければいけないのです。
節目を作ることを疎かにすると、
どれだけ伸びていたとしても誰よりも早く誰よりも上に伸びていたとしても、ある日ポッキリ折れてしまいます。
だから、節目を作ることを忘れないように。
節目を作るときには、焦らないこと。
人と比べないこと。
出来上がるまでたっぷり時間をかけること。
節目があるということが安心感となり、
全力でぐんぐん伸びていけるから竹は成長スピードが速いのだそう。
竹は潔さの象徴でもあります。
節目を作るときは節目を作る、
伸びるときは思い切り伸びる!
それはまさに、その時、その時、自分がなすべきことに全力を注ぐ人の生き方の象徴。
私はこのお話をずっと大切に心の中にしまっています。
節目を作るときは、地味だし、もどかしい。
周りと比べて焦りも増して、
それはもう心がつらい時期。
でも誰よりも早く伸びる必要はないのです。
誰よりも高く伸びる必要もないのです。
金メダリストの高橋尚子選手の言葉が好きです。
何も咲かない寒い日は、
下へ下へと根を伸ばせ。
上へ上へと伸びるときはみんなが注目してくれるし、自分自身も成長を実感し、勢いが増します。
頑張ることが楽しい。
頑張ったら頑張った分だけの成果が手に入る。
そんな日々ばかりではないのが人生。
何も咲かないからといって諦めてしまうのではなく、そんな時にもやるべきことはある。
むしろ、そんな時にどれだけ根を深く太く伸ばせたかで、その後の咲き方実り方に差がつきます。
土台を作る時間。
節目を作る時間。
誰でもつらく厳しい時期になりますが、
その時期をどう過ごしたかがその後を左右します。
準備のとき。
雌伏のとき。
そう思って、踏ん張りましょう。
ただ耐えるのではなく、
これからの未来のために耕すのです。
根を深く張りながら、手で土を整えながら、
これからの自分にこの苦労を託す気持ちで。
これまで支えてくれた古い家を労う気持ちで。
土星はちょっとした模様替え程度では納得してくれません。
でも潔く全部解体して、手放して、更地にして、綺麗さっぱりになったあなたの強い基礎を見たら安心して去っていきますから。
怖がらずに何もかもを手放して、
一度綺麗な更地になりましょう。
そこに太い信念の杭を深く打ち込んで強固な土台を築き上げましょう。
そこにあなたがあなたらしく、あなただけの家を楽しく作り始める。
それが土星の望む景色なのだと私は考えています。
土星がハードな角度で巡ってきた時には、
「土星親方の見回りがきたぞ!」
くらいの気持ちであまり深刻に捉えすぎず、
新人の職人さんになった気持ちで過ごしてみてください。
土星親方は厳しくても心の温かい職人さんです。
あなたの未来を案じて見回りにきてくれるのですから。
