【教員の選択】教室の掲示物は、どこまで貼るかー壁面情報の引き算とユニバーサルデザイン

「子どもたちの頑張りの足あとを残してあげたい」
「授業のまとめを振り返れるようにしておきたい」
「子どもたちの活動の写真を貼ってあげたい」

そう考えているうちに、
気づけば教室の壁という壁が埋まっている。

・子どもの作品
・学習のまとめ
・係活動の紹介
・委員会のポスター
・学級目標
・校外学習の写真

掲示物には、
もちろん大切な役割があります。

・学びの足あとを残す
・友達の考えに触れる
・自分たちの活動を振り返る
・「ここが自分の教室だ」という所属感をつくる。

だから、
掲示物そのものが悪いわけではありません。

ただ、
「貼ること」そのものが目的になっていないか。

ここは、一度考えてみてもいいのだと思います。

掲示物は、増やせば増やすほど教育的な価値が高まるわけではありません。

教室の壁も、
子どもたちが毎日過ごす「学習環境」です。

だからこそ、

「何を貼るか」だけではなく、
「何のために貼るのか」を考える。

【選択①】必要最低限だけ貼る

「今、使っているか?」

を基準にして、必要なものだけを残す方法です。

例えば、

・今日の予定や日課
・掃除場所などの生活情報
・現在学習している単元の重要事項
・今取り組んでいる学級の約束

など。

今、子どもたちが必要としている情報を、
必要な場所に置きます。

一方で、

・すでに終わった単元のまとめ
・過去の学級目標
・以前の活動記録
・誰も参照していないポスター

などは、
役割を終えたタイミングで外していく。

ここで大切なのは、

「古くなったから剥がす」のではなく、
役割を終えたから手放す」という考え方です。

教室の掲示物は、一度貼ると、

「せっかく作ったし」
「まだきれいだし」
「剥がすのがもったいないし」

と、残り続けやすい。

でも、役割を終えたものを手放すことも、
教員の仕事です。

「今、大切なものを目立たせる」ために、
「役割を終えたものを引く」ということです。

教室の壁も、ずっと足し算を続ける必要はありません。教室の壁を、常に最新の状態に保つ。

そうすることで、
本当に必要な情報が目に入りやすくなります。

【選択②】学習掲示物をほとんど貼らない

二つ目は、
さらに引き算する方法です。

授業のまとめや学習ポスターなどを、
あえて壁に残さない。

生活に必要な情報だけを残して、
教室をできるだけシンプルにする。

壁に情報が少なければ、

今、教師が伝えていることや、子ども自身が考えていることに意識を向けやすくなります。

掲示物を減らすと、

「教室が寂しくなるのでは?」
と思うかもしれません。

でも、
余白があることと、学びがないことは違います。

何も貼っていない壁があるからこそ、
今必要な一枚が目立つ。

掲示物が厳選されているからこそ、
子どもの作品に目が向く。

黒板周りがすっきりしているからこそ、
板書や教師の説明に集中できる。

つまり、
余白そのものにも、教育的な価値があります。

何かを足すことだけが、
環境を豊かにする方法ではありません。

時には、何かを引くことで、
大切なものが見えてきます。

【選択③】教室を埋める

三つ目は、子どもたちの作品や活動の記録を、
どんどん教室に残していく方法です。

教室全体が、
子どもたちの活動でいっぱいになっている。

教室を彩ることにも、
ちゃんと意味があります。

ただし、

壁に情報が増えれば増えるほど、
一つ一つの情報が目立たなくなることもあります。

だから、

「たくさん貼ってある=よい掲示」
とは限りません。

「貼るか、貼らないか」ではない

大切なのは、

「なぜ、これを貼っているのか?」です。

教室の壁は、
ただの「空いている場所」ではありません。

子どもたちが毎日見て考えて過ごす場所です。

だからこそ、
壁も、授業と同じように設計する。

・足す
・残す。
・移動する

そして、必要がなくなったら手放す。

「教室の壁に、たくさん貼ってあること」が、
良い教室の条件なのではありません。

子どもたちにとって必要なものが、
必要な場所に、必要なだけあること。

それが、
教室の環境を整えるということなのだと思います。

掲示物を貼る前に、「これは何のため?」
と考えてみる。

そして、「もう役割を終えたかな?」
と定期的に見直してみる。

教室の壁を埋めるのではなく、
子どもたちが思考するための「余白」をつくる。

それもまた、
教員ができる大切な環境設計なのだと思います。

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