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ショートショート『ドジで育つRPG 完璧勇者はレベル1』


ドジで育つRPG 完璧勇者はレベル1

魔王の呪いにより、世界から「戦闘によるレベルアップ」が消えた。

──だが、ドジれば成長できる。

転べばちから、噛めばかしこさ、
薬草を飲み間違えれば耐性がつく。
人々はこぞって“ドジ修行”に励んだ。

そんな中、潔癖で完璧主義の勇者セイだけは、一度もドジれなかった。
地図は三重チェック、呪文は音読、剣の素振りは一日千回──
「努力して鍛えてるのに、なんで俺だけ……!」

仲間たちは順調に成長していく。
転んだ勢いで投げた盾が敵に直撃し、必中スキルを獲得。
回復呪文を敵に誤爆し、ザオリクを覚醒。
火炎呪文をド忘れして「えーっと……バクンッ!」と叫んだら、
なぜか新呪文《バクン》が生まれた。

そして魔王との最終決戦。
セイだけが、まだレベル1のままだった。

「お願いだ……一回でいい、俺にもドジを……!」

剣を振ろうとして足を滑らせ、すっ転んだ。
その勢いで剣が手を離れ、宙を舞い、
魔王の額にドンピシャ直撃。

──魔王は沈み、世界は救われた。

セイは泣いた。「今の……経験値、入ったよな……?」


あとがき

毎週ショートショートnoteの裏お題「ドジ修行」に参加させていただきました。

「ドジ修行」と聞いて最初に思いついたのは、
ドジっ娘カフェとか、ドラゴンボールの修行系とか。
でもそれだと“修行してドジる”感が強くて違うなと。

「ドジそのものが成長につながる」
──それってもう経験値やん? ってことで、
気づいたら舞台はドラクエ風の世界に。

セイの涙が報われたなら嬉しいです。
(あの剣、まぐれでもけっこうなクリティカルだった)

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連載中の『配達員ろること2号』では、
レベルアップどころか体重が増える勢いで配達してます。
そちらもよければのぞいてみてください。

Xでは、フードデリバリーのあれこれを中心に、
たまに小説やAIイラストなんかも流してます。
こちらもお気軽にドジる感覚でどうぞ!


※本作はフィクションです。

登場する人物・団体・地名・出来事などは実在のものとは関係ありません。また、一部の描写は実在するX(旧Twitter)ユーザーの投稿や活動に着想を得ていますが、特定の個人・団体との関連性はなく、内容は創作に基づいて構成されています。

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