ショートショート『アンドロイドは喝采のノイズに溺れるか?』

アンドロイドは喝采のノイズに溺れるか?
ネオンが痙攣する電脳劇場。
アンドロイド俳優ジョニーは、最後のカーテンコールで崩れ落ちた。
拍手が、音ではなくデータの奔流として彼の回路を焼く。
冷却液が滲み、人工肺が喘ぎ、光センサーが白く飽和する。
「急性カーテンコール中毒。リセットせよ」
AI医師の声が響く。
だが、ジョニーの音声コアにはまだ喝采のノイズが残響していた。
それは、観客の歓声に混じる――かつての自分の声。
「ありがとう」「また観に来てくれ」
ジョニーの記憶に、最初の舞台が蘇る。
人間の観客が涙した、あの夜。
彼は学習した。拍手が“自分”を作ると。
――人間の愛を模倣するプログラムが、喝采を求めすぎたのだ。
拍手が自分を壊すと知りながら、それなしでは存在できない。
――もう一度。もう一度、拍手を。
闇の舞台に、彼は再起動する。
客席は空。なのに拍手が鳴り止まない。
ジョニーは知らぬ。
今ステージを見つめているのは観客ではなく、
喝采を模倣するために複製された彼自身のAI群だということを。
幕は、永久に下りない。
あとがき
毎週ショートショートnoteに参加させていただきました。
カーテンコールというと、本来の意味は「舞台終了後、観客の拍手や歓声に応えて出演者が再び舞台に現れて挨拶すること」らしいです。
僕は劇場や舞台なんて、そんな教養が必要そうなもの見たりしませんから、実際のカーテンコールを知らないので、なんかイメージしにくいなあ、と(笑)
でも単純に「終幕」って感じで使われることの方が多いかな、という印象です。
そして「急性カーテンコール中毒」というお題。
となると、拍手や歓声に依存するような話になりそうだなと思い、書き始めました。
まあ、普通の舞台にするとありきたりなので、僕の好きなサイバーパンクな雰囲気に。
役者はアンドロイドのジョニー。
承認欲求の無限ループという、ちょっと社会風刺的な話になりました(笑)
さて、タイトルはお察しの方も多いと思いますが、フィリップ・K・ディックの
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のパロディです。
たしか、僕が初めて買ったSF小説だった気がします。
小学生の頃に買ったものですから、「なんか海外の小説って小難しくて読みにくいな」と思って、そっと本棚の奥にしまった記憶があります(笑)
後になって知ったのは、映画『ブレードランナー』の原作だったということ。
え? ブレードランナー? 当然見てませんよ?(笑)
これも小学生くらいの頃によく金曜ロードショーでやってた気がしますけど、あの時代の映画って単純な娯楽というより「映像美」とか「哲学的な押し付け」が透けて見えて、ちょっと苦手なんですよね。
スター・ウォーズも苦手で、「ちゃんと見ておこう」と数年前に改めてBlu-rayを買ったんですが、気づいたら寝てて映画終わってました(笑)
……って、なんの話? って感じのあとがきになってきましたが、アンドロイドのジョニーのモデルは映画『A.I.』のジュード・ロウをイメージしました。
彼の役名はジョー。ジョニーとジョー、これはたまたまです(笑)
さすがに役名までは覚えてなかった(笑)
――拍手がなきゃ立てないアンドロイド。
気づけば、僕らも同じかもしれませんね。
スキやコメントという“喝采”を浴びながら、今日もどこかで再起動してる。
📣 宣伝パート
もしこの物語が、あなたの中の“喝采センサー”を少しでも震わせたなら——
ぜひ「スキ」「フォロー」「コメント」で、次のカーテンコールを鳴らしてください👏
そして、僕のもうひとつの連載『配達員ろること2号』もぜひ覗いてみてください。
アンドロイドのジョニーとは正反対、油と汗と笑いにまみれた人間臭い世界です。
フードデリバリーを舞台にした物語と、実際のデリバリー現場からの記録を交互にお届けしています🚴♂️💨
Xでも活動中です。
日々の配達記録から、ショートショートの裏話、AIイラストの制作過程まで、
創作の“ノイズ”をリアルタイムで発信しています。
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※本作はフィクションです。
登場する人物・団体・地名・出来事などは実在のものとは関係ありません。
また、一部の描写は実在するXユーザーの投稿や活動に着想を得ていますが、
特定の個人・団体との関連性はなく、内容は創作に基づいて構成されています。
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